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ランゲージ・ラボラトリーの小池です。
「歴史なんて覚えても、大人になって何の役に立つの?」
そう思っている中学生は多いはずです。
小池の答えははっきりしています。歴史は、人生と仕事の参考書です。何千人分の成功と失敗が、先に全部書いてある。こんなにお得な教科はありません。
ただ、教科書で読むと年号と人名の暗記になってしまう。歴史のおもしろさを味わうなら、入口は漫画がいちばんです。この記事では、歴史が人生と仕事にどう効くのかを話したあと、小池が生徒にすすめている歴史漫画を、教科書の時代順に12作品紹介します。


歴史は繰り返す、とよく言います。昔の人たちの成功と過ち。それは今の自分が何かを決めるときに、そのまま使える参考書です。
人生は1回しかありません。自分で全部失敗してから学ぶ時間はない。でも歴史を知っていれば、「この道を選んだ人はこうなった」を先に見られる。歴史が役に立つのは、まさにここです。
漫画から教わったことを、5つに分けて書きます。
仕事は決めることの連続です。新しいことを始めるか、やめるか。誰と組むか。
歴史には、同じ場面で決めた人が山ほどいます。勢いで攻めて滅びた国、我慢して待って天下を取った人。前例を知っている人は、決めるときに迷いが減ります。
秦をたおして漢をつくった劉邦は、超テキトーな男です。ライバルの項羽は、戦えば負けなしの超優秀な武将。それでも最後に勝ったのは劉邦でした。人望が抜群で、優秀な仲間がどんどん集まったからです。
会社もチームも同じ。1人でできることには限りがある。人が集まる人が、大きな仕事をします。
三国志の諸葛亮孔明。いくら強い武将でも、1人で10万の兵はたおせません。でも優秀な軍師がいれば、5千の兵で10万の兵をたおしてしまう。
小池は小学生のころに三国志を読んで、「足が速いのが正義」という価値観がぶっ壊されました。頭がいいことって、かっこいい。力で負けていても、工夫すれば勝てる。仕事でも勉強でも同じです。
『チ。―地球の運動について―』では、天動説が当たり前だった時代に、地動説を唱えた人が命をねらわれます。大勢が言っていることが必ずしも正しいわけではない。ただし、正しいことをやみくもに言えば自分の身が危なくなる。自分だったらどう振る舞うか。
これ、現代でも似たことが起きていないか。みんなが言っているから正しいと、考えずに信じ込んでいないか。大人になってから本当に効いてくる力です。
新しいものを作るには、昔にあったものを知っていないといけません。
『パリピ孔明』は、三国志の天才軍師が現代によみがえって、売れないアーティストをプロデュースする話です。古典の型 × 新しい見せ方。ヒット作の多くはこの形をしています。歴史を知っている人ほど、アイデアの引き出しが多い。センスは生まれつきではなく、教養で作られます。


中学の歴史は、大好きな子と、わけがわからず丸暗記でテストをしのいでいる子に、パックリ2極化しています。分かれ目は、「人」が見えているかどうかです。
教科書に出てくるのは、年号と名前と出来事。いわば「点」です。漫画を読むと、その点に顔と声と気持ちがつきます。劉邦がどんな男で、なぜ仲間が集まったのか。点が「物語」になった瞬間、歴史はおもしろいものに変わります。
いわゆる学習漫画は、正確に・もれなく書こうとするぶん、人物が魅力的に描かれていないことが多い。流れを大きくつかむには便利ですが、興味を持たせる入口には向きません。
入口にするのは、キャラクターに魅力があって、ストーリーにドキドキする漫画。まず「歴史っておもしろい」と感じることが先です。
中1の歴史は、古代文明・秦の始皇帝・三国時代あたりから始まります。この時期に1冊でも読んでおくと、授業で「あ、あの漫画の人だ」となる。イメージが湧くので、社会の勉強を楽しめるようになります。


教科書に出てくる順に並べました。おすすめ学年は、描写の重さと読みやすさから小池が決めた目安です。
| 作品 | 時代と教科書で出てくるところ | 学年 |
|---|---|---|
| ヒストリエ | 古代ギリシャ ギリシャ・アレクサンドロス大王 | 小6〜 |
| キングダム | 中国・春秋戦国 秦の始皇帝の中国統一 | 小5〜 |
| 赤龍王 | 中国・秦〜漢 秦の滅亡・漢の成立 | 中1〜 |
| 項羽と劉邦 | 中国・秦〜漢 秦の滅亡・漢の成立 | 小5〜 |
| 三国志(横山光輝) | 中国・三国時代 魏・呉・蜀(卑弥呼と同じ時代) | 小4〜 |
| パリピ孔明 | 現代(三国志の番外) 三国志を読んだあとに | 中1〜 |
| 逃げ上手の若君 | 日本・鎌倉末〜南北朝 鎌倉幕府の滅亡・足利尊氏・南北朝 | 小5〜 |
| チ。―地球の運動について― | 15世紀ヨーロッパ 地動説・ルネサンス | 中2〜 |
| 雪花の虎 | 日本・戦国 戦国大名(上杉謙信) | 小5〜 |
| 信長協奏曲 | 日本・戦国 織田信長の天下統一 | 小4〜 |
| 風雲児たち | 日本・江戸 関ヶ原・蘭学(解体新書)・幕末 | 中1〜 |
| お〜い!竜馬 | 日本・幕末 薩長同盟・大政奉還 | 小6〜 |
アレクサンドロス大王に仕えた書記エウメネスの話です。小池は古代ギリシャのイメージがまったく湧きませんでしたが、この漫画を読んで湧くようになりました。
長槍の長さにびっくりする戦闘シーン。学校で勉強している様子は、今と何も変わらない。そして奴隷制度のつらさ。足にかせをはめられて働き、給料をためて自分で自分を買い、自由になるシーンは考えさせられました。
作者は『寄生獣』の岩明均先生。人間の本質を描くのがうまい。若干グロいシーンがあるので、小6以上をおすすめします。
小学生・中学生でも読める歴史漫画の代表格。主人公・信(しん)の成長物語で、バトルあり、戦略ありと、まっさきにすすめたい1作です。秦の始皇帝(政)が中国を統一していく過程を描きます。
少年漫画の読みやすさがありながら、戦いを俯瞰で見たり、一兵卒の目線で見たり、将軍の目線で見たりと、視点の移動がおもしろい。王騎・桓騎・王翦など、キャラクターの魅力がものすごい。
巻数が多くお金がかかりますが、合従軍(33巻前後)までが抜群におもしろいので、まずはそこまで読んでみてください。
秦をたおして漢をつくった劉邦の話。ライバルの超優秀な項羽との対比がおもしろい。劉邦は超テキトー。でも人望は抜群で、スケールが大きい。だから優秀な仲間が集まり、項羽をたおします。
始皇帝が中国を統一した直後から始まるので、統一後に始皇帝が何をして、秦がどう乱れていったかもわかります。全7巻でテンポよく読めて、本宮ひろ志先生の絵は迫力があってかっこいい。
三国志を描いた横山光輝先生による、劉邦の物語。ズボラで大ざっぱな劉邦は赤龍王と同じですが、本宮先生とは捉え方・描き方が違います。
どこに重きを置いて、何を描きたいのかが明確に違うので、2作を読み比べるとおもしろい。同じ出来事でも、書く人によって見え方が変わる。これも歴史のおもしろさです。
三国志のど定番。名作中の名作です。なんと言っても諸葛亮孔明、軍師の存在に衝撃を受けます。武力自慢の猛将たちが大暴れするバトル漫画のようなスタートですが、軍師の登場で一変します。
頭がいいことって、かっこいい。小学生のうちに読んでほしい1作です。
諸葛亮孔明が現代の渋谷によみがえり、才能はあるのに芽が出ないアーティスト・英子を、軍師としてプロデュースする話です。三国志の計略を現代の音楽の世界で使うので、元ネタの三国志がわかるとなお楽しめます。
パリピ孔明から三国志にさかのぼる読み方もアリ。「昔の知恵が今でも使える」を一番わかりやすく見せてくれる作品です。
鎌倉幕府が滅んだあと、北条氏の生き残り・北条時行が主人公の話です。作者は『暗殺教室』の松井優征先生。週刊少年ジャンプの連載で、アニメにもなりました。
時行の武器は、戦うことではなく逃げること。逃げて、生き延びて、仲間を集めて、足利尊氏に立ち向かいます。逃げるのも立派な戦い方。正面からぶつかるだけが正解ではない、という見方は、勉強にも仕事にも効きます。
教科書では数行で終わる鎌倉末〜南北朝の時代が、ここまでおもしろくなるのかと驚く1作です。
天動説が信じられていた時代に、地動説を研究した人たちの話です。地動説を唱えた人が、民衆の心をまどわす異端として処刑されるシーンには、なんとも言えない気持ちになります。
自分だったらどう振る舞うのか。みんなが言っているから正しいと、考えずに信じ込んでいないか。読み終わったあと、しばらく考えてしまう漫画です。重いシーンがあるので、中2以上をおすすめします。
少女漫画を描いてきた東村アキコ先生の歴史もの。「上杉謙信は女性だったのでは」という説にのっとって描かれています。女子も読みやすい戦国ものです。
現代の高校生が戦国時代にタイムスリップして、織田信長として生きていく話。絵がやさしく、小学生や女子でも安心して読めます。ドラマ・映画にもなりました。
みなもと太郎先生の大河ギャグ漫画。幕末を描くために、なんと関ヶ原の戦いから話が始まります。幕末に長州や薩摩が幕府をたおしたのはなぜか。その原因は、260年前の関ヶ原にあった。今の出来事には、ずっと前の原因がある。歴史の本当のおもしろさは、このつながりです。
前野良沢・杉田玄白の『解体新書』、ロシアに流された大黒屋光太夫など、教科書では名前だけの人たちが主役になります。絵はギャグ調で読みやすく、中身はとても濃い。江戸時代を習う前後に読むと、点がすべて線になります。
幕末の坂本龍馬の一生。とにかく竜馬がかっこいい。小池の人生の指針になった漫画で、竜馬みたいになりたいと憧れました。塾に置いてあって、中学生の女子も夢中になって読んでいます。
歴史に興味を持つきっかけになる1作。漫画で歴史を学ぼうと思ったら、まずはこの漫画から読んでほしい。必読です。
漫画だけで点数は取れません。ただ、人物のイメージがあると教科書の内容が頭に入る速さがまったく違います。漫画で興味を持つ → 教科書とワークで覚える、の順番がいちばん伸びます。
興味を持たせる入口は、ふつうのおもしろい歴史漫画です。学習漫画は教科書の内容に合っているので、流れを整理する段階で使うと点数につながります。
三国志や信長協奏曲は小学校中学年から読めます。ヒストリエ・チ。は描写が重い場面があるので、小6〜中2以上がおすすめです。記事中の表の「学年」を目安にしてください。
「覚えなさい」より先に、1冊おもしろい漫画を渡してください。歴史は人の物語です。好きな人物が1人できると、その人の前後の時代まで知りたくなります。
歴史を好きになるのに、才能はいりません。おもしろい1冊に出会えるかどうかです。まずは気になった1作から読んでみてください。
塾生は、学習サイト「まなぶ君」で歴史の一問一答が解けます。「これだけは覚える年号」のゴロ合わせつき。漫画で興味を持ったら、そのまま点数につなげられます。塾生の方は、まなぶ君と同じID・パスワードで使えます。
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