大学入試のしくみ:共通テスト・国公立・私立・推薦は、いつ何がある?

東進館山校で、志学館高校の緑のブレザーの男子高校生が、9月から3月までの予定がびっしり並んだ大きなカレンダーを見上げて目を丸くしている。「高校入試とはまったく別物」「大学入試のしくみ」「9月から3月まで続く」の文字。

大学入試は、高校入試とはまったく別物です。高校入試は「3月の1回の学力検査と内申点」でほぼ決まりますが、大学入試は共通テスト、国公立の二次試験、私立の独自試験、推薦や総合型選抜が、9月から3月までに入り組んで並んでいます。

しかも、どの方式で受けるかによって、勉強する教科も、勝負の時期も変わります。しくみを知らないまま高3になると、受けられたはずの大学を自分で消してしまうこともあります。

この記事では、2027年度入試(今の高3生が受ける入試)の日程を例に、大学入試の全体像をまとめます。日程は毎年少しずつ変わるので、表には年度を書いています。中3・高1の皆さんと、大学受験に馴染みのない保護者の方にも読んでほしい内容です。

目次

大学入試の全体の流れ(2027年度入試の例)

大学入試の1年の流れの手描き図解。9月から総合型選抜、11月から学校推薦型選抜、1月に共通テスト、2月から3月に私立の一般選抜と国公立の前期・中期・後期。見出しは「大学入試は9月から3月まで続く」。

まずは1年の流れです。推薦・総合型は秋、共通テストは1月、国公立と私立の一般選抜は2月から3月です。

入試の種類出願試験・発表
総合型選抜9月1日〜合格発表 11月1日〜
学校推薦型選抜11月1日〜合格発表 12月1日〜
大学入学共通テスト9月15日〜10月2日本試験 2027年1月16日(土)・17日(日)
国公立 一般選抜2027年1月25日〜2月3日前期 2月25日〜/中期 3月8日〜/後期 3月12日〜
私立 一般選抜12月〜(大学ごと)2月入試・3月入試

※2027年度入試の日程(東進「進学情報」2026年9月18日号より)。共通テストの正式な日程と手続きは、大学入試センターのホームページで確かめてください。

一般選抜の受験生にとって、いちばん大きな山は1月の共通テストです。国公立は全員が受け、私立でも共通テストを使う方式がたくさんあります。

共通テストと、大学ごとの二次・個別試験

東進館山校の自習ブースで、安房高校の制服の女子高校生がスマホで共通テストの出願と支払いを済ませ、胸に手を当ててほっとしている。「出願は」「払って完了」の文字。

大学入試の学力試験は、大きく分けて2種類です。

試験いつ中身
大学入学共通テスト1月中旬の土日全国の受験生が同じ日・同じ問題で受ける統一試験。国語・数学・英語・理科・社会・情報。暗記だけでなく「考える力」を問う問題が増えている
二次試験・個別試験2月〜3月大学・学部ごとに独自に作る試験。記述・論述・英語長文など、共通テストよりはるかに高度。傾向は大学ごとにまったく違う

共通テストの出願は、一人ずつネットで

高校入試と大きく違うのがここです。共通テストの出願は、学校がまとめてやってくれるわけではありません。高3生も一人ひとりが、自分のスマホやパソコンから出願します。

  1. 共通テスト出願サイトでマイページを作る
  2. ログインして出願内容を登録する
  3. 検定料を支払う

落とし穴は3つ目です。登録しただけでは出願になりません。検定料を払って、はじめて受理されます。2027年度入試の検定料は、3教科以上18,000円、2教科以下12,000円(成績の閲覧を希望する人は+300円)でした。2027年度入試の出願は10月2日に締め切られました。来年以降も、9月中旬から10月上旬が目安です。

受験票は自分で印刷する

受験票は郵送されません。マイページから自分で取り出して印刷します(2027年度入試は12月4日から)。スマホの画面を見せても会場には入れないので、必ず紙で持っていきます。顔写真つきの身分証(生徒証・マイナンバーカード・パスポートなど)も要ります。

本番と、得点調整

2027年度入試日付
本試験1月16日(土)・17日(日)
追試験1月23日(土)・24日(日)
平均点などの中間発表1月20日(水)
得点調整をするかの発表1月22日(金)
平均点などの最終発表2月4日(木)

「得点調整」は、科目によって平均点に大きな差が出たときに点数を調整するしくみです。受験生は本番の翌日に自己採点をして、その点数で出願先を最終決定します。

国公立:前期・中期・後期と、2段階選抜

国公立大学の一般選抜の流れの手描き図解。共通テスト、2段階選抜(足切り)、前期で合格・入学手続き、入学。前期で手続きすると中期・後期は対象外。見出しは「前期で手続きすると、中期・後期は対象外」。

国公立大学の一般選抜は、共通テスト(1次)と大学ごとの個別試験(2次)の合計で合否が決まります。日程は前期・中期・後期に分かれていて、それぞれ1校ずつ出願できます(中期があるのは一部の公立大学だけ)。

知っておいてほしいことが3つあります。

  • 2段階選抜(足切り):志願者が多すぎると、共通テストの点数で先に絞られることがある
  • 前期で合格して入学手続きをすると、中期・後期の合格の対象から外れる
  • 後期をやめる大学が増えている。その分、後期を実施する大学に志願者が集まる

共通テストの配点が低い大学でも、軽く見ない

共通テストと二次試験の配点の割合は、大学によって大きく違います。ただ、「共通テストの割合が低い=軽く見ていい」ではありません。足切りがあるうえに、共通テストの目標得点率はどの大学も高いからです。

大学学部・系統共通テストの配点割合共通テストの目標得点率
東京大学全科類約20%86〜90%
一橋大学全学部(文系)18〜27%80〜85%
東北大学文系・理系30〜40%73〜80%
筑波大学文系学群46〜50%75〜80%
筑波大学理系学群40〜46%73〜78%
千葉大学文系学部44〜50%72〜78%
千葉大学理系学部33〜40%70〜77%

※2026年度入試の参考データ(東進館山校まとめ)。学部・学科によって違うので、受ける大学の入試要項で必ず確かめてください。

私立:共通テスト利用・併用型・独自試験のみ

私立大学の入試の3つの方式の手描き図解。共通テスト利用型は共通テストが要り独自試験なし、共通テスト併用型は両方要る、独自試験のみは共通テストが要らない。見出しは「私立は、共通テストの使い方で3つ」。

私立大学の入試は、共通テストとの関わり方で3つに分かれます。同じ大学でも、学部や方式によって違います。

方式共通テスト大学独自の試験
共通テスト利用型要る(これだけで合否)なし
共通テスト併用型要る要る
独自試験のみ要らない要る

2026年度入試の時点での例です。

  • 慶應義塾大学:全学部が独自試験のみ。共通テストは使わない
  • 早稲田大学:政治経済・社会科学・国際教養などは共通テスト併用型しかない。法・商・教育・理工系は独自試験のみ
  • 明治大学:経営学部は2026年度から学部別入試が併用型だけになった(全学部統一入試なら共通テスト不要。ただし倍率が高い)
  • 青山学院大学:学部によって、個別学部日程が併用型だけの学部と、独自試験のみの方式がある学部に分かれる
  • 中央大学:併用型は、共通テストの結果を見てから出願できる「後出願型」が多い
  • 法政大学・明治学院大学:独自試験のみで受けられる(共通テスト利用型は別にある)

国公立だけでなく、私立志望でも共通テストを受けておくと、受けられる学部と方式が増えます。反対に、受けない人は、併用型しかない学部を最初から受けられません。入試の方式は毎年のように変わるので、高2のうちに志望校の方式を調べ、高3の出願前に各大学の募集要項でもう一度確かめます。

共通テスト利用の出願は、本番より前に締め切る

共通テスト利用型の出願は、共通テスト本番より前に締め切る大学がほとんどです。自己採点を見てから決めることはできません。どの大学に出すかは、秋のうちに決めておきます。

英検で英語を代えられる大学もある

立教大学は、英語の独自試験をしていません。英語は、共通テストの英語か、英検・TEAPなどの外部試験のスコアで代えます(英検なら準1級・2355点以上が目安)。英検のスコアがあれば、共通テストを受けなくても受験できます。上智大学のように、共通テストと英検の両方が要る方式もあります。英検は早く取っておくほど、大学受験の選択肢が増えます。

推薦・総合型選抜は、秋に決まる

秋の夕方の高校の教室で、志学館高校の緑のブレザーの男子高校生が、通知表と活動の写真を貼ったファイルを見返し、思い出に目を細めている。「高3からでは」「間に合わない」の文字。

一般選抜とは別に、秋に合否が出る入試もあります。総合型選抜(旧AO入試)は9月から出願が始まり、11月から合格発表。学校推薦型選抜は11月から出願で、12月から合格発表です。学校推薦型には、高校ごとに大学から枠が来る「指定校推薦」も含まれます。

推薦・総合型で見られるのは、高校の評定(成績)と、高校生活で何に取り組んできたかです。高3になってから準備しても間に合いません。指定校推薦のしくみと取り方は指定校推薦の記事に、総合型選抜で見られる力は下の記事にまとめています。

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大学ごとに、出る問題がまったく違う

東進館山校の自習室で、木更津高校のセーラー服の女子高校生が模試の結果を手に、過去問の自由英作文の白い解答欄を前に頭を抱えて青ざめている。後ろでは学ランの男子高校生が手応えのある顔で過去問を解き終えている。「模試のB判定」「でも落ちる?」の文字。

大学入試でいちばん見落とされやすいのがここです。同じ「英作文」でも、大学によって求められる力がまったく違います。

たとえば慶應の経済学部では、150語前後の自由英作文が出ます。ところが模試には自由英作文が出ません。対策をしていなくても模試の偏差値は70でB判定。でも本番では自由英作文で点が取れず、落ちる。逆に、模試の偏差値は66でC判定でも、自由英作文の対策をして慶應経済に照準を合わせてきた人が受かる。そんなケースがあります。

模試の判定は、志望校の傾向への対策までは測れません。だから志望校が見えてきたら、早めに過去問で傾向を知り、配点が高く、自分が苦手な単元から手を打ちます。過去問をいつ始めるかは大学受験の3年間に、過去問の解き方は高校入試の勉強法(大学入試でも同じやり方)にまとめています。

入試の形式は年度ごとに変わります。たとえば慶應の経済学部は、2027年度入試から小論文がなくなります。古い過去問だけで判断せず、最新の募集要項と出題の変更点を確かめてから対策します。

東進館山校では、この「志望校に合わせた勉強」と「自分の弱点に合わせた勉強」を3段階で進めます。夏に「過去問演習講座」で志望校の過去問を本番と同じ時間で解く。9月から「単元ジャンル別演習」(AI演習)で、模試や確認テストで間違えたところのうち、志望校に出やすい単元から潰す。仕上げに「第一志望校対策演習」で、第一志望の出題に近い問題を解き込む。どう使うかは、次の記事にまとめています。

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まとめ

大学入試の方式と時期の手描き図解。推薦・総合型は評定と活動で秋、共通テストは1月、二次・個別試験は2〜3月で大学ごとに傾向が違う。見出しは「方式で、勝負の時期が変わる」。
  • 大学入試は、総合型(9月〜)・学校推薦型(11月〜)・共通テスト(1月)・国公立と私立の一般選抜(2〜3月)が重なって進む
  • 共通テストの出願は一人ずつネットで。登録だけでなく検定料の支払いまでで受理。受験票は自分で印刷
  • 国公立は共通テスト+二次。足切りがあり、共通テストの目標得点率はどの大学も高い
  • 私立は利用型・併用型・独自試験のみの3つ。共通テストを受けると受けられる方式が増える
  • 推薦・総合型は高校の評定と活動で決まる。高3からでは間に合わない
  • 大学ごとに傾向が違う。模試の判定だけでなく、過去問で志望校に合わせた対策をする

次に読むなら、学年ごとに何をすればいいかの大学受験の3年間:学年ごとの山場と勉強時間と、受ける大学の組み方の志望校は高3の12月でいいです。東進館山校の先輩たちが共通テストの点数を1年でどれだけ伸ばしたかは、こちらの記事にあります。

手続きや方式で分からないところがあれば、遠慮なく校舎で聞いてください。一緒に画面を見ながら確認します。

この記事を書いた人

小池哲平のアバター 小池哲平 ランゲージ・ラボラトリー塾長

ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
塾長のプロフィール ランゲージ・ラボラトリーについて

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