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「不健康になるのは自己責任。食事が悪い、運動をしていない。」——一般的にはそう考えられています。僕もそう思っていました。
SDHとは「Social Determinants of Health(健康の社会的決定要因)」の略で、健康や病気が個人の努力だけで決まるものではなく、教育、収入、住んでいる場所、人とのつながりなど、社会的な要素によって大きく左右されるという考え方です。
よりよい地域を自分たちの手でつくる。そんな主体性を子どもたちに育んでほしい。そんな思いで今回の企画がスタートしました。
当日は、亀田ファミリークリニック館山の医師6名をお招きし、中学3年生25人が参加。塾の授業の1コマとして行いました。
病気になるのは自己責任。だって不健康な生活をしているから。病気になったら病院にいけばいい。薬をもらって病気をなおせばいい。
そんな私達の一般常識を疑う考え方を教わりました。
孤立が健康被害をもたらす。低い教育水準が病気の原因である。でも教育を満足に受けられないのは本人の責任ではなく、環境の問題であるケースもある。
こうした話を聞き、生徒たちは思わず手を止め、真剣な表情でメモを取りながら耳を傾けていました。「健康=体の問題」というイメージが、少しずつ崩れていく様子が印象的でした。
医師の話を受けての後半は、6人1グループでのグループディスカッションの時間です。テーマは「館山市の地域課題を探し、私たちにできることを考えよう」。
「正直、民度が低いって思うこと多いよね。」その言葉に「わかる」「あるある」と頷く生徒が出てきました。
「授業中、先生の話を聞かない子が多い。ちゃんとやりたい人がバカみたいに見られる。」
「中学生が大人に挨拶しても、返ってこないことがあった。挨拶されてドキッとしている感じが伝わってきた。」
「この前、祭りで中学生にお酒すすめてる大人がいて嫌だった。」
他の生徒も「わかる」「うちの町も同じ」「結局そういう大人を見て、次の世代が真似するんだよね」という声を次々と出し始めました。
勉強できる子は都会に出ていく。大学がないから?
そんな話をしながらも、「でも、どうしたらいいの?」と誰かが言うと、ふと沈黙が訪れました。でも、その空気を破ったのは一人の生徒の声でした。
「だからって、私たちが何もしなかったら同じになっちゃうじゃん。何か少しでもできることやりたい。」
そこから議論は再び動き始めました。
「授業中、うるさい子がいても無視しないで、ちゃんと注意する雰囲気を作りたい。」
「大人が挨拶を返さないなら、私たちは絶対に返す。先に挨拶するのをやめない。」
「祭りで未成年にお酒をすすめるのは絶対ダメだって、ポスターを作って貼ろうよ。」
「あと、勉強ができない子が多いのは、そもそも勉強を教える人がいないのも原因だから、私たちが小学生に勉強を教える会とかできないかな。」
単なる愚痴で終わらず、「だから何をする?」に踏み出せた議論は、熱を帯びたまま続きました。
ディスカッションの最後には、各グループが模造紙にアイデアをまとめ、全員の前で発表しました。
「孤立を解消するためのスポーツ大会を開催したい」
「塾に来れない子たちに勉強を僕たちが教える場をつくりたい」
「相談できる場所が少ないから、困った人が集まれる『おしゃべりカフェ』を作りたい」
どのグループの発表も、目の前の課題を「自分たちにできること」に落とし込み、前向きな姿勢が伝わってきました。
ある生徒は「健康は病気になったときだけの話じゃなくて、教育など一見関係ないことが重要なんだと気づいた」と発表し、別の生徒は「医師の先生たちの話を聞いて、自分で環境を変えることができるんだと考えるとワクワクした」と語ってくれました。
「中学生たちがとても素直で、かわいかっただけじゃなく、何より真剣な姿勢が印象に残った。講義パートで話をしているとき、しっかり顔を上げて、うんうんとうなずきながら聞いてくれていたり、メモを取ったりしている子が多くて、こっちが感動してしまった。」
「正直、難しいテーマだし、どうなるかなと思っていたけれど、グループディスカッションでアイデアが次々に出てくるのには驚いた。健康の問題を、ここまで自分ごととして考えられるんだ、と頼もしさすら感じた。」
「発表者を決めるときに、押し付け合ったり、『誰がやる?』とモジモジする空気が全然なかったのがすごいと思った。自然に『俺が行く』って流れになって、全体がスッとまとまっていくのを見て、『この子たちは本当にすごいな』と感心した。」
「民度が低いって話が出たときは少し驚いたけど、その言葉の裏にある“このままじゃいけない”という危機感や、“変えたい”という気持ちを強く感じた。あれは、ただの愚痴じゃない。ちゃんと自分たちの町を良くしたいという思いが伝わってきた。」
「場があたたかった。発表者の話しを聞くときの相槌や、合いの手。みんなのリアクションがあって、発表者も話しをしやすかったと思う。」
「地域の健康問題を中学生たちがこんなに真剣に考えてくれること自体が嬉しかったし、自分も『一緒に何かやりたい』と思わされた。やっぱり医療の現場だけでは限界があって、こういう世代の子たちと一緒に考えることが本当に大事だと再確認できた。」
医師の皆さんもとっても楽しんで参加されていました。
このSDHプロジェクトは、知識を学ぶだけでなく、「自分たちの地域の課題」「自分たちにできること」を考え、仲間と意見を交わす貴重な体験になりました。しかし、この学びを一度きりで終わらせず、ここからが本当のスタートです。
月1ペースでミーティング。半年間に渡ったプロジェクトを実行まで持っていきます。例えば孤独解消のスポーツ大会を中学生が主体となって実施・開催するというアイディアなら、実際にスポーツ大会をやるところまでやります。
「そんな実行プロジェクトをやりたい人ーー?」
と聞いたところ、約半数の13名の手があがりました!!!
与えられてきたもので、変えようがないと思っていた環境・地域の課題を、自分たちの力で中学生でも変えることができる。そんなワクワクを胸に、主体性・行動力を磨いていくこのプロジェクト。今後も目が離せません!
各種プロジェクトを通じて主体的に行動する経験の機会、ビジネス経験、ITや投資を学び、実践してみる。そんな体験の機会を授業以外にも提供いたします!
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