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こんなことはありませんか?
1つでも当てはまるなら、原因は「演習不足」ではありません。「概念の理解不足」の可能性が高いです。
成績が伸びない生徒、特に浪人生は、よくこう言います。「演習が足りないんだと思います」。でも、演習の量だけで点数が上がるなら、1年間ずっと演習を積み続けた浪人生は全員合格しているはずです。実際はそうなっていません。
この記事は東進館山校の高校生に向けて書いたものですが、中学生にもそのまま当てはまります。定期テストの前に問題集を3周したのに点が取れなかった中学生にも、読んでほしい話です。


勉強は、木の成長とそっくりです。
| 木でいうと | 勉強でいうと | |
|---|---|---|
| 概念 | 幹 | 考え方・原理・公式の意味・定理の前提条件 |
| 演習 | 葉っぱ | 問題集を解く、過去問を解く、一問一答をくり返す |
幹が細い木は、葉っぱをいくら増やしてもすぐに落ちます。勉強も同じで、概念の理解が弱いと、どれだけ量をこなしても点数は安定しません。
「解ける日と解けない日がある」「解説を読めば分かるのに、次にやると忘れている」。こうした伸び悩みの正体は、ほとんどが幹の細さです。


量は必要です。ただし、ある条件を満たしていないと量が効きません。
問題が解けなかったときに出る言葉の1位は「演習不足でした」。たしかに演習は大事な工程です。でも、やっても伸びないことがある。その原因が、概念の理解不足です。
つまり、公式や単語の意味、定理の前提条件を分からないまま演習している。問題集を何周もしているのに、模試の初めて見る問題が解けない。これは知識の不足ではなく、概念が抜けていることが多いです。解き方の形だけを丸暗記して演習を重ねても、使うべき条件や前提が分かっていなければ、本番で同じように解くことはできません。問題が変わるたびに、壁に当たり続けます。
サッカーにたとえると、上の絵の右の選手。とにかく数を打っても、なぜその蹴り方で入るのかが分かっていないので、場面が変わると入らない。左の選手は、敵の位置や軸足の置き方という原理を分かったうえで数を打っているので、試合でも同じように蹴れます。
ただ、概念を分かっただけでもダメです。その場面が来たときに、しっかり手が動くようにする。これが演習という作業です。概念と演習は、どちらかではなく順番の話です。


演習は、具体的なアウトプットにすぎません。でも入試の本番では、初めて見る問題を解く必要があります。だから、次の往復ができるかどうかで差がつきます。
具体(演習)→ 抽象(概念の理解)→ また具体(応用)
「とりあえず問題数!」の勉強だと、具体→具体→具体のループに入ります。努力の量に対して点数が伸びない、という状態はここから生まれます。
| 覚え方 | 初めての問題が出たら | |
|---|---|---|
| 具体→具体 | 「道のり÷時間」の公式と、問題の型を丸暗記 | 型がずれると、どれで割るのか分からなくなる |
| 具体→抽象→具体 | 速さは「1時間あたりに進む道のり」と1行で言える | 分速・時速の変換も、グラフの傾きも、同じ考えで解ける |
問題を解いたら、「結局これは何の話だったのか」を1行で言ってみる。これが抽象に上がる作業です。1行で言えたら、次の問題でその1行を使ってみる。数学の伸ばし方の記事にある「中心の概念を1行で言う」も、同じことを言っています。






たとえば、歴史がいくらやっても伸びない場合。
歴史でいう概念は、「時代(社会の構造)」と「流れ(因果関係)」の2つに集約されます。用語をいくら覚えても点数が伸びない人は、この枠組みを持たずに、単語をバラバラの「点」として暗記しています。
| 概念 | 中身 | 問いの形にすると |
|---|---|---|
| 時代 | その社会を動かす根本のルール | 誰が実権を握り、何で財政を支えていたのか |
| 流れ | 出来事の原因と結果のつながり | なぜそれが起き、その結果、社会はどう変わったのか |
骨組み(時代)が頭に無いと、政治のしくみや土地制度の用語をいくら詰め込んでも、すぐに抜け落ちます。原因と結果のストーリー(流れ)を追えていないと、共通テストや論述のような初めて見る問題には太刀打ちできません。
演習や一問一答をやりながら、同時にその時代やまわりの出来事でいいので、因果関係を整理してみてください。そのくり返しが、自然に定着につながります。






幹が太くなると、次のような変化が一気に起こります。
校舎で見ていても、「問題数は少ないのに急に伸びる生徒」と「演習量は多いのに伸び悩む生徒」がいます。この差は、ほぼ概念の太さで説明できます。


最後の「演習の量が、そのまま成績に出る」が大事です。幹ができてから積む演習は、1問1問がちゃんと身になります。量をやる意味が出てくるのは、そこからです。


伸ばす順番は、中学生も高校生も変わりません。先に授業で幹を作り、そのあと演習で葉を増やします。
| 幹(概念) | 葉(演習) | |
|---|---|---|
| 中学生(ランゲージ) | 塾の授業・まなぶ君の解説 | 学校の問題集・プリント・まなぶ君の一問一答 |
| 高校生(東進) | 映像授業(講座) | 過去問演習講座・AI演習 |
東進の映像授業は、この幹を太くする時間です。ただ問題をガツガツ解く授業ではなく、考え方・原理を理解する授業と、実戦的なアウトプットの演習がはっきり分かれています。高3生は6月までに授業を終わらせて概念を固め、そのあとの演習で理解を深めます。AI演習では、理解が足りないと判断されると、その単元の授業の切り抜き(15分ほどの映像)が流れてきます。演習の中でも、幹に戻れるしくみになっています。
| 状態 | やること |
|---|---|
| 確認テスト・小テストで止まる | 演習を増やす(葉が足りない) |
| 演習をしても、模試や初めての問題で伸びない | 概念に戻る(幹が細い) |
「量が足りない」と感じたときこそ、まず概念を振り返る。どちらに戻るかを見分けられるようになると、勉強の効率は何倍にも上がります。授業の受け方そのものは、こちらの記事にまとめています。


塾生サイトには、この話の続きを塾生だけが読める記事で載せています。塾生サイトで読む
※塾生の方は、まなぶ君と同じID・パスワードで読めます


幹を太くする練習は、まなぶ君でそのままできます。一問一答は、答えを見て終わりにせず、解説の「なぜそうなるか」まで読む。これが具体から抽象に上がる作業です。歴史は「流れをつかむ一問一答」で、点で覚えた用語を線につなぎ直す。数学は板書の解説で、図と1行の考え方を確かめる。まなぶ君を使っていれば、自然に「演習→概念→演習」の往復になるように作ってあります。
使い分けは、紙は学校や塾で開ける問題集・プリント、まなぶ君は家とすき間時間。紙で解いて✕だったところを、まなぶ君の解説で幹まで戻って確かめる。この組み合わせが、いちばん速く伸びます。


ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
塾長のプロフィール ランゲージ・ラボラトリーについて