漢検の勉強の仕方:過去問で合格ラインから逆算し、漢字は意味でつかむ

教室の机で、びっしり書きこんだ練習ノートを前に鉛筆を止め、はっと気づいた顔をする紺ブレザーの女子中学生。「何十回も 書く?」「漢検の勉強」の文字。

ランゲージ・ラボラトリーの小池です。

まなぶ君のランキングで漢検のバッジを取った皆さん、おめでとうございます。これから取りにいく人も、この先を読んでください。

漢検(日本漢字能力検定)の勉強は、すごくシンプルです。

過去問を1回解く。合格ラインまで足りない分野を埋める。また過去問を解く。

この往復です。もう一つ、漢字そのものの覚え方にもコツがあります。漢字は、意味でつかむと楽になる。その2つを話します。

このページについて
  • 読んでほしい人:漢検を受ける小学生・中学生、漢検のバッジを取った人、保護者の方
  • 分かること:級の選び方と合格ライン、合格までの3つの手順、まなぶ君の漢検トップの使い方、漢字を意味でつかむコツ、分野ごとの点の取り方
目次

漢字を勉強すると、考える言葉が増える

リビングのソファで分厚い本を読み、言葉の意味が分かって目を輝かせてにっこりする私服の中学生の女の子。「32文字が 3文字に?」の文字。

漢検は、漢字テストのための勉強ではありません。言葉を増やす勉強です。

「自分で考えて、人に言われなくても自分から動くこと」。これを3文字で言うと「主体性」です。32文字で考えていたことが、3文字で済む。言葉を知っている人ほど、速く、深く考えられます。

国語の読解も、理科や社会の教科書も、全部言葉でできています。漢字が分かると、全部の教科が読みやすくなる。だから小池は、漢検を「国語の検定」ではなく「全部の教科の土台」だと思っています。

級は、中1で4級、中2で3級

学校の図書室で、薄いものから厚いものまで階段のように並んだ問題集を前に、困り顔で首をかしげる翔凜中の制服の男子中学生。「どの級から 受ける?」の文字。

漢検は200点満点です。7級から準2級までは、70%程度(140点ぐらい)が合格ラインです。

級程度対象の漢字合格ライン
準2級高校在学1951字70%程度
3級中学校卒業1623字70%程度
4級中学校在学1339字70%程度
5級小学6年修了1026字70%程度
6級小学5年修了835字70%程度
7級小学4年修了642字70%程度

塾の目安は、中1で4級、中2で3級です。3級は「中学校卒業程度」。高校入試の国語に出る漢字は、ほぼ3級の範囲に入ります。中3で受験勉強が始まる前に取っておくと、入試の漢字の勉強がそのまま終わっている状態になります。

小学生は、自分の学年の級からで大丈夫です。小5なら6級、小6なら5級。

迷ったら、過去問を1回解いてから決めます。いきなり合格ラインを超えるなら、一つ上の級を受けたほうがいい。少し頑張らないと届かないぐらいが、いちばん伸びます。英検・数検とあわせた取る時期の目安は、こちらにまとめています。

合格までの3つの手順

自分の部屋の机で、採点して赤いチェックが並んだ過去問の紙を握りしめ、悔しくて歯を食いしばる館山中の制服の男子中学生。「合格まで あと何点?」の文字。

STEP1:過去問を1回解く

最初に、本番と同じ時間(60分)を計って過去問を解きます。過去問は漢検の公式サイトの問題例のページで、いちばん新しい回の問題と標準解答がPDFで無料で手に入ります。

解くと、3つのことが分かります。

  • どんな問題が出るのか
  • 今の自分が何点なのか
  • 合格まで、あと何点必要なのか

塾でも、授業で漢検の過去問プリントを解いています。140点を超えたら、まなぶ君に「○級合格相当」と記録して、次の回から一つ上の級のプリントに進みます。

STEP2:大問ごとに点数を出して、伸びしろを決める

合計点だけ見て終わりにしません。大問ごとに点数を出します。

たとえば、読みが30点中28点なら、読みをいくら勉強しても2点しか伸びません。熟語の構成が20点中6点なら、14点も伸びしろがあります。点が取れていない大問ほど、勉強した分だけ点になります。

STEP3:足りない分野を練習して、また過去問

決めた分野を練習したら、もう一度過去問を解きます。目標は合格ライン+10〜20点。150〜160点が取れれば、安心して当日を迎えられます。届かなければ、STEP2に戻ります。

中1で3級に合格した人の体験談では、最初の過去問は57点、本番は158点でした。その人は「過去問を2周は解いて、合格点を取れるようにしておけば安心だった」と振り返っています。最初の点数が低くても大丈夫。足りない分野を埋めれば、点は上がります。

まなぶ君の漢検トップで、足りない分野を埋める

駅のホームのベンチで電車を待ちながら、スマホの画面に指で書く練習に夢中になる志学館中の制服の女子中学生。「×だけを くり返す」の文字。

STEP3の練習は、まなぶ君でできます。漢検トップを開いてください。メニューの「検定・模試」→「漢検」からも行けます。

  • 級をえらぶ:札で級を選びます。合格を記録していれば、次の級から始まります
  • 種類をえらぶ:読み、書き、部首、熟語の構成、四字熟語、対義語・類義語、同音・同訓異字、送りがな、誤字訂正など、漢検の大問と同じ分け方で練習できます。STEP2で決めた分野の札を選んでください
  • 次にやる回が3つ並ぶ:上から順に解けば、迷わず進めます。「まとめて解く」で、その種類を全部続けて解くこともできます
  • 書きは手で書く:画面のマスに指で書いて、答えと見比べて自分で○△×をつけます

もう一つ。ほかの教材で◎にした漢字は、漢検の練習では出てきません(半年後に一度だけ、確かめで出ます)。もう覚えた漢字に時間を使わず、まだの漢字だけに集中できます。

合格したら、まなぶ君のマイページの「資格の取得記録」に登録してください。ポイントが入って、ランキングに漢検のバッジが付きます。

紙で練習したい人は、学校の漢字ワークで十分です。マルバツをつけて、全部○になるまでやり込む。それと過去問。市販の漢検のテキストを使いたい人は、小池に声をかけてください。

漢字は、意味でつかむと楽になる

塾の自習ブースで、2つのパズルの部品を手に持ち、ぴたりと合わさるのに気づいて驚いて目を丸くする館山中の制服の女子中学生。「ばらすと 意味が見える」の文字。

漢字の勉強というと、ノートに何十回も書く人がいます。それはやめましょう。漢字は1字ずつに意味があります。意味がつかめると、覚える量がぐっと減ります。

知らない熟語は、分けて読む

「綿密」が読めない子がいました。「綿」は何と読む?と聞くと「めん」。「密」は?と聞くと「みつ」。くっつけると「めんみつ」。読めました。

熟語は音読み+音読みが多い。読めないときは、1字ずつに分けて、それぞれを音読みで読んでみてください。

音読みは、仲間の漢字から推測する

「精」「清」「晴」。音読みは全部「セイ」です。どれにも「青」が入っています。青の音読みはセイ(青春のセイ)。

漢字の多くは、意味を表す部分(部首)と、音を表す部分の組み合わせでできています。知らない漢字でも、知っている漢字と同じ部分があれば、同じ読み方ではないかと推測できます。「習ってないから分からない」で止めずに、推測する。推測して当たった漢字は、忘れません。

同じ読みの漢字は、意味で選ぶ

「こうかい(あとになって、くやむこと)」を漢字で書いてください。「後海」「後会」と書く子がいます。くやむことだから「後悔」。「わかもの」を「若物」と書いた子もいました。人だから「若者」です。

意味が分からないときは、訓読みにしてみます。「悔」は「悔いる」、「怪」は「怪しい」。音読みでは同じ「カイ」でも、訓読みにすると意味がはっきりします。自分の知っている熟語を思い出すのも手です。「怪」なら怪談、怪物、怪力。どれも「ふつうじゃない、こわい」。後悔の「カイ」には合いません。

部首は、意味のヒント

部首を知っていると、漢字の意味が見えてきます。

部首もとの意味漢字の例
りっしんべん(忄)心悔・怪・情・快
こざとへん(阝・左)小高い山降・隠・障・陸
おおざと(阝・右)人の集まって住む所都・郷・郊・邸

「悔いる」も「怪しい」も心の動き。だから、りっしんべん。「降りる」は高い所から降りる。「隠す」は人の目につかない高い所に隠す。「障害」は高い壁がじゃまをする。部首の意味と結びつけると、形を覚えやすくなります。同じ形の「阝」でも、左にあるか右にあるかで意味が変わるのも、おもしろいところです。

分解して、自分で覚え方を作る

「麓(ふもと)」をよく見ると、「林」と「鹿」。山のふもとには林があって、鹿がいた。「餌(えさ)」は「食」と「耳」。パンの耳をえさにあげている。正確な成り立ちでなくてもかまいません。自分で考えた覚え方は、忘れにくい。

書いて覚えるのは、1つの漢字につき3回ぐらいで十分です。そのかわり、1回書くときに、どんな部分でできているかをよく見ます。

書の名人の空海も、門の額に字を書くとき、点を1つ書き忘れたという話が残っています。漢検でも、点やはらいのちがいで×になる字がたくさんあります。

分野ごとの点の取り方

分野点の取り方
読み答えを隠して、頭の中で読んで○×をつけるだけ。書かないので速い。×だけを2周目に回す
書き取り配点が大きい分野。とめ・はね・点まではっきり書く。くずした字や雑な字は採点されない
熟語の構成2字を訓読みにして、関係を考える(岩石=似た意味、高低=反対の意味、洋画=上が下を説明、着席=席に着く、非常=上が下を打ち消す)
部首部首名とセットで覚える。上の表のように、部首の意味から考える
四字熟語4字を覚えるだけでなく、意味まで言えるようにする。高校入試の国語にも出る
対義語・類義語片方だけでなく、ペアで覚える
同音・同訓異字意味で選ぶ。迷ったら訓読み、知っている熟語で確かめる

どの分野も、×だった問題だけをくり返すのがいちばん速い。○の問題を何度も解いても、点は伸びません。

試験の日から逆算する

漢検は、申し込むと試験の日が決まります。次の公開会場の検定は2027年2月14日(日)、申し込みは2026年12月4日から2027年1月10日までです(先着順)。学校で受ける機会がある人は、学校の日程を確認してください。

試験の日が決まったら、逆算します。1か月前に過去問を1回解く。足りない分野を3週間で埋める。最後の1週間で、もう一度過去問。合格ライン+10〜20点が取れていれば、あとは当日を迎えるだけです。

いつまでに、何を、どこまでやるか。数検の勉強の仕方でも話しましたが、これは大人の仕事と同じ段取りです。漢検は、その練習にちょうどいい大きさです。

まとめ

  • 漢検の勉強は、過去問 → 足りない分野を埋める → また過去問
  • 級の目安は、中1で4級、中2で3級。過去問で合格ラインを余裕で超えるなら一つ上へ
  • 大問ごとに点数を出し、点が取れていない分野から練習する
  • 練習はまなぶ君の漢検トップで。分野の札を選んで、×だけをくり返す
  • 漢字は意味でつかむ。分けて読む、仲間の漢字から推測する、部首と訓読みで意味を見る
  • 目標は合格ライン+10〜20点

ランゲージ・ラボラトリー 小池

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この記事を書いた人

小池哲平のアバター 小池哲平 ランゲージ・ラボラトリー塾長

ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
塾長のプロフィール ランゲージ・ラボラトリーについて

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