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絵かき算の狙いと親がどうサポートするか

塾を2008年にスタートして、たくさんの親子を見てきました。のちに学年1位になる子が、小学生のときにどんな感じだったか。親御さんはお子さんにどう接してきたかもたくさん見てきました。小学生のときにはいいけど、中学生になってちょっとアレっ?っとなって、高校生では完全に厳しくなるパターンも。

そこには共通点がありました。どうせなら長期的視点で大きくお子さんを伸ばしたいですよね?大きくお子さんを伸ばすための注意点をお伝えしたいと思います。 

本記事の著者

塾長小池の写真(マスクをしている)

高校で学年ブービーから、早稲田、慶応、上智大に合格リクルートで法人営業を約4年間→館山市で学習塾ランゲージ・ラボラトリーを運営し12年。地域の人気塾になりました。

小学生は思考力を鍛え、中学生は地域トップの公立高校に進学する支援をするのが得意です。<詳細>

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目次

算数という科目の醍醐味

試行錯誤することが算数の醍醐味

あれこれと試行錯誤することが醍醐味です。

後に学年1位になるようなお子さんは、試行錯誤することを楽しむ傾向にあります。初回の塾の体験や面談にこられたときに親子で問題を解いてもらうのですが、成績上位者には楽しそうに解く子(解けようが解けまいが)が多いです。そして、親御さんはだまって見守る。親が親で自分の問題に取り組む傾向にあります。

反対に、なかなか伸びない(あるいは今はいいが後に伸びなくなる)ケースでは親御さんがべったりと教えていたり、わからないというとすぐに教える。下手をすると何もいわなくともすぐに教えようとするケースが多いです。お子さんが自分でやる時間がない感じがします。

公式ややり方はいらない

最初から公式ややり方が太枠で囲まれていて、その通りにやる。式を絶対に書かなければならない。そんな問題集をやっていると、公式ややり方に当てはめるのが算数であると誤解をしてしまいます。

それじゃあ楽しくないですよね。絵や図を書いて自分で考えることができるようになるのが算数。式など気にせずひたすら書いていけばいいのです。書いているうちに仕組み・法則に気がつき、自分で解法を編み出していきます。問題が解けるかどうかは気にしないでください。うんうんとうなりながら試行錯誤しているうちに頭がよくなっているのです。

やばい兆候

  • 足すの?引くの?と聞いてくる
  • やり方は?と聞いてくる
  • 書きながら考えない。
  • 考えているときに楽しくなさそう。
  • 式にすることにこだわる。
  • 足し算言葉、引き算言葉
  • みはじ、など公式化するのが大好き。時速の意味は?ときいても答えられない
  • 正解しているか、間違っているかにこだわりすぎる
  • スピードにこだわりすぎる
  • 自分の答えに自信をもてない
    • 意味を考えていないし、過程(絵図)がないから確かめられないため、自分の答えがどう導かれたか、自分でもわかっていないので自信が持てません。

絵かき算のコツ

  1. 全く知らない語句だけは教えます。他は完全にノーヒント:「こうしたら見やすいよ」も×。
  2. 量ではなく質のみが重要:「ゆっくり、ジックリ、丁寧に」自力だけで楽しく取り組めるように、日常生活を丁寧に味わいながら過ごすことが学力養成の大前提となります。(高速・大量・暗記・反復学習との併用はできるだけしない。)
  3. すぐには分からなくても、声に出して「分からな~い」とは言わない。まず、描いてみる。(思考の忍耐力を育てることが大事:「分からない」は思考を停止させる命令の言葉となる。)
  4. 読むのは1回。一行ずつ、「読んで描く、読んで描く」ことが大事。
  5. 分かっても絵図を描く。*絵図を楽しく描く事が、最も効果的な思考回路養成になります。
  6. 描いたら文章は見ない絵図だけで考える*絵図を参考にして頭で考えるのではなく、絵図そのもので考える。
塾長 小池哲平

ここで書かれているコツは本当に「うんうんうん」とふかーくうなづけるものです。算数、数学の力がある人は、この力がもれなくあります!

事例

良くない例

絵・図を書かずに適当に計算しているだけ…。だから÷5と間違える…。

丸付けのために前に答えを持ってくるとき「たぶん間違っていると思いますけど…」といいながら持ってくる。当たるも八卦、当たらぬも八卦。確かめ算は皆無。意味が分からずに数字遊びをしているだけ。

良い例

絵図を書いて考えている。

倍の意味をちゃんと理解している。計算に頼らず、図をうまく使って考えている。(3kg→3000gとか、計算して白が500g、赤は5マスだから2500gなど)

確認をちゃんとしている(白500gで赤は5倍で2500g、合計で3000gになっている→問題の条件を満たしている!)

だから「絶対あってます」と言って持ってくる。

【あるある】よくない回答を持ってきた子に聞く

塾長 小池哲平

白は何グラム?

(えっ?そんなこと考えてないけど…)
600g。

塾長 小池哲平

赤が2400g、白600gってことは赤は白の何倍なの?

(えっ?…)
4倍
(だから何?)

塾長 小池哲平

じゃあ、問題の条件満たしてないじゃん。
だって5倍って書いてあるよ。

あー・・・

こんな感じによくなります。答えをだしても、意味がわかっていないですし、条件を満たしているかをまったく確認をしていないんですね。

で次には、5倍の条件を満たしているけど、合計して3000gになっていない答えをもってくるんです。

どうにもならないときにかける声は、

まずは1行ずつ絵図を書いて。絵図をかき終わったら、絵図を見ながら考えて。

まずはそこからです。(だって絵図書いてないでしょ?)

あっているかどうかは重要ではないんです。考えているときに何通りもの思考パターンを経験して、考えいる最中に頭がよくなっているんです。

しかし解き方をおしえ、答えを教えると1パターンだけ習得します。自分で何通りもの思考をしているわけではないので、薄っぺらく応用が効かない表面的な思考になります。

思考の臨界期は12歳まで(思考力は12歳までで発達が終了)。12歳までは思考力を鍛え、パターン学習の解禁は13歳以降!

自分で考えるだけでいいの?

小学6年生の最初は自分で考えるのが苦手。でも考えられるようになり、学年1位を

小学生のころ、チャカチャカ進めることができて、学力テストも全科目90点以上。非常に頭がいいAくんがいました。塾でもよくできるんですけど、ちょっと気になるのは応用問題に弱いこと。とけないとイライラし始めて、貧乏ゆすりがはげしくなります。

やり方を教えてください。間違えるとなんでですか?とすぐに先生に頼ってくる様子が気になっていました。(自分で試行錯誤する力が弱い)だから、早く、問題をとくことがゴールになっていて思考に深みがない。このまま行くと伸びや止むだろうなと思っていました。

自分で考えるのが大事なんだよ。絵図を用いて考えるんだよ。という粘り強く話し、前に持ってきても「正解」「違う」とだけしかいいませんでした。

するとだんだんと彼は自分で考えはじめ、粘り強く考えることができるようになってきました。なにより問題をといている様子が楽しそう。どんな難問も自分ひとりで解けるようになりました。中学では学年1位ですが、問題がますます難しくなってくる(中3~高校生)とますます輝いてくると思います。

中3までは実力テストで100点を取っていたが、暗記数学で高校ではボロボロに。

中1~高3まで通ってくれたBさん。中学のときは非常によくでき、成績は常に1桁。数学では実力テストで2回連続100点。だれが見ても勉強ができる子でした。

しかし、一緒に勉強をしていると不安でした。「やり方を教えてください」「ならってなーい」「もうムリ」と諦めるのが早い。自分で考えようとしない。公式を丸暗記して当てはめる。パターンで数学をといている感じがして、大丈夫なのかな?と。この先難しくなったときに対応できるのかな?そもそも勉強が楽しいのかな?と思いました。

不安は高校生になって的中します。まだ簡単な中学の問題はなんとかなったのですが、難しくなる高校数学にまったく歯がたたなくなったのです。彼女は勉強時間を伸ばして、暗記数学で対処をしようとしていましたが、それにも限界があります。(ちなみに高校数学は当時小池は指導していませんでした。)

例えば三角関数は図を書いて三平方と同じだと考えれば簡単だと思いますが、それに気がついていなくて意味もわからずに公式に当てはめる作戦。パターンがどんどん増えてくるので限界があります…。

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