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漢字の勉強法

漢字って意外と重要です。漢字ができている子とできていない子で勉強全体の伸びに影響があります。たかが漢字。なんで全体に関わるの?って思うかもしれません。なぜ漢字が重要なのか、どう勉強したらいいかを解説します。

本記事の著者

塾長小池の写真(マスクをしている)

高校で学年ブービーから、早稲田、慶応、上智大に合格リクルートで法人営業を約4年間→館山市で学習塾ランゲージ・ラボラトリーを運営し12年。地域の人気塾になりました。

小学生は思考力を鍛え、中学生は地域トップの公立高校に進学する支援をするのが得意です。<詳細>

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目次

漢字を勉強する意味

漢字の勉強を通じて語彙力が増える

漢字の勉強の本質は、語彙力を獲得することです。人間は言葉で考えるので、語彙力がある人ほど考える材料が多くなり考えが深くなります。

僕自身が大学の授業で今でも覚えているのは、言語学の授業。語彙力によって、人間は見えている世界が変わるということです。比喩ではなくて、本当に見え方が変わるそう。例えば、雪の世界に暮らすエスキモーは、いつも一面、真っ白な雪の世界に生きています。日本人である僕らには白一色にしか見えませんが、エスキモーにとっては何色かに見えている。なぜか?エスキモーには白の語彙が豊富にあるようで、そうすると白でも微妙な違いで区別してみえるのだそう。

言葉が目の見え方を変えてしまうなんてすごいことじゃないですか?

語彙力が高い人ほど年収が高い

ベネッセが行った3000人を対象にした大規模な調査。辞書でしかお目にかかれないレアな単語270語と、新聞で頻繁に出くわす270語の合計540語をどれだけ知っているかの調査です。グラフのとおりでたくさんの語彙を持っている人ほど年収が高いことがわかります。

語彙力が高いと頭の回転が速くなる

「自分で考えて、人に言われなくても自分から積極的に活動していくこと」→「主体性

32文字で考えていたことを、たったの3文字に凝縮できます。理解するスピードが上がります。

国語のテストでは漢字が必ず20点分ある→国語の点数が安定する

わかりやすいメリットで言うと、テストでは漢字が必ず20点分あるので、国語のテストの点数が安定します。漢字だけでなく、読解でも語彙力は重要なので、読解の点数も漢字の勉強によって上がります。

漢字の読みは推測する

知らない漢字は分けて考える

当塾の授業用のスライドより

「綿密」これだと読めない子がいたんですけど、「綿」はなんてよむ?と問いかけると「めん」と読める。じゃあ、「密」は?と問いかけると、「みつ」と答えられました。じゃあくっつけると?「めんみつ」分けて考えれば読めます。

熟語は音読み+音読みの漢字が多いので、漢字を分けて、それぞれを音読みで読んでみるクセをつけたいです。

漢字の音読みは推測しやすい

当塾の授業用のスライドより

精 清 晴

この文字の音読みは何でしょうか?全部「セイ」ですね。青という漢字は音読みではセイと読みます(例. 青春:セイシュン)このように知っている漢字と同じ読み方になります(音読みの場合は)。

音符と意符でできている(形声文字)

部首が意味を表し(意符といいます)、その他の部分が音を表します(音符といいます)。今回(精 清 晴)でいうと、青が音を表しているので、セイという読み方になります。知っている漢字と同じ読み方ではないかと推測してみましょう。

漢字の読みを推測しようとする気持ちが大事

わからないことに直面した時、諦めずに推測することが大切です。「精」を見て「セイ」と推測するように、知識がなくても推測できる場面は多いです。「ならってません」と言って答えを放棄することは学びを止めてしまいます。たとえ難しい問題でも、推測を通じて学びが印象に残り、記憶に定着します。

漢字の勉強法のポイント

まずは漢字の読み→漢字の書き

漢字は書きよりもまず読みから勉強していきます。読みのほうが勉強しやすいですし、読解などでも重要なのは実は読みの方です。

漢字の勉強はテストを軸にやる

漢字の勉強をするというと何回も描きだそうとする人が多いですが、そうではなく、まずテストを一発やってください。特に読みは何度も書くというよりも、隠して読みを頭で浮かべて丸バツを付けていくような勉強がスピードが速いです。

漢字の書きは多少は書いても良いと思いますが、それでも3回程度。一回書く時に集中して観察をして、どういう構成になっているかを良く見るのです。そして自分なりに覚え方を開発することが重要。

漢字も✕の2周目が効果的

一度テストをするとできる漢字と、できない漢字に仕分けができます。間をあけて、もう一度✕の問題だけを解き直すのです。

漢字の意味を理解しながら勉強する

漢字は漢字そのものができて点数を取るためというよりは語彙力を増やすというのが本当の目的です。だから漢字の意味を分からずに、漢字の点数だけを高めようとしても、あまり意味がありません。

同じ読み方の漢字がたくさんあるから難しい

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「こうかい」(あとになって、過去のことをくやむこと)と書きたいとき、どんな「かい」を選びますか?

  • 後海(うしろの海?)
  • 後貝(うしろの貝?)
  • 後会(うしろの会?うちあげみたいな?)

漢字が苦手な子は、おもしろいこうかいをかきます。後になってくやむこと。だから後「」ですよね。

わかもの(わかいひとのこと)と書く問題で「若物」と書く子が数名いました。

物(モノ)じゃない^^;人だから者(モノ)

漢字の意味がわからない区別がつかない

漢字は一文字一文字に意味があります。その意味をとらえていくことが大事です。

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ほとんどの漢字ドリルに、漢字の意味ってのっています。でも、漢字が苦手なこは、ここを読んでいない。意味を無視している…。読まないと区別できないですよ。

漢字の意味は「訓読み」からとらえる

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「怪」「悔」は音読みだと「カイ」。意味がわかりません。でも、訓読みなら「怪しい」「悔いる」なので、意味がわかります。音読みで意味がわからなければ、訓読みを思い浮かべましょう。

漢字の意味は「自分の知っている熟語」から考える

「怪」という字から、思いつく言葉はありますか?

  • 怪談(かいだん)
  • 怪力(かいりき)
  • 怪物(かいぶつ)

など思いつく人がいるかもしれません。では共通する意味はなんでしょうか?

「こわい」「ふつうじゃない」そんなところじゃないですか?だから、「こうかい(後になってくやむ)」

という意味と「怪(かい)」はあわないですよね。音だけで飛びつくんじゃなくて、意味を考えて漢字をあてはめるといいですよ。

漢字の部首を知ると楽になる

漢字の部首「りっしんべん」の例

例えば、この部首。

どういう意味があるでしょう?

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という漢字が変化してできたものです。

(「りっしんべん」と呼びます)

前回でてきた、「悔」「怪」という漢字。

両方とも、「りっしんべん」です。

ということは、心に関する意味があるのかな?と考えられます。

  • 悔いる(くいる)→後悔する気持ち
  • 怪しい(あやしい)→何かをあやしく思う気持ち

両方とも感情(心)に関することですよね。

漢字の部首「おおざと」の例

他にも例をあげてみましょう。

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この部首はどういう意味かわかりますか?

座ってくつろぐ人が変形した文字。

「おおざと(大里)」といいます。

だから、「おおざと(大里)」の漢字は、

  • 人が群がる
  • 人がくつろぐ

という意味になります。

  • 部活の部
  • 故郷の郷
  • 近郊の郊
  • 邸宅の邸

など。確かに人が集まる場所ですよね。

漢字の部首「こざとへん」の例

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こざとへん。元々の意味は、小高い山をさします。岐阜(ぎふ)の「阜」を略した字。

  • 「降りる」の「降」
    → 高い場所から降りる
  • 「隠す」の「隠」
    → 人の目にふれない高い場所に隠す
  • 「障害」の「障」
    → 高い壁が障害となる

と、「こざとへん」のもつ小高い山という意味と結びつけるとおぼえやすいと思います。

漢字を分解して考える

分解の例 麓

例えば。よく見ると2つの漢字からできている。林+鹿。たぶん、こんな感じ↓

山の

ふもと

林があって、鹿がいた。

分解の例 餌

他にも餌。

「エサ」という字。

これもよく見ると、「食」「耳」

耳を食べる?

たぶんこんな感じ↓

パンの耳をエサとして与えている様子。正確な由来でなくてもいいでしょう。自分なりに考えるから楽しいです。

ポイント

  1. 漢字を分解する
  2. 意味付けをする

漢字の力は日常生活で鍛える

漢字ができない子・・・というよりは語彙力が低い子を見ると、大変失礼ながら勉強が得意でないケースが多いです。

  • 日常生活で見かける言葉に、あまり興味関心を持っていない
  • 読書をする習慣がない
  • 家庭の中での使用語彙のレベルが低かったり、そもそも会話量が少なかったりする

語彙力の豊富さは、理解力に大きな影響を与えるので、親御さんは以下を意識すること良いと思います。

子どもを読書好きに育てる

  • 幼少期にたっぷり読み聞かせをする
  • マンガ・雑誌などハードルの低いところから読書に興味を持たせる
  • 親自らが読書を楽しんでいる姿を見せる

子どもを読書好きに育てていきましょう。

子どもと会話する

3000万語の格差ー赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ ダナ・サスキンド著 2018 データより

とある調査で42の家庭を家庭の職業、両親の学歴、世帯年収などによって四つのグループに分類しました。もっとも、社会的階層の高いレベルは、専門職についている家庭と定義され、最も低いのを生活保護世帯と定義されていました。

専門職に就いている家庭では、一時間に平均に戦後の発話が行われて、三歳の終わりまでに子供が聞いた言葉の数は4500万後に登りました。結果として、三歳時点の子どもの獲得語彙数は1116語まで上がっています。

一方生活保護世帯では時間で600語と1/3しか話しておらず、三歳まで聞く言葉の総数も1300万語。当然、獲得する語彙の数も少なく525語になりました。

親の発話数が子どもの語彙力に影響を与えているという研究結果です。子どもの語彙力が少なければ、普段の会話でもわからないことだらけ。小学校の授業でもわからないことだらけでしょう。いちいち、言葉がわからないせいで説明を理解できなくなります。

コミュニケーション系のゲームで遊ぶ

カタカナーシ、ボブジテンなどコミュニケーション系のゲームで遊ぶことです。もちろん、しりとり、マジカルばなななどでも大丈夫。車の中や、暇なときにやりやすいですよね。

良質の漢字の勉強・語彙の勉強をする

座学でやるなら、意味を考えながらやる漢字の勉強や、語彙を増やすドリルもおすすめ。※語彙を増やすドリルは小学生のクラスでやっています。

漢字の勉強はコツコツと。

学校の漢字ワークを仕上げる

学校の漢字ワークはまずまずの量がありますので、これをしっかり仕上げましょう。ほとんどのお子さんは、やって終わりになっているだけで、できるようになっていないです。学校でテストをする仕組みがないようであれば、ご家庭でテストをしてあげるといいですね。

積極的に漢字検定を受ける

漢字検定を積極的に受けましょう。中一で漢検4級、中2~3で漢検3級を取りたいところ。漢検三級ならばほぼ高校入試レベルなので高校入試の国語にも直接的にプラスになります。また安房高校では、漢検三級は内申書で加点要素と明言されています。他の高校でも、漢検3級を内申書にのせることができます。

当塾の漢字・語彙対策

小学生向け 語彙力強化ドリル

小学生の国語講座では語彙力を鍛えるドリルを毎回10~15分行います。

小4~6対象の語彙力のドリルの例。小学4年生にしては、まずまずの難易度。

例えば、横行という言葉はなかなか小学生との会話で、親御さんは使わないかと思います。プリントを使って、活字を読むことで知識として得ていくのはいいかと思います。

中学生向け 漢字の読み

中1向けの漢字の読みの例

気をつけているポイントは、漢字の意味を理解すること、補足解説をしっかりと付けることです。こちらは当塾独自のオリジナルのプリントですが、

こんな感じで、言葉のイメージ・由来をしっかりと捉えられるように作っています。

中学生向け:漢字の書き

当塾オリジナリルの漢字書きプリントの例

とにかく乱暴に書きまくって覚えるのではなく、イメージを持ったり、意味を理解しながら勉強したい

一番右の解説がわかりやすく、覚えやすいプリントを作っています。

中1向け、中2向け、中3向けなどの学年ごとの頻出漢字に加えて、漢検4級対策、3級対策と漢検に合わせたプリントもあります。

中学生向け:四字熟語

四字熟語のプリントの例

四字熟語は、千葉県高校入試で必ず1題でることと、漢検に出題される問題で逃れることができません。市販の参考書だと、意味が書いていないケースがあり、意味を付け足して解説します。

かなり手間をかけて作っています。その結果、生徒たちは、勉強って丸暗記じゃなくて、意味を考えたり、由来を調べたりするんだ勉強のスタンスが構築されていきます。(当塾の教材は、意味・由来・覚え方は解説に加えています)

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