社会の実力の伸ばし方:スーパーで地理、マンガで歴史、お金で公民

スーパーの野菜売り場で、キャベツを手に取って産地のラベルをのぞきこみ、ひらめいて目を輝かせる紺ブレザーの男子中学生。「社会の勉強 机の外?」「社会の実力」の文字。

ランゲージ・ラボラトリーの小池です。

まなぶ君のランキングで社会のバッジを取った皆さん、おめでとうございます。定期テストで80点、90点、100点。実力テストで70点以上。テスト前にやり切った結果です。

これから取りにいく人も、この先を読んでください。

今日は、社会の実力をどう伸ばすのかを話します。先に結論を言います。

社会は、机の上より、毎日の生活の中で身につける教科。

学校で習ったことを軸にして、身の回りの世界を自分で考える。点数は、その結果として付いてきます。

このページについて
  • 読んでほしい人:中学生本人(社会のバッジを取った人も、これから取りたい人も)と、保護者の方
  • 分かること:社会が生活の中にある理由、自分の社会のチェックの仕方、地理・歴史・公民それぞれの伸ばし方、知っていると旅行やスポーツが楽しくなる話、学校で習ったことから自分で考えるやり方、まなぶ君での練習の仕方
目次

社会は、教科書の外にある

数学の伸ばし方では「図を描いて、自分で考える」と話しました。社会は、少し違います。

社会の教科書に出てくるものは、皆さんの目の前にあります。スーパーの野菜売り場。テレビのニュース。読んでいるマンガ、やっているゲーム。おうちの人の給料。全部、社会の教科書の中身です。

だから、社会は2つの向きで伸びます。

  • 生活 → 教科書:授業で「あ、スーパーで見たあれだ」「あのマンガに出てきた人だ」となる
  • 教科書 → 生活:習ったことで、身の回りの世界が違って見える

机の前に座っている時間だけが勉強ではありません。日常生活と勉強が地続きになっている子は強い。小池はずっとそう思っています。

ただし、軸は学校の授業です。生活の中のバラバラの体験を、つなげて意味を持たせてくれるのが教科書。教科書だけでも、生活だけでも伸びません。両輪です。

伸ばす前に、自分の社会をチェックする

塾の教室で、社会のワークを前に口をとがらせ、むっとした顔でほおづえをついて考え込む志学館中の制服の女子中学生。「年号だけ 覚えた?」の文字。

次の口ぐせが出ていたら、用語だけで社会をやっているサインです。

  • 「覚えればいいんでしょ」
  • 「年号だけ覚えた」
  • 「公民って、何の役に立つの?」

逆に、次の質問に答えられるか試してください。

  • 夏に、スーパーに並ぶキャベツやレタスは、どこの県から来ている? なぜそこ?
  • 織田信長は、なぜ楽市・楽座をやった?
  • 働いて給料をもらう以外に、お金が入ってくる方法は?

用語は書けるのに、「なぜ?」と聞かれると固まる。それが、いちばん危ないサインです。

塾長 小池

点数はバッジになります。でも、その点数を「なぜ」まで分かって取ったのか、用語を覚えて取ったのかは、バッジには出ません。

地理:スーパーに行けば、教科書が並んでいる

冬の館山の海沿いの花畑で、マフラーをした館山中の制服の女子中学生が、咲いている花を見てひらめいたように目を見開いている。「冬なのに なぜ花?」の文字。

地理は、体験から学ぶ教科です。

スーパーに行って、野菜や果物の産地のラベルを見てください。サツマイモは鹿児島が多い。みかんは愛媛。ネギは千葉、ほうれん草は埼玉。東京の近くの県から来ているものが多い。これが、教科書で習う近郊農業です。

季節を変えて、もう一度見てください。

いつ何がどこからなぜ
夏キャベツ・レタス群馬・長野高原は夏でも涼しい(抑制栽培)
冬ピーマン・ナス高知・宮崎冬でも暖かい(促成栽培)
一年中バナナフィリピン日本では育ちにくい。外国から輸入

同じ野菜でも、季節で産地が変わる。そこには、気候と地形という理由があります。

地理は暗記ではありません。 雨が降らなければ、稲作はできない。涼しい高原だから、夏にキャベツが作れる。理由がつけば、覚えなくても答えられるようになります。

館山も同じです。館山や南房総は、冬でも花が咲くくらい暖かい。沖を流れる黒潮という暖流のおかげです。自分の住んでいる町を、教科書の言葉で説明できる。それが地理の力です。

地理を伸ばすやり方

  • 産地のラベルを見たら、「なぜそこ?」を1つ考える。答えは教科書にある(気候・地形・東京からの距離)
  • 家族旅行の行き先を、次に習う単元の場所にしてもらう。行った場所は忘れません
  • 桃鉄のようなゲームをするなら、地図をそばに置く。「次の目的地は仙台。仙台ってどこ?」が、そのまま地理になります

歴史:こんなに面白いコンテンツはない

塾の自習ブースで、歴史マンガを両手で持ち、前のめりになって夢中で読みふける館山中の制服の男子中学生。机には読み終えたマンガが積んである。

歴史は、本当にあった人間のドラマです。戦い、裏切り、友情、改革、大逆転。作り話ではありません。こんなに面白いコンテンツは、なかなかありません。

だから歴史は、エンタメから入っていい。小池はそう思っています。

マンガ:学習マンガより、夢中になれるマンガを

いわゆる学習マンガは、勉強のために作られているので、正直あまり面白くありません。それより、ふつうに読んで面白いマンガを夢中で読むほうがいい。

マンガ時代ひとこと
キングダム中国の春秋戦国時代秦の始皇帝が中国を統一するまでの話。中1の歴史で出てくる
おーい!竜馬幕末坂本竜馬の話。常識にとらわれない発想がすごい。中2で読んでおきたい
ヒストリエ古代ギリシャアレクサンドロス大王の時代

塾にも、歴史マンガが500冊ぐらいあります。自習室で読んで構いません。

ゲーム・ドラマ・映画も、入口になる

ゲームなら、KOEIの「信長の野望」や「三国志」。どこを攻めるか、誰と組むか。戦略を立てるのが好きな人なら、ハマります(中学生以上がおすすめ)。大河ドラマや歴史の映画、歴史の面白さを語る YouTube やラジオも入口になります。

入口は何でもいい。大事なのは、好きな歴史上の人物を見つけること。好きな人ができると、教科書のその人のページが、知っている人の話に変わります。好きな人物が何人かいて、その中に自分の人生の師匠が見つかったら最高です。

授業で、映像を思い浮かべる

エンタメで歴史を見ていると、授業で習うことが映像になります。

たとえば、信長の楽市・楽座。市場の税をなくし、だれでも自由に商売できるようにした政策です。これを、信長が家臣と会議でもめている場面として思い浮かべてみる。「昔からのやり方を変えるなんて」と反対する家臣に、「俺が決めた。従え」と押し切る信長。

塾で、こんな実験をしたことがあります。40問を、ふつうに暗記した場合と、「映像を思い浮かべるといいよ」と伝えて暗記した場合で比べました(参加した生徒30名)。

覚え方覚えられた数(40問中・平均)
ふつうに暗記7.4
映像を思い浮かべて暗記23.2

3倍です。

ただし、エンタメは作り手がふくらませた話です。マンガやドラマには、史実と違うところもあります。だから、最後は教科書で確かめる。ここでも、軸は学校の授業です。

塾生サイトには、信長や伊能忠敬など、偉人の話を集めた記事もあります。エンタメのつもりで読んでください。

公民:今、生きている世界そのもの

家の食卓で、電卓とノートを前に、出てきた答えに目を丸くして驚く私服の女子中学生。「1.05を 50回かけると?」の文字。

公民は、法律の条文や用語を細かく覚える教科ではありません。皆さんが今、生きている世界の仕組みそのものです。

だから大事なのは、覚えた量より、正しく理解できるか。

小池の心に残っている「所得は3種類」

小池が公民で習って、今でも心に残っている話があります。

家計に入ってくるお金(所得)には、3種類ある。

所得どうやって入ってくるか
給与所得会社などで働いて、給料をもらう
事業所得お店や会社を自分でやって、もうける
財産所得預金の利子、株の配当、土地や部屋を貸した家賃

これを習ったとき、小池はこう考えました。

給与所得や事業所得は、自分が働いている間しか入ってこない。でも、そのお金を貯めて財産所得に回せば、お金がお金を生んでくれる。そうやって財産所得を増やしていけば、自分が働く分と、お金が働く分。両輪が回り続ける状態になる。これは、すごいぞ、と。

パーセントが分かると、世界の見え方が変わる

ここで、数学のパーセントが効いてきます。

1億円を、年に5%で増やせたとします。1億円の5%は、500万円。何もしなくても、毎年500万円が入ってくる計算です。

もう一つ。増えた分も、また5%で増えていくとします。1年で1.05倍。2年で1.05×1.05倍。これをくり返すと、こうなります。

年数1.05を何回かけたか100万円が
10年1.05の10乗 = 約1.63約163万円
14年1.05の14乗 = 約1.98約198万円(ほぼ2倍)
20年1.05の20乗 = 約2.65約265万円
30年1.05の30乗 = 約4.32約432万円
50年1.05の50乗 = 約11.47約1,147万円

1回の5%は小さい。でも、何回もかけると、とんでもない金額になる。中1で習う累乗が、そのまま使えます。

「正しく理解する」とは

ここで、正しく理解できるかが試されます。

  • 5%は約束された数字ではありません。株の値段は下がることもあります。公民で習う「リスク」です
  • 同じ計算は、借金にも働きます。借りたお金に金利がつけば、返さない間に雪だるまのように増えていく。パーセントが分からないと、借金の意味も分かりません
  • 「必ず毎年10%増えます」という話が来たら、まず疑う。それが、仕組みを分かっているということです

塾生サイトには、実際に少額で投資をしてみた記事もあります。

知っているから、楽しい

修学旅行で訪れた京都の古い町並みで、幕末の事件の跡を示す石碑の前に立ち、胸がいっぱいになって目をうるませる翔凜中の制服の男子中学生。「知っていると 特別になる」の文字。

社会を勉強していると、いいことがあります。旅行が楽しくなります。

いろいろな場所に行って、いろいろな風景を見る。それが、地理とつながってきます。九州に行けば、温泉が多くて、町の中から湯けむりが上がっている。「あ、これが地熱発電の九州か」となる。長野の高原を車で走れば、夏なのにキャベツ畑が広がっている。教科書の1行が、目の前の景色になります。

歴史もそうです。小池は、修学旅行で京都に行って池田屋を見たとき、感動しました。幕末、新選組が尊王攘夷派の志士たちを襲った池田屋事件(1864年)の舞台です。知らない人には、町なかにある古い場所の一つ。でも、その夜に何が起きたかを知っていると、そこは自分にとって特別な場所になります。

知っているからこそ、楽しい。

これは、旅行だけではありません。

2023年のWBCで、日本代表のラーズ・ヌートバー選手が、ヒットを打つたびに両手でこしょうをひくしぐさをしていました。ペッパーミル・パフォーマンスです。もとは、所属するアメリカのチーム(カージナルス)で始まったしぐさです。英語の grind には「(こしょうを)ひく」と「粘り強くコツコツやる」の2つの意味があります。打てないときでも、球をよく見て、四球を選び、ランナーを進める。そうやって打席で粘ってチームにつなぐことを grind out と言います。その粘りがヒットにつながった、というしぐさです。ヌートバー選手は、お母さんが日本人のアメリカ生まれの選手です。

意味を知って見ている人には、チームを1つにするしぐさに見える。知らない人には、「何をクリクリやってるんだろう?」で終わる。同じ場面を見ていても、楽しさがまるで違います。

社会の勉強は、テストのためだけのものではありません。世界を楽しく見るための準備です。知っていることが増えるほど、旅行も、スポーツも、ニュースも面白くなります。

学校で習ったことを軸に、自分で考える

館山駅の待合のベンチで、ノートに矢印を書き足しながら考えに没頭する館山中の制服の女子中学生。「習ったことから 次を考える」の文字。

地理・歴史・公民、3つとも同じことを言っています。

学校で習うこと生活の中で見つけるものそこから自分で考えること
近郊農業・抑制栽培スーパーの産地のラベルなぜ夏は群馬、冬は高知なのか
楽市・楽座マンガやドラマの信長なぜ信長は古いやり方を変えたのか
所得は3種類・パーセント給料・利子・配当どうすれば両輪が回り続けるか

所得の話を習ったとき、教科書に「両輪を回そう」とは書いてありませんでした。書いてあったのは、所得が3種類あることと、パーセントの計算だけです。そこから先は、自分で考えたことです。

もちろん、パーセントや累乗のような数学の知識も要ります。考える道具がなければ、考えられません。

でも、一番大事なのはその先。学校で学んだことを軸にして、それをきっかけに自分で何かを考えていく。それが、社会の実力です。用語を「テストに出る言葉」で終わらせず、1つ習ったら、生活の中で1つ見つけて、1つ「なぜ?」を考える。これをくり返すと、社会は自然に伸びていきます。

テストの点に変える:書かずに○×、流れでつなぐ

生活の中で興味がわいたら、最後はテストで点にします。社会のテスト勉強のやり方は、次の3つです。

  • 一問一答は、書かずに答えを隠して○×をつける。✕だけを2周目、3周目と回して、全部○にする。書かないので、短い時間でたくさん回せます
  • 答えを見て「なるほど」で終わらせず、「なぜ?」を自分で言えるか確かめてから次へ進む
  • 1問ずつ深掘りして点を作ったら、仕上げに流れの一問一答で、点を線につなぎ直す

まなぶ君を使っていれば、自動的にこのやり方になる

家のリビングで、タブレットのまなぶ君で社会の一問一答を解きながら、さっきテレビで見たニュースの問題だと気づいてテレビを指さす私服の男子中学生。「時事も 自動で範囲に」の文字。

ここまでのやり方は、まなぶ君に入っています。

やり方まなぶ君では
用語を思い出す地理・歴史・公民の一問一答。✕だった問題が先に回ってくる
テスト範囲に合わせる学校のテスト範囲に合わせて、社会の単元が出てくる
年号を覚える歴史の問題に年号が出てくると、ゴロ合わせが自動で表示される
今の世界とつなぐ時事問題の一問一答が、全員の範囲に自動で入る

紙とまなぶ君の使い分けは、紙(学校ワーク・塾のプリント)は学校や自習室で流れをつかむ。まなぶ君は家とすき間時間で、思い出す練習をくり返す。どちらも「○×をつけて✕だけやる」は同じです。

保護者の方へ:社会は、家庭で一番伸びる教科

社会は、ご家庭での会話や体験で一番伸びる教科です。特別なことは要りません。

  • 買い物のとき、「これ、どこ産? なんでだろうね」と一言聞く
  • 旅行の行き先を、次に習う単元の場所にする
  • 大河ドラマや歴史の映画を一緒に見る。面白い歴史マンガを家に置く
  • ニュースを見ながら、「これ、なんで今こうなってるんだろうね」と聞いてみる
  • お金の話を隠さない。通帳の利息、給料、税金。公民の生きた教材です

勉強させたいという意図が見えると、子どもは嫌になります。教えるより、一緒に面白がってください。

まとめ

  • 社会は、机の上より、毎日の生活の中で身につける教科。ただし軸は学校の授業
  • 地理:スーパーの産地のラベルに、教科書が並んでいる。「なぜそこ?」を考えれば、暗記ではなくなる
  • 歴史:本当にあった人間のドラマ。マンガ・ゲーム・ドラマから入って、好きな人物を見つける。最後は教科書で確かめる
  • 公民:今生きている世界そのもの。所得は3種類、1.05の何乗。正しく理解できるかが大事
  • 知っているから、楽しい。旅行先の風景も、池田屋のような古い場所も、スポーツの1シーンも、知っていると特別になる
  • 学校で学んだことを軸に、それをきっかけに自分で考える。それが社会の実力
  • まなぶ君を使っていれば、自然にこのやり方になる。紙は学校と自習室、まなぶ君は家とすき間時間

この考え方を全部盛り込んだのが、まなぶ君です。

バッジは、今日までの結果。次は、帰り道のスーパーで、産地のラベルを1つ見てみてください。

生活の中で育てる社会を!

ランゲージ・ラボラトリー 小池

塾生限定

塾生サイトには、この話の続きを塾生だけが読める記事で載せています。塾生サイトで読む

※塾生の方は、まなぶ君と同じID・パスワードで読めます

この記事を書いた人

小池哲平のアバター 小池哲平 ランゲージ・ラボラトリー塾長

ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
塾長のプロフィール ランゲージ・ラボラトリーについて

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