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ランゲージ・ラボラトリーの小池です。
まなぶ君のランキングで理科のバッジを取った皆さん、おめでとうございます。定期テストで80点、90点、100点。実力テストで70点以上。テスト前にやり切った結果です。
これから取りにいく人も、この先を読んでください。
今日は、理科の実力をどう伸ばすのかを話します。先に結論を言います。
理科は、生活の中で見たことを、図を描いて考える教科。
そして、理科にはもう一つ、いいところがあります。単元ごとに、やり直しが効く。


次の質問に答えられるか、試してください。
3つ目、「11%」と答えた人。それは、10÷90をした答えです。正しくは10%。どこで間違えたのかは、この先で話します。
用語は書けるのに、「なぜ?」と聞かれると固まる。計算は、公式を思い出せないと手が止まる。それが、理科を暗記だけでやっているサインです。


この節は、保護者の方に特に読んでほしいところです。
理科は、体験から学ぶ教科です。理科の教科書に出てくることは、おうちの中や、身の回りでたくさん起きています。
| 生活の中で見ること | つながる単元 | 学年 |
|---|---|---|
| 部屋の湿度計。冬は湿度が下がる | 天気(湿度・飽和水蒸気量) | 中2 |
| 冬の朝、窓の内側がぬれている | 天気(露点) | 中2 |
| 冬は、日差しが部屋の奥まで届く | 地球と宇宙(太陽の高さ) | 中3 |
| 透明な氷を削ると、かき氷は白くなる | 光(乱反射) | 中1 |
| 焚き火の上で、ティッシュがふわっと浮く | 天気(あたためられた空気の上昇) | 中2 |
| 砂糖は熱いお湯ほどよく溶ける。食塩はあまり変わらない | 水溶液(溶解度) | 中1 |
| 夏の午後、もくもくの雲のあとに夕立 | 天気(積乱雲) | 中2 |
たとえば、家に湿度計を1つ置いてみてください。
「今日は湿度が低いね。加湿器をつけようか」。ここから、話を広げられます。
湿度は、空気がふくむことのできる水蒸気の量(いっぱいまで)に対して、実際にふくまれている水蒸気が何%か。そして、空気がふくめる水蒸気の量は、気温が高いほど多くなります。だから、冬に暖房で部屋を温めると、水蒸気の量は同じでも、いっぱいまでの量が増えて、湿度は下がる。冬の部屋が乾く理由です。
これが、中2の天気の単元。そして「何の何%?」は、小5の割合そのものです。
南向きの大きな窓がある家は多い。冬、日差しが部屋の奥まで届いて、暖かいからです。
太陽が一番高くなるときの高さ(南中高度)は、季節で変わります。館山あたりでは、夏至のころは約78度。ほぼ真上です。冬至のころは約32度。低い角度から差し込むので、光が部屋の奥まで入る。夏は高いので、ひさしで日差しがさえぎられる。中3の「地球と宇宙」の話です。
授業で、小池が「焚き火の上にティッシュをふわっとやると、空に浮くでしょ」と話したことがあります。
返ってきたのは、「やったことありません。キャンプに行ったことがありません」。
かき氷の話をしても、「かき氷、作ったことありません」。
体験があれば、授業の説明を聞いた瞬間に「あ、あれのことか」となります。体験がないと、説明はただの言葉のまま。覚えるしかなくなります。
日常生活を、丁寧に楽しむ。 それが、理科の一番の土台です。
焚き火も、かき氷も、動画なら今すぐ見られます。それなのに、なぜ本物がいいのか。
1963年、アメリカの研究者が子猫で実験をしました。暗い所で育てた子猫を2匹ずつ、メリーゴーラウンドのような装置につなぎます。1匹は、自分の足で床を歩ける。もう1匹は、カゴに乗せられて、1匹目が歩くとおりに運ばれるだけ。2匹が見る景色は、まったく同じです。
結果は、はっきり分かれました。自分で歩いた子猫は、段差の手前で止まり、近づいてくる物をよけた。カゴで運ばれただけの子猫は、段差を避けず、近づいてくる物もよけなかった。同じものを見ていたのに、です。
見ているだけでは、感覚は育たない。 自分で体を動かして、その結果が目や手に返ってくる。そのくり返しで、頭の中に「こうしたら、こうなる」が育ちます。
動画の焚き火は、カゴの子猫と同じです。本物の焚き火なら、顔に熱さが来る。煙のにおいがする。ティッシュをもう1枚、今度は少し離して落としてみる。思ったのと違うことが起きる。この「自分でやって、返ってくる」が、授業で「あ、あれのことか」となる土台になります。
ただし、バーチャルがだめなわけではありません。電流や原子のように、目に見えないものは別です。アメリカの大学で、電気の実験を本物の電球と導線でやるクラスと、電子の流れが見えるシミュレーションでやるクラスを比べた研究があります(2005年)。シミュレーションのクラスのほうが、しくみの理解でも、本物の回路を組み立てるテストでも、成績がよかった。
本物で、体の感覚を作る。見えないものは、画面で見る。順番は、まず本物です。
特別な実験道具は要りません。
勉強させたいという意図が見えると、子どもは嫌になります。教えるより、一緒に面白がってください。
塾生サイトには、この話の続きを塾生だけが読める記事で載せています。塾生サイトで読む
※塾生の方は、まなぶ君と同じID・パスワードで読めます




理科には計算問題があります。ここで苦手意識を持つ人が多い。
でも、中身を見てください。
| 中学理科の計算 | 学年 | 使っている算数 |
|---|---|---|
| 質量パーセント濃度 | 中1 | 割合(小5) |
| 密度 | 中1 | 単位量あたりの大きさ(小5) |
| 地震のゆれが伝わる速さ | 中1 | 速さ(小5) |
| 湿度 | 中2 | 割合(小5) |
| 電流・電圧(オームの法則) | 中2 | 比例(小6) |
| 化学変化と質量 | 中2 | 比(小6) |
| 圧力 | 中2 | 単位量あたりの大きさ・面積の単位(1m²=10000cm²) |
| 物体の運動の速さ | 中3 | 速さ(小5) |
理科の計算は、ほとんど小学生の算数です。 新しく覚える公式は、実は多くありません。
2023年の千葉県公立高校入試の理科に、こんな計算がありました。
「45分で36km進んだ。時速は何km?」
小5以上なら解けます。線分図を描きます。
| 時間 | 15分 | 30分 | 45分 | 60分 |
|---|---|---|---|---|
| 進んだきょり | 12km | 24km | 36km | 48km |
答えは時速48km。
さらに、時速の意味が分かっていれば、選択肢だけで解けます。45分で36km進むなら、60分ではそれより少し増えるだけ。36より小さい選択肢は、ありえない。2倍以上の80も、おかしい。残るのは48。2〜3秒です。
これを「みはじ」の図に当てはめて解いていると、こうはいきません。


理科の計算でつまずく人は、公式の形だけを覚えています。「くもわ」「みはじ」。公式を忘れたら、もう解けない。
図を描く人は、公式を忘れても解けます。
さっきのチェックの3問目です。水90gに食塩10gを溶かした。
図を描きます。1本の帯を描いて、全体を「食塩水 100g」。その帯を「水 90g」と「食塩 10g」に区切る。全体は、水と食塩を合わせた100gです。
10÷100で、10%。
10÷90をしてしまうのは、「全体」がどこかを見ていないからです。図を描けば、全体がひと目で分かります。
湿度も同じです。気温20℃の空気は、1m³あたり17.3gまで水蒸気をふくめる。実際には6.9gふくんでいる。
17.3を1本の線にして、6.9がどこまでかを描くと、真ん中より少し下。だから、だいたい40%ぐらい。
計算すると、6.9÷17.3=約0.4。40%です。
ここで計算を間違えて「4%」になった人も、図を描いていれば「あれ、40%ぐらいのはず」と自分で気づけます。
ケアレスミスと言っているもののほとんどは、ミスではなく、図を描いていないことが原因。
図を描いて考える習慣は、小学生の算数で身につけるのが一番です。割合、速さ、比。小学生の算数で図を描いてきた人にとって、理科の計算はサービス問題になります。
まなぶ君には、小4〜小6向けの「速さ 線分図ラボ」があります。紙に線分図をかいて写真を出すと、答え合わせと、図がのび縮みする解説が開きます。中学生でも、速さや割合があやしいと感じたら、ここに戻ってください。


ここが、理科のいちばんのいいところです。
数学は積み上げの教科です。中1の方程式でつまずくと、中2の連立方程式も、中3の二次方程式も苦しくなる。前に戻らないと、先に進めません。
理科は、分野が4つに分かれていて、単元が変わると話がガラッと変わります。
| 分野 | 中1 | 中2 | 中3 |
|---|---|---|---|
| 生物 | いろいろな生物とその共通点 | 生物のからだのつくりとはたらき | 生命の連続性 |
| 化学 | 身のまわりの物質 | 化学変化と原子・分子 | 化学変化とイオン |
| 物理 | 光・音・力 | 電流とその利用 | 運動とエネルギー |
| 地学 | 大地の変化 | 天気とその変化 | 地球と宇宙 |
電流でつまずいても、次の天気は新しいスタート。前の単元が分からなくても、今の単元は今日からやり直せます。
最悪、どこかの単元で崩れても、その単元だけやり直せばいい。
しかも、理科の暗記は短い時間で取り返せます。塾で測ったことがあります。ふつうにやれば30分かかる単元が、一問一答なら7分で終わりました。中1理科の全単元の復習が、2時間で終わったこともあります。
実力テストや入試は、全単元が範囲です。だからこそ、苦手な単元を1つずつ選んで、つぶしていけばいい。
ただし、2つだけ注意があります。


理科は、何度でもやり直せる教科です。前の単元でつまずいたことは、今の単元をあきらめる理由になりません。
理科のテスト勉強は、覚えるところと考えるところで、やり方を変えます。


ここまでのやり方は、まなぶ君に入っています。
| やり方 | まなぶ君では |
|---|---|
| 用語を思い出す | 理科の一問一答。✕だった問題が先に回ってくる |
| テスト範囲に合わせる | 学校のテスト範囲に合わせて、理科の単元が出てくる |
| 単元ごとにやり直す | 苦手な単元を選んで、その単元だけ回せる |
| しくみを読む | 教科書のページ。理科は生物・化学・物理・地学の分野と、学年で絞れる |
| 算数に戻る | 速さ 線分図ラボ(小4〜小6)。紙に線分図をかいて写真で出す |
紙とまなぶ君の使い分けは、紙(学校ワーク・塾のプリント)は学校や自習室で、計算と図をじっくり。まなぶ君は家とすき間時間で、思い出す練習をくり返す。どちらも「○×をつけて✕だけやる」は同じです。
バッジは、今日までの結果。次は、家の湿度計を見て、「何の何%?」を1つ考えてみてください。
生活で見て、図で考える理科を!
ランゲージ・ラボラトリー 小池




ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
塾長のプロフィール ランゲージ・ラボラトリーについて