大学受験は英語と数学で決まる|文系も数学が必須の時代に小中でやること

塾の教室で数学の答案を手に驚く高校生と「文系も数学?」の文字

ランゲージ・ラボラトリーの小池です。

保護者の方と進路の話をしていると、「うちの子は文系だから、数学はそこそこでいいですよね?」と聞かれることがよくあります。

僕の答えははっきりしていて、そこそこではダメです。

大学受験で合否を分けるのは、英語と数学の2教科。これは僕の感覚ではなく、入試の仕組みと数字がそう言っています。今日はその理由と、「じゃあ小学生・中学生のうちに何をすればいいのか」までお話しします。

目次

英語と数学は「差がつく2教科」

まずは数字から。

大学入学共通テストでは、科目ごとに「標準偏差」が公表されています。ざっくり言うと、点数がどれだけバラけているかを表す数字で、大きいほど「できる子とできない子の差が開く科目」です。

2026年度の共通テスト(100点換算)はこうでした。

科目標準偏差
英語リーディング23.7
数学II・B・C21.8
数学I・A19.4
日本史探究17.5
国語16.4
地理探究16.1
出典:大学入試センター「令和8年度 大学入学共通テスト 平均点等一覧」(国語は100点換算)

上から3つが英語と数学です。前の年(2025年度)も、上位3つは英語と数学でした(その年は数学II・B・Cが一番)。

つまり、国語や社会で頑張って周りと差をつけようとしても、差はそこまで開かない。逆に英語と数学は、得意な子はぐんと抜け出し、苦手な子は大きく置いていかれる。合否はこの2教科で決まると言っていいと思います。

英語が大事なのは、たぶん皆さんもう実感があると思います。ほぼ全ての大学・学部で配点が一番大きいですし、社会に出てからも一生使います。

今日、特にお伝えしたいのは数学の方です。

文系でも数学が必須の時代になった

「文系なら数学はいらない」。これはもう、ひと昔前の常識です。

  • 早稲田大学 政治経済学部は、2021年度入試から共通テストの「数学I・A」を必須にしました。私立文系の看板学部が、数学なしでは受けられなくなったわけです。
  • 国立大学は、2025年度入試から原則「6教科8科目」。文系でも数学2科目に加えて、新しく「情報I」まで課されるようになりました。
  • 青山学院大学 経済学部も、2027年度入試から数学必須の方式を新しく作ると発表しています。

私立文系でも、数学を課す流れは年々強まっています。

なぜ、今こうなっているのか

背景にあるのは、時代の変化です。

早稲田の政経学部が数学を必須にした理由は、政治学も経済学も、統計やデータを使って考える研究が当たり前になったからです。世界の大学では、それが標準になっています。

国も「文系・理系を問わず、全ての大学生がデータサイエンスとAIの基礎を身につける」という目標を掲げました。滋賀大学を皮切りに、一橋大学などでもデータサイエンス系の学部が次々とできています。

AIが文章を書き、データが意思決定を動かす時代です。数字で考えられない人は、文系の仕事でも置いていかれる。大学はそれを分かっているから、入口で数学を見ようとしているんだと思います。

数学は「本当の頭の良さ」が出てしまう

もう一つ、数学には他の教科と決定的に違うところがあります。

暗記の小手先が効きにくいんです。

社会なら、キーワードを覚えれば点が取れる問題がたくさんあります。英語も、単語を覚えるほど点は上がります(もちろん英語も最後は読む力が要りますが)。

数学は違います。解き方のパターンを丸暗記した子は、見たことのある問題なら解けます。でも、少しひねられた瞬間に手が止まる。定期テストはできるのに実力テストや模試になると崩れる、という中学生はほとんどがこのタイプです。

入試の数学は、初めて見る問題にどう向き合うかを見ています。

  • 問題文の状況を、図や表にして整理できるか
  • 何が分かっていて、何を求めればいいのかを見抜けるか
  • 知っている考え方の中から、どれを使うかを自分で選べるか

これは覚えてどうにかなるものではありません。その子が本当に考えられるかどうかが、そのまま点数に出てしまう。だから数学は差がつくし、大学も数学を見たがるんだと思います。

その土台は、小学校と中学校にある

では、その「考える力」はいつ作られるのか。

僕は、小学校と中学校だと思っています。

高校数学で行き詰まる子をたどっていくと、原因はたいてい小学校・中学校にあります。

  • 割合が「もとにする量を1としたときのいくつ分」だと分かっていない
  • 速さの「時速=1時間で進む距離」をイメージできず、「み・は・じ」の公式でしか解けない
  • 文字式や方程式を、意味ではなく手順で覚えている

高校の微分・積分も、確率も、ベクトルも、中身をたどればこうした小中の概念の上に乗っています。土台がぐらついたまま上に積もうとしても、崩れるだけです。

実は、高校入試の理科でも小学校の算数がそのまま出ています。算数・数学の力は、数学の中だけにとどまらないんです。

ランゲージ・ラボラトリーでやっていること

だからランゲージ・ラボラトリーでは、小学生・中学生のうちから、解き方を教えるより考えさせることを大事にしています。

  • 公式より先に、図を描く。分かっている数を書き込み、図の上で考える
  • 「時速とは?」「割合とは?」と、概念を1行で言えるところまで戻る
  • 「やり方だけ教えて」と言う子には、やり方ではなく迷路やパズルを渡す

一番うれしいのは、生徒が「先生、言わないで。自分で解くから」と言い出す瞬間です。そうなった子は、高校に行っても伸び続けます。

英語も同じで、単語を覚えるだけでなく、英文の骨組みを見抜いて読む練習を中学から積んでいます。英検を早めに取っていくのも、その力を形にするためです。

まとめ

  • 大学受験で差がつくのは英語と数学。共通テストの数字でも、この2教科が一番バラける
  • 文系でも数学が必須の時代。早稲田政経、国立大の6教科8科目、私大文系にも広がっている
  • 背景には、統計・データ・AIを使って考える時代への変化がある
  • 数学は暗記の小手先が効かず、本当に考えられるかがそのまま出る
  • その土台は、小学校・中学校の算数・数学にある

大学受験は高校3年間の勝負に見えますが、本当の勝負はもっと前から始まっています。小中で「考える土台」を作った子が、最後に一番伸びる。僕はそう確信しています。

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