「習ってないからできない」ていうのが何でダメなのか?
何か問題を解いていると習っていない問題が出ることがあります。そんな時に皆さんはどうしますか?
- Aさん)習っていないからできないと諦める
- Bさん)自分なりに推測をして考える
AさんとBさん、どちらの人が勉強ができるようになると思いますか?
僕が何百人かの生徒を見てきた経験から言うと、断然のBさんタイプの方が勉強ができるようになります。
例えば、
問題図の青丸で分布を示した発電所の種類は何か?
みなさんも考えてみてください。中2の地理で習いますが、むしろ習っていない人にぜひ考えてみてほしい問題です。
今から、Aさんタイプ(ならってなーい)、Bさんタイプ(自分なりに考える)の人の頭の中を再現してみたいと思います。
A)ならってなーーいという子の頭の中
(習ってないし。てか、ちゃんと教えろよ。こんな問題だすなよ。)
解答欄には何も書いてありません。
そしてなぜか若干キレ気味です。
勉強とは、学校の授業で、先生から、口頭で説明を受けた問題のみを解くものだと思い込んでいるためです。
B)自分なりに考える子の頭の中
(まず発電所の種類って言っている、発電所の種類を考えるかー。
- 火力
- 原子力
- 水力
- 太陽光
- 風力
とかあるなー。
原子力は反対されているし、こんなにはないんじゃないかな?
それに福島の原発のニュースとか見たことあるけど確か海のそばだったはず。
海水に何かがモレて大変だっていってたし。
火力もたしか海のそばにあるような気がする。
なんでだろ?天然ガスとか、石炭とか燃やすからか。
天然ガスって輸入してるはずだから船で運ばれるし、海のそばが都合がいいのかもな。
太陽光は色んな場所にあるイメージがあるんだよな。
日当たりが良くて土地が安いとこかな?だから今回はちがうかな?
なんかこの地図をみると日本の真ん中らへんによってるんだよな。
日本の真ん中らへんってことは山があるよなー。山のところにある発電所だから水力かなー。。
水力はダムのとこに作られるって聞いたことあるから、山なのかな。。
あっ、でもまてよ。館山の山の上にでっかい風力発電の機械あるのみたことあるし、山は風力なのかな?ここは風力でいこう)
解答欄には風力発電と書く。
正解かどうかが問題ではない
Aタイプ、Bタイプでこれだけ考えていることに違いがあります。ちなみに正解は水力発電です。
今回はたまたま両方とも不正解でしたが、Aさん、Bさんでは大きな差がありますよね。
もしも間違っていたとしても、Bタイプ(自分なりに考える)は次に間違えないんですね。
Bタイプの人が間違えた後にやること
へー、水力か。
まあ山だもんね。素直に水力でいっとけばよかった。
じゃあ風力発電ってどこにあるんだろう?(ググってみる)
へー、山っていうかむしろ海沿いかー。確かに海沿いは風が強いもんなー。
まあ館山も海沿いだし、あそこも山っていうほど高い山でもないもんなー。
でも、日本って風力発電が普及してないイメージがあるけどなんでかな?台風の影響とかあるのかな?
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と疑問をもつ→調べる、という行動がとまりません。小学生なら、調べるというよりも母親に質問するのかもしれません。
ちなみに日本は風力がそれほど強くない、かつ台風で一時的に激しく強くなるが、それに耐えうる風力発電所を作ろうとするとコストが高くなるので割にあわないそうです。
じゃあどこが風力つよいんだろう?じゃあ日本は風力はダメだとしたら、地形的にどんな強みがあるかな?地震と火山が多いし、地熱かな?地熱はなんでシェア一位にならないんだろう?
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このように発展していきます。
自分で工夫して考えることこそが頭の良さだ!
今回はAさん、Bさんとも不正解だったのですが、プロセス(過程)には大きな差があります。
Aさんは正解を聞いても「ふーん。」という感じ。習っていない問題が出たことに対するいきどおり(=怒り)。先生への不信感だけが印象に残り、解答自体はすぐ忘れるようです。解答も聞いたあとも「てか、習ってねーし」からの先生への悪口につながることも。
Bさんは自分なりに仮説を立てたあとだけに、解答が印象に大きく残ります。「へー!そうだったのかー!」という感じ。感動が違います。不正解だったとしても自分なりに考えることを楽しめたし、正解にあと一歩というところまでにじり寄ることができたことで自信を深めます。
新しい知識を得られて、一つ成長したという達成感もあることだと思います。
親として子どもに考える力をつけさせたい
じゃあ、どうすれば我が子を「ならってなーい」ではなく、自分で考えるBさんタイプに育てることができるのかということですが、僕なりに考えてみました。
例えばキャンプをしているときに、肝心のチャッカマンを忘れてしまった。
火を起こすことができない!
そんなときに「どうしよっかー?」とお子さんに相談してみたらどうでしょうか?
「あそこにいる人たらからかりてきたらいいんじゃなーい?」
「火のついている炭を2、3こもらってくればいいじゃん」
「受付で売ってるんじゃない?」
とか解決策を提案してくれることでしょう。
僕が親だったら「おっ!いいね!・・・じゃ、悪いけど行ってきてもらっていい?」と言って、提案した解決策を実行するところまでやってもらいます。
他の例をあげると、
「スイッチの○○というソフトがほしいなー、でもお金がないんだよなー」
「ふーん。ほしいんだね。なんかいい方法ないかな?」
「うーん、お手伝いしてお金をもらって貯める。」
「それじゃ時間かかるじゃん。明日にでも手に入れる方法ない?」
「うーん。。」
「例えば、自分の持っているソフトをメルカリで売るとか。」
「後は買うってことにこだわらなくてもいいんじゃない?友達に借りればいいじゃん。」
「うーん。」
「そのソフトもっている子いないの?」
「○○くんはもっているよ。」
「その子がやりたがっているソフトでキミの持っているソフトはないの?それ貸して、代わりに借りればいいじゃん」
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みたいな感じで色んな解決策を考えていきます。
たぶん、チャッカマンを忘れたときの対処法なんて習っていないはずだし、ほしいソフトをお金がないのにやる方法も習ってないと思うんですよね。
問題を解くってことが、普段から行われてて、しかも楽しそうにされていたら、考えることが好きになると思うんですよね。(問題って別にプリントだけじゃないので。)
おそらくチャッカマン忘れたときにはほとんどのご家庭で親だけで解決しちゃうでしょうし、ゲームソフトの問題は我慢しなさいでおわっちゃいそうですよね。
まとめ
「ならってなーーい」と言って思考停止していると成長できません。
勉強には、知識(知っている)と思考(考える)という2つの側面があります。
「知っていからこそ考えられる」、また「考えられるからこそ知っていることが増える」という相補関係があるような気がします(発電所の種類の問題でのBさんの感じ)。
「ならってなーーい」って言わないで、ワクワク楽しみながら考えてみよう!
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