地方の国公立大学に行くなら:東進の受講ルート

東進館山校の受講ブースの横で、安房高校の学ランの男子が、色違いの5冊の分厚い問題集を両腕に抱え、全部やり切ると腹を決めた顔をしている。「共通テストの配点が大きい」「地方国公立の受講ルート」「5教科を1つも落とさない」の文字。

ランゲージ・ラボラトリーの小池です。

志望校ごとに「東進でこの順番に取ればいい」という受講ルートをまとめるシリーズです。今回は地方の国公立大学。茨城大学や信州大学のように、地元や近くの県の国立大学を目指す人に向けたルートです。

教科ごとに、まず取る基本のルートを1本だけ大きく示し、ほかのコースは「こういう人はこちら」と短く添えます。ルートのもとにしたのは、東進ハイスクールWikiの「志望校別定番講座セット」の「地方国公立」のページです。ただし、このページは2023年1月から更新されていません。講座はすべて東進ドットコムの2026年度の講座案内で1つずつ確かめ、名前が変わったものは今の名前で書いています。Wikiに無い共通テスト対策の講座は、講座案内から足しました。

目次

地方の国公立大学の入試で、講座が分かれるところ

東進館山校の受講ブースで、安房高校の制服の高2女子が、5教科の教科書を机いっぱいに並べ、口を結んでどれも手を抜かないと腹を決めている挿絵。文字「配点の大半が共通テスト」

国立大学の一般選抜は、1月の共通テストと、2月の大学ごとの二次試験の合計点で決まります。地方の国公立大学で目立つのは、配点の大半が共通テストにあることです。

大学・学部(前期)共通テスト二次二次の科目
茨城大学 人文社会科学部1150点250点英語200点、書類50点
茨城大学 工学部1200点450点英語100点、数学・理科300点、書類50点
信州大学 経法学部900点250点英語・数学・国語から1科目200点、調査書50点
信州大学 工学部700点590点数学280点、物理280点、調査書30点
北海道大学 総合入試文系315点450点英語150点、国語150点、数学か地歴公民150点

茨城大学(共通テストのボーダー得点率52〜68%)の人文社会科学部なら、共通テスト1150点に対して二次は250点。信州大学(同51〜83%)の経法学部も、900点に対して250点です。二次で取り返せる点が小さいので、苦手な教科を1つ放っておくと、そのまま届きません。

いっぽう、同じ国立でも北海道大学(同75〜78%)のような旧帝大は、二次の配点のほうが大きくなります。理系の学部も、信州大学の工学部のように二次の数学・理科が重い学部があります。志望校が決まったら、まず配点を確かめてください。

つまり、地方の国公立大学のルートの主役は、共通テストの5教科(と情報)を全部そろえることです。英語と数学で二次の力をつけながら、国語・理科・社会・情報の共通テスト対策を高3の秋までに終える。この記事のルートは、その順番で組んでいます。

出典:配点は河合塾 Kei-Net「入試科目」2027年度入試(前期日程)。茨城大学は大学図鑑の記事の数字(2026年10月7日に取得)、信州大学・北海道大学は2026年10月11日に取得。信州大学の工学部は電気電子工学科などの配点。共通テストのボーダー得点率は河合塾 Kei-Net「偏差値(ボーダーライン)」2027年度入試の前期日程の幅(北海道大学は総合入試の文系・理系)。

英語:基本は安河内哲也先生のルートと共通テスト対策

夜、自分の部屋の机で、志学館高校の制服の高2男子が、イヤホンで英語のリスニングを聞きながら、聞き取れた手ごたえに笑顔で小さくガッツポーズをしている挿絵。文字「読む・聞くを段で上げる」

英語は、共通テストでも二次でも点が大きい教科です。共通テストはリーディングとリスニングの両方があり、二次も英語を課す大学が多くあります。

基本のルートは、安河内哲也(やすこうち てつや)先生の講座です。高校の文法から始めて、共通テストで点を取れる力、有名大の入試で戦える力へと段を踏んで上がれます。

順番講座どんな人に
1難度別システム英語 英文法Ⅱ高校の英文法を、はじめからしっかり学び直したい人
2安河内哲也の基礎から偏差値アップ総合英語共通テストで7割を目指す人。読む・聞くの土台をつくる
3安河内哲也の有名大突破! 戦略総合英語共通テストの先、二次の英語で戦える力をつける
4大学入学共通テスト対策 英語Listening&Reading 実力完成高3。共通テストの形式に合わせて仕上げる(45分×10回)
5国公立大対策英語長文(標準編)高3。二次に英語がある人。地元・地方の国公立大学の記述問題の対策

3までを高2のうちに終えるのが目安です。4と5は、出題の形に合わせて解き方を整える講座なので、3までの力があってはじめて効きます。英単語は、どのルートでも高速マスターで先に固めておきます。

こういう人はこちら

  • 共通テストの形式に早くから慣れたい、リスニングが苦手:武藤一也(むとう かずや)先生の「大学入学共通テスト対策 英語Listening&Reading 基礎力練成」(60分×20回)。リスニングだけを鍛えるなら「大学入学共通テスト対策 ListeningⅠ」〜「ListeningⅣ」を、今の得点に合わせて選びます
  • 先生の話をじっくり聞いて、文法と語彙から固めたい:今井宏(いまい ひろし)先生の「今井宏の英語D組・基礎力強化教室」→「C組・基礎力完成教室」→「B組・実力アップ教室」
  • 英語が得意で、北海道大学・東北大学など旧帝大の二次も考えたい:「飛翔のための英文読解講義(応用)」か「難関国公立大英語」。くわしくはシリーズの別の記事で

数学:文系も共通テストで2科目

東進館山校の受講ブースで、木更津高校の制服の高2女子が、数学の問題を解きながらキッチンタイマーの残り時間を見て、眉を下げて焦っている挿絵。文字「時間内に解き切る」

多くの国公立大学は、文系の学部でも共通テストで数学Ⅰ・AとⅡ・B・Cの2科目を課します(新潟大学の人文学部も、北海道大学の文系も2科目)。文系だから数学はやめる、は国公立では通りません。私立の文系とのいちばん大きな違いがここです。

基本のルートは、志田晶(しだ あきら)先生の講座です。

順番講座どんな人に
まず(必要な人だけ)今から始める受験数学(文理共通)〜テーマ別数学への準備〜教科書はひと通り終えたが、受験の数学はこれからの人
1テーマ別数学(文理共通)基本問題は解けるのに、入試の応用問題で手が止まる人
2(理系)テーマ別数学(理系)二次に数学がある理系の人。数学Ⅲの範囲(準備が要る人は「今から始める受験数学(理系)」から)
3大学入学共通テスト対策 数学Ⅰ・A実力完成/数学Ⅱ・B・C実力完成高3。共通テストの形式と時間配分に合わせて仕上げる(各90分×20回)

共通テストの数学は、時間との勝負です。解き方を知っていても、時間内に終わらなければ点になりません。3の共通テスト対策は、ここを練習する講座です。

こういう人はこちら

  • 二次に数学がない文系の人:1を終えたら、3の共通テスト対策に早めに移ってかまいません。共通テストの数学で7割に届かない人は「数学Ⅰ・A基礎力練成」「数学Ⅱ・B・C基礎力練成」から
  • 数学が苦手で、学校の単元から固めたい人:大吉巧馬(おおよし たくま)先生の「高等学校対応 基礎数学」など、高等学校対応の単元ごとの講座でつまずいた単元を直してから志田先生のルートへ
  • 数学で稼ぎたい理系の人:長岡恭史(ながおか やすふみ)先生の「数学ぐんぐん[基本編]」(理系は「微積もぐんぐん[理系微積分+α]−基本編−」も)。余裕があれば応用編まで

国語:共通テストの現代文・古文・漢文

東進館山校の白い長机で、翔凜高校の制服の高3女子が、古文と漢文のプリントに夢中になり、目を輝かせて読み進めている挿絵。文字「理系も国語が要る」

地方の国公立大学では、国語は理系の学部でも共通テストで必要になることが多い教科です(北海道大学の理系も共通テストに国語があります)。二次に国語がない学部が多いぶん、共通テストの現代文・古文・漢文で取りきることを目標にします。

現代文

基本は、林修(はやし おさむ)先生の「大学入学共通テスト対策 現代文」(90分×10回)です。共通テストで高い点が要る人向けの講座で、文章の読み方と、選択肢の切り方を身につけます。

  • 演習の量をもっと積みたい人:同じ名前で90分×20回の「大学入学共通テスト対策 現代文」(別の先生)
  • 二次に現代文がある人(北海道大学の文系など):林先生の「現代文記述・論述トレーニング」

古文

順番講座どんな人に
1古典文法強化ゼミ文法があやしい人。10回で文法を固める
2大学入学共通テスト対策古文古文の力はまだこれから、の人が、共通テストで点を取れるようにする(90分×20回)

どちらも栗原隆(くりはら たかし)先生の講座です。文法から共通テストまで、同じ先生で段を踏めます。

漢文

基本は「基礎から学ぶ共通テスト対策漢文」(90分×20回)。漢文を基礎から、共通テストで点を取れるところまで一気に上げる講座です。句法をひと通り知っている人は、90分×10回の「大学入学共通テスト対策漢文」で足ります。

漢文は、句法を覚えれば短い時間で点が安定する分野です。後回しにせず、高3の夏までに終えてください。

理科・社会・情報:共通テストの科目を落とさない

東進館山校の窓ぎわの受講ブースで、安房高校の学ランの高3男子が、地図帳と化学の問題集を左右に置き、口を結んできっぱりと予定表に書き込んでいる挿絵。文字「1科目の穴が合否を分ける」

地方の国公立大学では、理科・社会・情報も共通テストでそろえます。どの科目が要るか、何科目かは大学・学部で違うので、志望校の入試科目で必ず確かめてください。ここでは、科目ごとの基本の講座を1枚の表にします。

理系の理科(2科目)

科目基本の講座こういう人はこちら
物理やまぐち健一(やまぐち けんいち)先生「スタンダード物理 PART1/PART2」→「大学入学共通テスト対策 物理」二次に物理があり、理論を深く理解したいなら、三宅唯(みやけ ゆい)先生「難関物理 PART1/PART2」
化学「スタンダード化学 PART1/PART2」→「大学入学共通テスト対策 化学」—
生物「スタンダード生物PART1/PART2」→「大学入学共通テスト対策 生物」—

スタンダードの講座で二次まで使える力をつけ、高3の秋に共通テスト対策で形式に合わせる順番です。二次に理科がない学部なら、共通テスト対策の講座から入ってもかまいません。

文系の理科(理科基礎)

文系は、物理基礎・化学基礎・地学基礎などから2つを選ぶのがふつうです。「大学入学共通テスト対策物理基礎/化学基礎」のように、2つを1講座で学べるものがあります。1つずつ取るなら「大学入学共通テスト対策 化学基礎」「大学入学共通テスト対策物理基礎」「大学入学共通テスト対策地学基礎」。

社会

科目基本の講座
地理村瀬哲史(むらせ あきふみ)先生「大学入学共通テスト対策地理総合, 地理探究(系統地理編)」→「(地誌編)」
日本史金谷俊一郎(かなや しゅんいちろう)先生「大学入学共通テスト対策歴史総合,日本史探究」
世界史加藤和樹(かとう かずき)先生「大学入学共通テスト対策歴史総合, 世界史探究」
公共・政治経済「大学入学共通テスト対策 公共, 政治・経済」

二次に日本史・世界史がある人は、先に「スタンダード日本史探究 PART1/PART2」「スタンダード世界史探究 PART1/PART2」で流れをつかんでから、共通テスト対策へ進みます。

情報Ⅰ

共通テストで情報Ⅰを課す国公立大学も多くあります(新潟大学・北海道大学など)。基礎から始めるなら「基礎から学ぶ共通テスト対策情報Ⅰ」(90分×20回)、ある程度わかっている人は「大学入学共通テスト対策情報Ⅰ」(90分×10回)です。

いつまでに何を終えるか:学年ごとの置き方

地方国公立ルートの学年ごとの置き方の手描き図解。「高1 英単語と英文法」「高2(11月まで) 英語と数学の土台」「高2の冬〜高3の夏 理科・社会・古文漢文」「高3の夏から 共通テスト対策と過去問」の4区間。見出しは「5教科を高3の夏までにひと通り」。

館山校の受講ルールでは、高1はふだん週2コマ(長期休みは週4コマ)と高速マスター、高2は月8コマで11月までに全講座を終えます。地方の国公立大学のルートをこの決まりに当てはめると、こうなります。

時期地方国公立ルートで終える講座ペース
高1高速マスターで英単語1800。難度別システム英語 英文法Ⅱ、安河内哲也の基礎から偏差値アップ総合英語週2コマ。長期休みは週4コマ
高2(11月まで)安河内哲也の有名大突破! 戦略総合英語。今から始める受験数学→テーマ別数学(文理共通)。古典文法強化ゼミ月8コマで、11月に100%。夏休みは国公立志望で週8コマ以上
高2の冬〜高3の夏理系はスタンダード物理・化学・生物とテーマ別数学(理系)。社会(地理・日本史・世界史など)、文系の理科基礎、古文・漢文、情報Ⅰ夏休みが終わるまでにひと通り
高3の夏から共通テスト対策の講座(英語・数学・現代文)、国公立大対策英語長文(標準編)、共通テストと二次の過去問過去問と並行して

ポイントは、5教科を高3の夏までにひと通り終えておくこと。共通テストは教科の数が多いので、秋に新しい科目を始めると、どれかが間に合いません。高2の11月までに英語と数学の土台を終えておけば、高3は理科・社会と共通テストの形式に時間を回せます。

コマ数や日付は年度ごとに少し変わります。その年の数字は、校舎からのお知らせ(LINE)で確かめてください。学年ごとの決まりと理由は東進の受講ルールにまとめています。

合格設計図に落とす

日曜の夜、自宅のリビングのテーブルで、志学館高校の制服の高2男子が、iPadの合格設計図に講座を一つずつ登録し、来週の予定が埋まっていくのに夢中になって満足げにうなずいている挿絵。文字「学部を決めて設計図へ」

ルートが決まったら、学力POSの合格設計図に入れます。順番は次のとおりです。

  1. 第一志望の大学・学部を入れる。学部まで決めてから講座を選ぶこと。同じ信州大学でも、経法学部は二次が1科目、工学部は数学と物理。学部で要る講座が変わります
  2. 第一志望の試験方式と配点を調べて入れる。共通テストの教科・科目と、二次の科目の両方
  3. 中期計画で、この記事のルートから今年受ける講座を登録する
  4. 短期計画で、週に何コマ進めるかを決める(高1は週2コマ、高2は月8コマが目安)
  5. 毎週日曜日に、翌週の週間予定表を立てる。これがそのまま受講の予約になります

合格設計図と週間予定表の操作は、受講計画の立て方にまとめています。迷ったら、設計図を開いたまま担任に見せてください。一緒に組み直します。

まとめ

地方国公立ルートの要点の手描き図解。「英語:英文法Ⅱ→偏差値アップ→戦略総合英語→共通テスト対策」「文系も数学は共通テストで2科目」「国語は理系も共通テスト」「理科・社会・情報も落とさない」「5教科を高3の夏までにひと通り」の5項目。見出しは「地方国公立ルート 5つの要点」。
  • 地方の国公立大学は、共通テストの配点が大きい大学が多い。主役は5教科(と情報)を全部そろえること
  • 英語は、安河内哲也先生の英文法Ⅱ→基礎から偏差値アップ総合英語→戦略総合英語。高3で共通テスト対策と国公立大対策英語長文(標準編)
  • 数学は文系も共通テストで2科目。基本は志田晶先生の今から始める受験数学→テーマ別数学、高3で共通テスト対策
  • 国語は理系も共通テスト。現代文は林修先生、古文は栗原隆先生、漢文は基礎から学ぶ共通テスト対策漢文
  • 理科・社会・情報も、共通テストの科目を1つも落とさない
  • 5教科を高3の夏までにひと通り終え、学部まで決めて合格設計図に入れる

地方の国公立大学は、苦手な教科がないことがいちばんの武器になる入試です。今日、合格設計図を開いて、今年のルートを入れてください。

出典:講座の順番は東進ハイスクールWiki「志望校別定番講座セット」の「地方国公立」(2023年1月13日更新)のページと、「北海道大学」「東北大学」のページ(2026年10月10日に取得)。Wikiに無い共通テスト対策の講座は、講座案内から足した。講座名・回数・対象は東進ドットコム「講座案内」(2026年度版、2026年10月11日に確認)。配点・ボーダー得点率は、この記事の最初の表の出典のとおり。新潟大学の共通テストの科目は河合塾 Kei-Net「入試科目」2027年度入試(人文学部)。

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この記事を書いた人

小池哲平のアバター 小池哲平 ランゲージ・ラボラトリー塾長

ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
塾長のプロフィール ランゲージ・ラボラトリーについて

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