全国統一小学生テストの結果の見方|親子の復習で実力は伸びる

塾で母親と一緒に答案を見直し、図を指さして笑顔になる小学生

全国統一小学生テストの結果が返ってきました。

ここで多くのご家庭がやってしまうこと。点数と順位をパッと見て、「お、まあまあだね」「うわ、やばい」で終わり。これが、一番もったいない。

はっきり言います。全国統一小学生テストは、受けたあとの「復習」で価値が決まります。点数は出発点であって、ゴールではありません。

しかも、このテストは解説冊子が分厚く、解説動画まで用意されています。使わない手はありません。今回は、結果が返ってきた今こそやってほしい「結果の見方」と「親子の復習」について、塾長・小池が書きます。

目次

合計点と順位だけで一喜一憂しない

まず大前提。表面的な合計点や全国順位だけを見て「やばい」と落ち込むのは、やめましょう。

順位は「結果」であって「中身」ではありません。同じ60点でも、中身はまったく違う。基礎を落としての60点と、難問に挑んで時間切れの60点とでは、打つ手が正反対です。

大事なのは、どの問題を、なぜ間違えたのか。ここを見て初めて、テストは意味を持ちます。

偏差値50で、学年1位になれます

公立中学校ならば、偏差値50あれば学年1位クラスになります。
全国統一小学生テストで偏差値50を超えていれば、大したものですよ。

偏差値40で学年の真ん中ちょい上のイメージ。

復習は「親子で」やると見えてくる

おすすめは、親子で一緒に解き直すこと。

小学生の算数・国語は、大人が解いても普通に面白い問題が並んでいます。親がやるのは少し面倒かもしれません。でも、一緒に取り組むと、肌でわかってくることがあります。

「この子は、こういう問題は理解している。でも、こういう問題はわかっていないんだな」

そして、もう一段深く。

「こういう問題ができないということは、こういう力が足りないんだな」

ここに気づけるのが、親子で復習する最大の価値です。

算数:図を描いているか

たとえば算数。お子さんが解いている様子を横で見ていると、見えてきます。

図をちゃんと描かずに、頭の中だけで数字をこねくり回して、ぐちゃぐちゃになって解けない。これ、本当に多い。「図を描く」というひと手間を惜しんだ瞬間に、解けるはずの問題が解けなくなります。

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問題別の正解・不正解をどうみるか?

テスト結果は、一問一問どれが正解でどれが間違えたかを見ることができます。

例えばこの生徒ですと、5-2や6-2、6-3、7-2、7-3を間違えています。前半はすべて合っていて、後半にバツが集中しているという場合は、時間がないからできないのではないかと疑われます。時間のせいでできないのか、ただ難しい問題が後半に集中していたせいでできないのか、本当の課題を明らかにするため、時間無制限で5、6、7番をもう一度解いてみます。

時間無制限でやってできれば、理解はできているし、時間さえあればできる。
本質的な課題は、スピードにあるということになります。

一方で、時間制限なしでやってもできないのであれば、そもそもこの問題を解く力がないということになります。だとしたら、この問題そのものを親子でどう考えていけばいいのか、ということをじっくりと明らかにしていきます。

「塾の先生がやってくれないの?」と思われるかもしれませんが、塾でももちろんやっていることです。しかし、親御さんがそれを理解することには大きな価値があります。

子どもが「こういう力が育っていないんだ」と深く理解すると、日常生活のふとした瞬間に、それを教える機会が出てきます。

例えば、立体のサイコロを積み重ねるようなものがイメージできていないとしたら、工作をしているときに「こっちの面から見るとこうだよね」という話を自然としたり。工作をたっぷりやっている子は、図形に強くて立体も得意であるケースが多かったりします。机上の勉強だけで力を伸ばそうとするのではなくて、日常生活のふとした遊びの中で、実はこういった力が身についていきます。

国語:「棚から牡丹餅」がわからない理由

国語ならどうでしょう。たとえば「棚から牡丹餅」ということわざの問題ができなかったとします。

ここで「じゃあことわざを暗記させよう」と考えるのは、半分しか当たっていません。本当に問われているのは、語彙の量です。そして語彙は、日々の読書体験や、豊かな生活体験の中で自然に積み上がっていくもの。

単語カードで丸暗記するより、本を読む、いろんな体験をする。遠回りに見えて、それが一番の語彙対策です。

理科・社会は「習っていない範囲」に注意

ひとつ、注意点があります。理科・社会です。

全国統一小学生テストは全国の小学生が対象なので、公立小学校に通うお子さんだと、まだ学校で習っていない範囲が出ていることがあります。

ここは、できていなくてOK。習っていないのだから、当然です。「理科がボロボロだ……」と落ち込む必要はありません。

見るべきは、習った範囲の正答率。診断レポートには領域別の成績が細かく出ています。習ったところがちゃんと取れているか。そこをチェックしてください。

全部を完璧に復習しなくていい

復習というと「間違えた問題、全部やり直し」と思いがちですが、そこは区切っていい。

特に算数の後半は、大人でも手こずる難問が並びます。たとえば150点満点で50点だった場合、残り100点ぶんすべてを完璧に復習するのは、正直しんどい。お子さんも嫌になります。

だから、線を引く。

「せめてここまでは取れたよね、という3分の2くらい――100点ぶんまでは復習しよう。一番難しいところは、今回は一旦捨てよう」

この判断は、アリです。全部やろうとして潰れるより、伸ばせるところを確実に伸ばすほうが、ずっと前向きです。

事例①:スピードがついて、偏差値60を超えた

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算数の得点推移:60点→114点!54点アップ!偏差値60オーバーに。薄青が過去2回。濃い青が今回。

ここで、当塾の生徒の話をひとつ。

全国統一小学生テストを連続で受験して、じわじわ結果を伸ばしてきた子がいます。

このお子さんは、じっくり、ゆっくり、丁寧に考えるタイプ。難しい問題も、時間さえかければ解ける。本当に素晴らしい思考力の持ち主です。

ところが、ここに落とし穴がありました。学校のテストでは時間が余るくらいなのに、全国統一小学生テストは問題量が多い。そのペースだと、時間が足りなくなる。当初は、問題の半分くらいしか手をつけられず、残りは白紙。そういう状態でした。

思考力はある。でも、スピードがない。

そこで塾では、日常的にスピードを上げる取り組みをしています。たとえば、漢字ドリルを「4単元25分」で終わらせる練習。最初は平均2単元しか終わらなかった子たちが、今では平均4単元こなせるようになりました。

勘違いしてほしくないのは、速くなったからといって、雑になったわけではないということ。質を落とさずに、テキパキ。スピードと中身は、両立します。

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国語の得点推移。60点前後だったのが、今回90点に!1年で30点アップ。薄ピンクが過去2回。濃いピンクが今回の結果。

小学生には「一文字一文字、止め・はね・払いまで丁寧に」と求められます。それ自体は大事。でも実際には、丁寧なのではなく「ただ遅いだけ」というケースが、すごく多い。ある程度のスピード感は、身につけていく必要があります。

一方で、深くじっくり考える力も、もちろん大事。全国統一小学生テストには、じっくり考えないと解けない、大人でも難しい問題がたくさん出ます。最初は「意味がわからない」と感じる。条件を読み解くのにエネルギーを使い、具体例とルールを照らし合わせながら、「ああ、こういうことか」と腑に落ちるまでに、かなりの時間がかかる。

その「じっくり考える時間」を確保するためにも、簡単な問題はスパスパ解けるようにしておく。ここが効いてきます。

このお子さんは、思考力をじっくり鍛えてきた子。あとは、そこにスピードを乗せて、難問に向き合う時間をつくるだけ。それが本質的な課題でした。

スピード感は、意識してすぐ身につくものではありません。スポーツと同じで、時間をかけてじっくり磨かれていく。約1年かけて、このお子さんは伸び、偏差値60を超えました。

事例②:「問題の意味がわかりません」と言ってしまう子

もう一人、別のタイプ。

この子は、そこそこスピードはある。ちゃかちゃか手は動く。でも、深く考えることに課題がありました。

実は、スピードに課題がある子よりも、こちらの「思考力に課題があるタイプ」のほうが多いんです。

塾では、絵を描いてじっくり考える「良問」に取り組んだり、アルゴ(Algo)のような――ルールはシンプルだけど「ここがこうなら、こうなる」と仮定を重ねて、すべての辻褄を合わせていくパズルに取り組んだりしています。狙いは、「深く考えるのって楽しい」という感覚を育てること。これが、うちの塾の核です。

ただ、このタイプは、すぐには改善しません。問題をさらっと一読して、「意味がわかりません」と聞いてくる。計算はできるのに、問題の意味が取れない。

そして、ここが肝心なところ。

「問題の意味がわかりにくいのは、出題者が悪い」――そう思っている小学生が、本当に多い。テスト中にすら「質問です、問題の意味がわかりません」と平気で言ってしまう。

でも、違います。問題の意味を自分で読み解くこと、それ自体が「問題」なんです。問題の7割は、意味を理解できるかどうかで決まる。そこさえ越えれば、あとの計算なんて、軽いおまけのようなもの。

ところが多くの子は「算数=計算」だと誤解している。だから、意味を理解する部分は問題の”外側”にあると思っていて、「そこは先生に聞いていい」「テスト中でも聞いていい」となってしまう。

このまま進むと、どうなるか。「勉強=暗記」「考えるのは放棄」になっていきます。そして、こうなる。

  1. 社会や理科は、直前に暗記したところは点が取れる
  2. 英単語を暗記して、なんとなくつなげて読むことはできる
  3. でも、複雑な問題や理科の計算は解けない。英語も、わからない単語が出ると、すぐ匙を投げる

いわゆる「応用問題ができない」状態です。「定期テストは取れるのに、実力テストが取れない」――この相談、本当に多い。そして問題が表面化するのは、中2の中盤から中3。高校に行くと、さらに深刻になります。

だから、小学生のうちに「勉強は考えるもの」を

ここまで読んで、気づいたことがあると思います。

僕が伝えたいのは、シンプルです。小学生のうちから「勉強とは、考えるものだ」という意識を持ってほしい。

知識がなくても、工夫して補う。いわゆる「推測する」ことを習慣にしてほしい。塾生にも、自分の子どもにも、僕はずっとそう接してきました。

でも、これがなかなか伝わらない。なぜなら、学校のテストは、あまり考えなくても取れてしまうから。むしろ何も考えずに解いたほうが、楽に点が取れたりする。だから思考力の差は表に出にくく、実感しづらかった。

ところが、全国統一小学生テストは違います。

このテストは、僕がずっと伝えたかったことが、数字としてはっきり現れる。考える力がある子は伸び、暗記に頼ってきた子は、ここで壁にぶつかる。残酷なくらい、正直なテストです。

だからこそ、ここでの点数アップ・偏差値アップを目指すこと。それが、お子さんの本当の実力を測り、伸ばすのに、一番いい目標になります。

まとめ:結果が返ってきた今やること

最後に、整理します。

  • 合計点・順位だけで一喜一憂しない。どの問題を、なぜ間違えたかを見る
  • できれば親子で解き直す。「何ができて、何ができていないか」が肌でわかる
  • 理科・社会は、習っていない範囲は気にしない。習った範囲の正答率を見る
  • 全部やらなくていい。伸ばせる3分の2に絞る勇気を持つ
  • 解説冊子・解説動画を、フル活用する
  • 目指すのは、点数の先にある「考える力」

点数は、お子さんの一部しか映しません。でも、その奥にある「考える力」を育てれば、中学・高校、その先まで効いてきます。

ランゲージ・ラボラトリーは、その「考える力」を伸ばす塾です。次回の全国統一小学生テストで、お子さんの伸びを、一緒に見ましょう。

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