早稲田・慶應に行くなら:東進の受講ルート

東進館山校の受講ブースで、木更津高校のセーラー服の女子が、付箋のたくさん付いた分厚い参考書を胸に抱え、これからの道筋が見えてワクワクした顔をしている。「講座が多すぎて迷う」「早稲田・慶應の受講ルート」「英語は早慶とも主役」の文字。

ランゲージ・ラボラトリーの小池です。

東進の映像授業は、受ける講座を自分で選べます。これが東進のいちばんいいところです。でも講座の数が多すぎて、「早稲田に行きたい。で、何から取ればいいの?」で手が止まる人がたくさんいます。

そこで、志望校ごとに「この順番で取ればいい」という受講ルートをまとめていきます。1本目は早稲田・慶應。教科ごとに、まず取る基本のルートを1本だけ大きく示し、ほかのコースは「こういう人はこちら」と短く添えます。

ルートのもとにしたのは、東進ハイスクールWikiの「志望校別定番講座セット」です。講座名と順番はそこから取り、どの講座も東進ドットコムの2026年度の講座案内に今もあることを確かめました。新しい課程で名前が変わった講座は、今の名前で書いています。

目次

早稲田と慶應、入試で違うところ

東進館山校の受講ブースで、安房高校の制服の高2女子が、色違いの2冊の過去問集を左右に並べて見比べ、眉を寄せて考え込んでいる挿絵。文字「同じ早慶でも科目が違う」

早稲田大学(偏差値57.5〜70.0)と慶應義塾大学(偏差値65.0〜67.5が中心)。同じ「早慶」でも、入試の科目はかなり違います。取る講座も、ここで分かれます。

比べるところ早稲田慶應
試験の形大学の試験だけの方式、英語4技能テストのスコアを使う方式、共通テストと組み合わせる方式がある全学部が大学の試験だけ。共通テストは使わない
国語使う学部が多いどの学部にもない
小論文—文・法・商(B方式)・総合政策・環境情報・医・看護医療。経済学部は2027年度から休止
数学政治経済学部は共通テストの数学Ⅰ・Aが必須経済学部は募集600人のうち400人がA方式(英語と数学)

つまり、英語はどちらも主役です。そのうえで、早稲田なら国語(現代文と古文)、慶應なら小論文に時間を回します。両方受けるなら両方です。

数学は、早稲田の政治経済学部、慶應の経済学部・商学部(A方式)を考えるなら続けてください。高1で数学をやめると、この扉が閉まります。

出典:偏差値は河合塾 Kei-Net「偏差値(ボーダーライン)」2027年度入試(学部学科ランク)。早稲田の試験の形は早稲田大学 入学センター「入試制度一覧」、政治経済学部の数学は早稲田大学 政治経済学部「入試情報」(2027年度入試)。慶應が共通テストを使わないことは慶應義塾大学「一般選抜に関するよくある質問」。国語・小論文・募集人員は河合塾 Kei-Net「入試科目」(2027年度)、経済学部の小論文の休止は慶應義塾大学 経済学部の発表。くわしくは大学図鑑の早稲田・慶應の記事。

英語:基本は西きょうじ先生の「飛翔」ルート

夜、自分の部屋の机で、志学館高校の制服の高2男子が、長い英文のプリントにかっこと矢印を書き込みながら、構造が見えてきてひらめいた顔をしている挿絵。文字「早慶の英語は長文で決まる」

早慶の英語は、長い英文を速く正確に読めるかで決まります。東進の講座案内でも、慶應の英語は総語数2,000〜3,000語の超長文と紹介されています。

基本のルートは、西きょうじ先生の講座です。英文の構造をとって読む「飛翔」のシリーズを軸にします。

順番講座どんな人に
1ダイナミック英文法講義文法の問題を「なんとなく」で解いている人。入試の文法を、読むのに使える形で整理し直す
2飛翔のための英文読解講義(標準)偏差値50〜60の人。1文ずつ構造をとって、正確に読む練習
3飛翔のための英文読解講義(応用)偏差値60前後から。論理を追って、長文を最後まで読み通す
4早大英語/慶大英語高3。志望校の出題形式に合わせて仕上げる(どちらも10回)

文法に自信がある人は、1を後に回して2から始めてかまいません。

読解は標準→応用の順番を飛ばさないでください。応用の長文は、標準で身につけた「1文の構造をとる力」が前提です。4の大学別の講座は、出題形式を知って解き方を整える講座なので、3までの読む力があってはじめて効きます。

「飛翔のための英文読解講義(発展)」もありますが、ほかの教科に余裕があって、英語で大きく稼ぎたい人だけで十分です。英単語は、どのルートでも高速マスターで先に固めておきます。

こういう人はこちら

  • 英語が苦手で、基礎からやり直したい:今井宏(いまい ひろし)先生の「今井宏の英語E組・スタートダッシュ教室」から「今井宏の英語A組・上級者養成教室」までの5段。今の力に合わせて、D組やC組から入ってかまいません
  • 早稲田が第一志望で、早稲田の形式に早くから慣れたい:渡辺勝彦(わたなべ かつひこ)先生の「渡辺勝彦の有名難関大<逆転合格>へのスーパー総合英語」。Wikiによると、渡辺先生が早稲田を意識して作った講座です
  • 慶應が第一志望で、構文を固めてから慶應の長文に入りたい:「構文理解から難関大の英文を読み解く」→「慶大英語」

数学:経済・商・政治経済を考える人は続ける

東進館山校の受講ブースで、安房高校の制服の高2男子が、ノートに図を描きながら入試の数学の問題に歯を食いしばって食らいついている挿絵。

慶應の経済学部は、募集の3分の2が英語と数学のA方式です。数学を続けた人のほうが、受けられる枠が2倍あります。早稲田の政治経済学部も、共通テストの数学Ⅰ・Aが必須です。理工学部を受ける人は、もちろん数学が中心になります。

基本のルートは、志田晶(しだ あきら)先生の講座です。

順番講座どんな人に
まず(必要な人だけ)今から始める受験数学(文理共通)〜テーマ別数学への準備〜教科書はひと通り終えたが、受験の数学はこれからの人
1テーマ別数学(文理共通)基本問題は解けるのに、入試の応用問題で手が止まる人
2(理系)テーマ別数学(理系)理工学部を受ける人。数学Ⅲの範囲

志田先生は、公式や解き方に「なぜそうなるか」の意味を持たせる授業をします。覚えた解き方が入試で使えない、という人に合います。

こういう人はこちら

  • 数学に自信がある人、ほかの教科に苦手があって数学で稼ぎたい人:長岡恭史(ながおか やすふみ)先生の「数学ぐんぐん[基本編]」→「数学ぐんぐん[応用編]」(理系は「微積もぐんぐん[理系微積分+α]」の基本編・応用編も)。または青木純二(あおき じゅんじ)先生の「数学の真髄−基本原理追究編−文理共通 PART1/PART2」(理系は「数学の真髄−基本原理追究編−理系」も)
  • 数学が苦手で、学校の単元から固めたい人:大吉巧馬(おおよし たくま)先生の「高等学校対応 数学」の単元ごとの講座で、つまずいた単元を直してから志田先生のルートへ

4人の先生の違いは、それぞれの先生の記事の「数学の4人の使い分け」にまとめています。

国語と小論文:早稲田は国語、慶應は小論文

東進館山校の白い長机で、翔凜高校の制服の高3女子が、原稿用紙に小論文を書き上げ、鉛筆を置いてほっとした顔をしている挿絵。机の端には古文の単語帳。文字「早稲田は国語、慶應は小論文」

慶應にはどの学部にも国語の試験がありません。慶應だけを受けるなら、現代文と古文の講座は取らなくていいです。その時間を英語と小論文に回します。早稲田を受けるなら、国語は大きな科目です。

現代文(早稲田)

基本のルートは、林修(はやし おさむ)先生の講座です。

順番講座どんな人に
1高2ハイレベル現代文トレーニング高2。ある程度読める人が、難関大の文章の読み方を身につける
2ハイレベル私大現代文トレーニング高3。早稲田など難関私大の現代文で点を取る
  • 現代文を基礎から固めたい人:宗慶二(そう けいじ)先生の「現代文基礎トレーニング」→「現代文トレーニング」→「私大現代文読解」
  • 高3で受ける学部が決まった人:「早大対策現代文」で仕上げる。法学部編、文化構想学部編、商・教育・文・人間科学部編もあります

古文(早稲田)

基本のルートは、栗原隆(くりはら たかし)先生の講座です。文法から読解、私大の入試問題まで、段を踏んで上がれます。

順番講座どんな人に
1古典文法強化ゼミ文法があやしい人。10回で文法を固める
2基礎強化古文古文の力はまだこれから、の人
3トップレベル私大古文早稲田など私立の難関の古文で点を取る
  • 古文を得意科目にしたい人、早稲田一本の人:吉野敬介(よしの けいすけ)先生の「的中パワーアップ古文(標準編)」→「早大古文スペシャル」

小論文(慶應)

順番講座どんな人に
1ハイレベル小論文トレーニング(基本編)小論文を書いたことがない人もここから。書き方の型を身につける(添削3回)
2慶大対策小論文トレーニング学部ごとの傾向と、よく出るテーマで練習する(添削3回)。医・看護医療学部は対象外

2つをまとめた「ハイレベル小論文(慶大対策)」でも取れます。経済学部は2027年度から小論文を休止しているので、経済学部だけを受けるなら要りません。

小論文は、書いて、添削で直されて、書き直すことでしか伸びません。講座の添削は必ず出し切ってください。

社会と理科:日本史・世界史は「スタンダード」から

東進館山校の受講ブースで、志学館高校の制服の高3男子が、日本史の年表ノートと教科書を広げ、教科書の一文に線を引いて得意げな顔をしている挿絵。文字「流れが先、早慶対策は後」

社会は、まず流れをひと通りつかむ講座、そのあと早慶の問題に合わせる講座の順です。

日本史

順番講座どんな人に
1スタンダード日本史探究 PART1/PART2日本史の流れを、入試に向けてひと通り学ぶ
2早慶大対策日本史高3。早稲田・慶應の日本史で稼ぎたい人

どちらも金谷俊一郎(かなや しゅんいちろう)先生の講座です。Wikiの注意書きには、早稲田の日本史は教科書の文がそのまま選択肢に出ることが多い、とあります。講座を受けたうえで、教科書を読み込むところまでやってください。

世界史

基本は、加藤和樹(かとう かずき)先生の「スタンダード世界史探究 PART1/PART2」です。

  • 大きな流れと「なぜそうなったか」の因果でつかみたい人:荒巻豊志(あらまき とよし)先生の「スタンダード世界史Ⅰ〜Ⅳ」「Ⅴ〜Ⅷ」「Ⅸ〜Ⅻ」

2人の違いは、それぞれの記事の「使い分け」の表にまとめています。

政治・経済で受ける人は、清水雅博(しみず まさひろ)先生の「政治・経済 政治編」「政治・経済 経済編」から。地理で受ける人は、担任と相談して決めてください。

理科(理工学部)

科目基本の講座こういう人はこちら
物理苑田尚之(そのだ なおゆき)先生「ハイレベル物理 力学/電磁気学/熱力学・波動」基礎から固めるなら、やまぐち健一(やまぐち けんいち)先生「スタンダード物理 PART1/PART2」。理論を深く理解したいなら、三宅唯(みやけ ゆい)先生「難関物理 PART1/PART2」
化学鎌田真彰(かまた まさてる)先生「ハイレベル化学 PART1/PART2」化学を基礎から得点源にしたいなら「難関化学 PART1/PART2」
生物飯田高明(いいだ たかあき)先生「難関生物 PART1/PART2」—

いつまでに何を終えるか:学年ごとの置き方

早慶ルートの学年ごとの置き方の手描き図解。「高1 英単語と英文法」「高2(11月まで) 飛翔(応用)と数学・国語」「高2の冬〜高3の夏 社会と小論文」「高3の夏から 早大英語・慶大英語と過去問」の4区間。見出しは「高2の11月までに英語の土台を終える」。

館山校の受講ルールでは、高1はふだん週2コマ(長期休みは週4コマ)と高速マスター、高2は月8コマで11月までに全講座を終えます。早慶ルートをこの決まりに当てはめると、こうなります。

時期早慶ルートで終える講座ペース
高1高速マスターで英単語1800。ダイナミック英文法講義、飛翔のための英文読解講義(標準)週2コマ。長期休みは週4コマ
高2(11月まで)飛翔のための英文読解講義(応用)。数学を使う人はテーマ別数学(文理共通)。早稲田志望は高2ハイレベル現代文トレーニングと、古典文法強化ゼミ→基礎強化古文月8コマで、11月に100%。夏休みは早慶志望で週8コマ以上
高2の冬〜高3の夏スタンダード日本史探究/スタンダード世界史探究、ハイレベル私大現代文トレーニング、トップレベル私大古文。慶應志望は小論文夏休みが終わるまでにひと通り
高3の夏から早大英語・慶大英語、早慶大対策日本史、早大対策現代文、過去問過去問と並行して

ポイントは、高2の11月までに英語の飛翔(応用)まで終えておくこと。ここまで終わっていれば、高3は社会と志望校の対策に時間を回せます。逆に英語が高3にずれ込むと、社会と小論文が全部後ろに押されます。

コマ数や日付は年度ごとに少し変わります。その年の数字は、校舎からのお知らせ(LINE)で確かめてください。学年ごとの決まりと理由は東進の受講ルールにまとめています。

合格設計図に落とす

日曜の夜、自分の部屋の机で、木更津高校の制服の高2女子が、iPadの合格設計図に講座を登録し、来週の予定が埋まっていくのを見て満足げにほほえんでいる挿絵。画面は本人の方を向いている。文字「ルートを設計図へ」

ルートが決まったら、学力POSの合格設計図に入れます。順番は次のとおりです。

  1. 第一志望の大学・学部を入れる。学部まで決めてから講座を選ぶこと。政治経済学部なら数学、慶應の文学部・法学部なら小論文と、学部で要る講座が変わります
  2. 第一志望の試験方式と配点を調べて入れる
  3. 中期計画で、この記事のルートから今年受ける講座を登録する
  4. 短期計画で、週に何コマ進めるかを決める(高1は週2コマ、高2は月8コマが目安)
  5. 毎週日曜日に、翌週の週間予定表を立てる。これがそのまま受講の予約になります

合格設計図と週間予定表の操作は、受講計画の立て方にまとめています。迷ったら、設計図を開いたまま担任に見せてください。一緒に組み直します。

まとめ

早慶ルートの要点の手描き図解。「英語:英文法→飛翔(標準)→飛翔(応用)→早大英語・慶大英語」「早稲田は国語、慶應は小論文」「数学は政経・経済・商を考えるなら続ける」「社会はスタンダードから」「高2の11月までに英語の土台」の5項目。見出しは「早慶ルート 5つの要点」。
  • 英語は早慶とも主役。基本は西きょうじ先生の、ダイナミック英文法講義→飛翔(標準)→飛翔(応用)→早大英語・慶大英語
  • 早稲田は国語(林修先生の現代文、栗原隆先生の古文)。慶應は国語がなく、小論文(ハイレベル小論文トレーニング(基本編)→慶大対策小論文トレーニング)
  • 数学は、早稲田の政治経済学部、慶應の経済学部・商学部(A方式)を考えるなら続ける。基本は志田晶先生のテーマ別数学
  • 社会はスタンダード日本史探究/スタンダード世界史探究から。日本史は高3で早慶大対策日本史
  • 高2の11月までに英語の土台を終え、高3は社会と志望校の対策へ
  • 学部まで決めて、合格設計図の中期計画に講座を入れる

早慶は、高1からの積み上げがそのまま結果に出る大学です。今日、合格設計図を開いて、今年のルートを入れてください。

出典:講座の順番は東進ハイスクールWiki「志望校別定番講座セット」の「早稲田大学」(2026年6月12日更新)と「慶應義塾大学」(2023年12月14日更新)のページ(2026年10月10日に取得)。講座名・回数・対象は東進ドットコム「講座案内」(2026年度版、2026年10月10日に確認)。偏差値と入試科目は、この記事の最初の表の出典のとおり。

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この記事を書いた人

小池哲平のアバター 小池哲平 ランゲージ・ラボラトリー塾長

ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
塾長のプロフィール ランゲージ・ラボラトリーについて

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