MENU

\24時間OK/

\平日9-16時 土日祝9-18時/

\無料、お気軽に!/

SDHプロジェクト|館山の中学生が亀田ファミリークリニック館山の医師と地域の課題を解決

館山市のファミリークリニックで行われたリンクの日

SDHプロジェクトは、館山の中学生が亀田ファミリークリニック館山の医師と一緒に、地域の健康の課題を考え、実行まで動かす取り組みです。2023年の出張授業から始まり、2025年には中学生が企画したイベントに多世代の70〜80名が集まりました。

Googleには「20%ルール」という制度がありました。週のうち4日間は本業をこなし、残りの1日は本業と全く関係ない自由なテーマに取り組んでいい——そんな仕組みです。GmailやGoogleカレンダーは、この20%ルールから生まれたと言われています。

ランゲージ・ラボラトリーでも、本格的な20%ルールとまではいかなくても、普段の勉強と全く関係のないことに取り組む時間を作っています。勉強と関係なさそうに見えて、根底ではしっかり勉強につながっている取り組み。能動的に課題を解決することを楽しめる体験——それこそが大切だと考えています。

そもそも勉強というのは、「自分で勉強しよう」と思う好奇心や、何かに興味を持つこと、そして問題設定能力が根底にあります。これがないまま机に向かっても、長くは続きません。

例えば僕は、塾に来てくれている子どもたちがスマホにハマっている時間を、なんとか勉強につなげられないかと考え、Claude CodeというAIエージェントを使って一問一答アプリを作りました。スマホをやめろと言うのは簡単です。でも、それで解決しないなら、別のルートを探す。これも立派な問題設定です。そして、当塾のもう一つの大きな「20%ルール的取り組み」が、SDHプロジェクトです。

目次

SDHプロジェクトとは|亀田ファミリークリニック館山の医師と考える地域の健康

亀田ファミリークリニック館山の医師たちが館山の塾で中学生に自己紹介している様子
当塾に来てくれた亀田ファミリークリニック館山の医師チーム。2025年6月は6名の先生方が集まってくれました。

SDHとは「Social Determinants of Health(健康の社会的決定要因)」の略です。健康や病気は、食生活や運動不足といった個人の努力だけで決まるものではなく、教育・収入・住んでいる場所・人とのつながりといった社会の要素に大きく左右される——そんな考え方です。

「不健康になるのは自己責任」と思いがちですが、実はもっと上流に問題があります。だったら人と人をつなげることで孤立を防ぎ、結果として地域全体を健康にしていけるのではないか。亀田ファミリークリニック館山の医師チームと一緒に、当塾の中学生たちはこのテーマを「考える」だけでなく「実行する」ところまで取り組んでいます。

これまでの歩み

SDHプロジェクトの歩みの手描き図解。2023年8月のHPVワクチンの出張授業、2025年6月の医師6名とのSDH特別授業、2025年12月のLinkの日(70〜80名)、2026年5月の高校生の先輩から中3への授業を、左から右へ矢印でつないでいる。見出しは「教わる側から、伝える側へ」。

はじまりは2023年の出張授業です。そこから年を追うごとに、中学生が自分たちで動かす範囲が広がってきました。

はじまり|2023年8月 HPVワクチン普及プロジェクト

亀田ファミリークリニック館山の若手医師3名が館山の塾でHPVワクチンの授業をした日の様子
2023年8月、若手医師3名による出張授業。

2023年8月28日、亀田ファミリークリニック館山の若手医師3名に来ていただき、HPVワクチンの有効性を教わったうえで、もっと広めるための具体策を中3生がディスカッションしました。アイスブレークは医師と中学生の百ます計算対決。最後は各班5分ほどのプレゼンです。

あまりに盛り上がったので「実現するところまでやってみない?」と声をかけると、6名ほどが手を挙げました。後日、BBQをしながら「何を・誰が・いつまでに」やるかを整理し、外部の方に説明するプレゼンのロープレを医師相手に行いました。この取り組みは房日新聞にも掲載されています。

2025年6月|医師6名×中3生25名でスタート

医師が中学生にSDHを講義している様子
高橋慎太郎先生(通称しんちゃん)の講義パート。中学生たちが思わずメモを取り出した瞬間。

亀田ファミリークリニック館山の医師6名が当塾に来てくれて、中3生25名にSDHを講義しました。塾の授業の1コマとして行っています。

病気になるのは自己責任で、病気になったら病院で薬をもらえばいい。そんな常識を疑う話でした。孤立が健康を損なうこと。教育を十分に受けられないことが病気の原因になり、それは本人の責任ではなく環境の問題である場合もあること。

健康の問題をより上流で解決するという考え方を説明したスライド
より上流にある問題を解決する。

生徒たちは手を止め、真剣な表情でメモを取りながら耳を傾けていました。「健康=体の問題」というイメージが、少しずつ崩れていくのが分かりました。

議論は「民度が低い」という不満から始まった

グループでディスカッションする中学生たち
議論が止まらない中学生たち。各班に医師がファシリテーター(進行役)としてつきました。

後半は6人1グループでのディスカッションです。テーマは「館山市の地域課題を探し、私たちにできることを考えよう」。最初に出てきたのは、正直な不満でした。

  • 「正直、民度みんどが低いって思うこと多いよね」
  • 「中学生が大人に挨拶しても、返ってこないことがあった」
  • 「この前、祭りで中学生にお酒をすすめている大人がいて嫌だった」

「結局そういう大人を見て、次の世代が真似するんだよね」と話が重くなり、「でも、どうしたらいいの?」のあとに沈黙が訪れました。その空気を破ったのは、一人の生徒のこの言葉です。

「だからって、私たちが何もしなかったら同じになっちゃうじゃん。何か少しでもできることをやりたい」

そこから議論が動き出しました。「大人が挨拶を返さないなら、私たちは先に挨拶するのをやめない」「祭りで未成年にお酒をすすめるのはダメだと、ポスターを作って貼ろう」「勉強を教える人がいないなら、私たちが小学生に教える会を開けないか」。愚痴で終わらず「だから何をする?」に踏み出せた議論でした。

3つの発表と、13名の挙手

グループの案を発表する中学生
拡散していた議論をユーモアとロジックで見事にまとめた発表。

各グループは模造紙にアイデアをまとめ、全員の前で発表しました。

  • 孤立を解消するためのスポーツ大会を開きたい
  • 塾に来られない子に、僕たちが勉強を教える場をつくりたい
  • 相談できる場所が少ないから、困った人が集まれる「おしゃべりカフェ」をつくりたい

授業の最後に「実行プロジェクトをやりたい人ーー?」と聞くと、約半数の13名が手を挙げてくれました。ここから月1〜2回のミーティングを重ね、半年かけて実行まで持っていきます。

医師たちの感想

  • 「発表者を決めるときに、押し付け合ったりモジモジしたりする空気が全然なかった。自然に『俺が行く』という流れになって、全体がスッとまとまっていくのを見て、この子たちは本当にすごいと感心した」
  • 「民度が低いという話が出たときは少し驚いたけれど、その言葉の裏に『このままじゃいけない』『変えたい』という気持ちを強く感じた。あれはただの愚痴じゃない」
  • 「地域の健康問題を中学生がこんなに真剣に考えてくれること自体が嬉しかったし、自分も一緒に何かやりたいと思わされた。医療の現場だけでは限界があって、こういう世代の子たちと一緒に考えることが本当に大事だと再確認できた」
SDHプロジェクトを一面で紹介した房日新聞の紙面
地元紙・房日新聞の一面でも紹介されました。

2025年12月|「Linkの日」開催、多世代70〜80名が交流

中学生たちが作ったLinkの日のポスター
このポスターも、中学生たちが自分で作りました。

あれから半年。中学生たちは月1〜2回のミーティングを重ね、地域の人をつなげるイベント「Linkの日」を実現させました。孤立を防ぐには人と人をつなげればいい、というSDHの考え方をそのまま形にしたイベントです。

ペーパータワーで盛り上がる参加者たち
ペーパータワーで作戦会議。グループの距離が一気に縮まる瞬間。
モルックで遊ぶ多世代の参加者
モルック。中学生から高齢の方まで、世代を超えて笑い合っていました。

当日は午前・午後の二部制で、1回2時間、6チームに分かれて行いました。ペーパータワー、モルック、エピソードを引き出すビンゴ——工夫いっぱいのレクリエーションです。司会もグループの進行も盛り上げも、中学生たちがやり切りました。

集客は自分たちの足で

館山のスターバックスでLinkの日を広報する中学生
集客のため、館山スタバに乗り込む中学生たち。

集客のために、中学生たちは館山市内のお店を回り、チラシを置かせてもらう・貼らせてもらう交渉から、直接手渡しでの声かけまで自分たちでやりました。スターバックスにも乗り込んでいます。告知に使った案内ページ「館山市の参加型イベント ~Linkの日~」も残してあります。

参加者の声

結果、午前は30〜40名、午後は40名ほど、合わせて70〜80名の多世代の方が集まりました。

  • 「普段接することのない、いろんな世代の人と触れ合えて楽しかった。高齢の方と長い時間一緒に同じことをした経験はあまりなかったけれど、こんなに気さくで明るいんだと思った」(参加者)
  • 「グループのみんなが積極的に話してくれるか不安だったけれど、みんなオープンで明るくて、場を盛り上げなきゃという心配は杞憂きゆうに終わった。一参加者として楽しめた」(スタッフ)
Linkの日を終えて打ち上げで盛り上がる中学生たち
恒例の小池家での打ち上げ。やりきった顔がまぶしい。

打ち上げでは、一人ひとりが苦労したことと、それをどう乗り越えたかを話してくれました。

2026年5月|高校生の先輩が中3に引き継いだ特別授業

夜の塾の教室で、高校生の先輩がスクリーンの前で地域の健康のプロジェクトを発表し、制服の中学3年生が身を乗り出して聞いているイラスト。「先輩が自分の言葉で」の文字。

2026年5月18日の夜、SDHを紹介する特別授業を中3生向けに開きました。テーマは3つです。

  • SDHの取り組みの紹介:これまで先輩たちが何をしてきたのか
  • SDHとは何か:なぜ「健康」と「人のつながり」が結びつくのか
  • 仲間の募集:一緒に活動する新しいメンバーを集める

これまでのプレゼンは、医師の先生方が担当してきました。この回は違います。前に立ったのは、安房高校・志学館・木更津高校に通う高校生の先輩たちです。医師から教わったことを自分の中で消化し、自分の言葉で後輩の中3に伝える。教わる側だった生徒が、教える側に回りました。

プレゼンの場面まで生徒自身が担うこと。これが、ランゲージ・ラボラトリーのSDHプロジェクトの真骨頂しんこっちょうです。

高校受験を控えた中3にとっては、安房高校の特進と木更津高校で迷っている子、志学館で迷っている子が、志望校の先輩に学校の雰囲気や大変なところを直接聞ける機会にもなりました。

高校生の活動は「アワパーク」へ

SDHプロジェクトはさらに発展して、高校生は「アワパーク」という名前で活動を続けています。館山市の高校生たちが立ち上げたコミュニティスペースで、「学校や家以外で、ひとりでも気軽に立ち寄れる場所」を目指しています。

SDHの考え方——孤独を解消することで地域全体の健康をつくる——を、高校生たちが自分たちの手で形にしました。たこ焼きパーティーやクラッカーパーティーなど、いろんなイベントが続いています。詳しくはアワパーク公式サイトを、高校生のSDHプロジェクトは東進館山校のサイトの高校生版SDHプロジェクトをご覧ください。

主体的に動いた経験は、高校入試の面接で話せる

中学生が医師を相手にプロジェクトを説明するロープレをしている様子
2023年、医師を相手に、外部の方へ説明するロープレ。終わったあとにフィードバックももらいました。

誰かにやらされたのではなく、自分で手を挙げて、周りを変えようと動いた経験。これは教科の勉強とは別の力に見えますが、根っこは同じです。課題を自分で見つけ、どうすれば解決できるかを考える力は、勉強を続ける力にもなります。

それに、こうした経験は高校入試の面接や作文で、そのまま話せる経験になります。「中学時代に力を入れたことは?」と聞かれて、医師と一緒に地域のイベントを開いた話ができる中学生は多くありません。面接で何を聞かれ、どう準備するかは、次の記事にまとめています。

ランゲージ・ラボラトリーには、SDHのほかにも、ビジネス体験やお金の勉強など、勉強以外の課外授業があります。館山で、勉強も勉強以外の経験も大事にしたい中学生は、館山の中学生コースをご覧ください。まずは無料体験で、授業と教室の雰囲気を確かめてください。

SDHプロジェクトのよくある質問

中学生のグループディスカッションに医師が進行役として加わっている様子
各グループには医師がファシリテーター(進行役)として入りました。
SDHとは何ですか?

Social Determinants of Health(健康の社会的決定要因)の略です。健康や病気は個人の努力だけで決まるものではなく、教育・収入・住んでいる場所・人とのつながりといった社会の要素に大きく左右される、という考え方です。

亀田ファミリークリニック館山の医師は、どのように関わっていますか?

2023年8月は若手医師3名がHPVワクチンの出張授業を、2025年6月は医師6名がSDHの講義と、グループディスカッションの進行役を務めました。どちらも塾の教室に来ていただいています。

中学生はどのくらいの頻度で活動しますか?

2025年は、6月の特別授業のあと、手を挙げた中学生が月1〜2回のミーティングを半年間重ね、12月に「Linkの日」を開きました。特別授業そのものは、塾の授業の1コマとして行っています。

高校生になっても続けられますか?

高校生は「アワパーク」というコミュニティスペースで活動を続けています。2026年5月には、高校生の先輩が中3に向けてSDHを紹介する授業も行いました。

まとめ

Linkの日で楽しそうに交流する中学生と地域の人たち
この笑顔が、すべてを物語っていました。
  • SDHは、健康や病気が教育・収入・人とのつながりなど社会の要素に左右されるという考え方
  • 2023年のHPVワクチンの出張授業から始まり、2025年6月は医師6名×中3生25名の特別授業、12月は多世代70〜80名が集まった「Linkの日」
  • 2026年5月は高校生の先輩が中3へ引き継ぎ、高校生はアワパークで活動を続けている
  • 自分で手を挙げて動いた経験は、高校入試の面接や作文でそのまま話せる

与えられたもので、変えようがないと思っていた地域の課題も、中学生の力で変えられる。そのワクワクを、これからも中学生たちと一緒に積み重ねていきます。

まずは今の力を知るところから。10月25日(日)の全国統一中学生テストは、暗記ではなく考える力を見てくれるテストです。当塾会場で無料で受けられます(申込締切 10月22日)。

館山のリーダーを育てる!

各種プロジェクトを通じて主体的に行動する経験の機会、ビジネス経験、ITや投資を学び、実践してみる。そんな体験の機会を授業以外にも提供いたします!

この記事を書いた人

小池哲平のアバター 小池哲平 ランゲージ・ラボラトリー塾長

ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
塾長のプロフィール ランゲージ・ラボラトリーについて

目次