テストが終わった後にすること【振り返り・バツ直し】
テストをきっかけにぐんぐん伸びていく子と、点数だけ見て終わっている子。せっかくテストを受けたのだから、いいきっかけにしたいですね。
テストの点数の受け止め方【親】
テストの点が悪くても怒らない
テストの点数が悪くて怒ると、次から見せてくれなくなります。ごまかします。カンニングするようになるかもしれません。
「50m走でなんで10秒もかかるの!」と言われても足が遅かったらムリですね。能力の問題(かもしれない)。怒らないほうがいいです。なんの得もありません。
テストの点数は平均点と比較してつかむ
健康診断で数値だけが並んでいても、それがいいのか悪いのかわかりません。基準値があれば良いか悪いかがわかりますね。同様に、自分の子どもの点数だけだとそれがいいのか悪いのかわからないです。同年代の子と比較することで初めて客観的に把握できます。
だから比較することは大事です。ただし、比較した結果、「あんたは◯◯に比べてダメね」と言うのはダメ。比較はいいが、けなすのはNG。
平均点との比較で立ち位置をつかむ
英語90点だった!(平均点80点)
→平均点+10点
→ちょいできてる。(偏差値55)
英語70点だった…(平均点40点)
→平均点+30点
→超できてる。(偏差値65)
このケースだと、70点の方がいいですね。平均点よりどれくらい良いか悪いかで出来具合をつかみます。
テストの点数がすべてではない
本当の頭の良さがテストの点数に現れるとは限らないです。計算が多いテストなら、計算ができれば点数はよくなります。(小学生の算数。特に低学年)思考力を問う問題が多ければ、思考力が高ければテストの点数がよくなる。
問題の出題の仕方で点数は異なる。たかがテストの点数。本当の実力が表れるとは限らないです。定量と定性、両面見ましょう。
定量:数値ではかれるもの。
定性:数値ではかれないもの。
テストの点数が定量だとすると、定性は取り組み姿勢。テスト前に3時間×10日やったか。スマホをおかずながら勉強していないか。
一回一回の結果にあまり左右されない
長期的視点をもつ。偶然できすぎることもあるし,偶然できないこともあります。ゆるやかに右肩上がっていればOK!
またすでに450点を取っている人が次回は460点、次は470点。それを目指してもいいですが、なかなか大変です。450点あれば9割取れている。理解できている。それでOKというゆるさがあってもいいと思います。定期の勉強より、勉強をすすめていくこと。中2で中3、中3で高1を目指すのがいいかと思います。
結果より大事なのはプロセス(過程)
テストの点数そのものではなく、プロセスを見たい。テストの点数はプロセスをうかがいしるための道具。プロセスが目的、テストの点数は手段。目的と手段をとりちがえないことが大事だと思います。
テストの点数がたまたま良くても、プロセスが悪ければ長続きしない。たまたまいい点がでてしまっただけ。テストの点数が悪ければ点数そのものがマズイのではなく、おそらくプロセスが悪い。そこがまずい。
- 目を見て授業をうけているか。
- 丸付け、バツ直しをちゃんとやっているか。
- 考えて勉強しているか。
- 勉強をすると得だね~という価値観が育っているか。
ウチの子どもは何ができてない?どうすればいい?そんなことを考えたいですね。
テストの振り返りをする【親子で協力して】
一度体験したことを言語化して、ふりかえりをする。そして次回はパワーアップできる。テストに限らず、どんなことに重要な力です。ところがこの振り返りがなかなか難しい。よくこんな感じになってしまいます↓
反省の難しさ
最近は、学校でもテスト後に振り返りをすることがあるそうです。テストの良かった点、悪かった点を書かせるシートを配っています。でもこんなふうに書いていません?
ただ点数の良かったものと、悪かったものをあげるだけ
良かった点: 英語
悪かった点: 数学
改善策: 数学をがんばる
これってただ点数がよかったものと悪かったものをあげているだけ。数学をがんばるって何するの?次回に改善される気がしません。数学が改善されたとしても、数学を頑張った分、他の科目がダメになるだけのような気がします。もう一歩踏み込んでみましょう。
改善策が、悪かった点をひっくりかえしてるだけ
悪かった点: 計画どおりにいかなかった
改善策: 計画どおりにやる
「えっ!?どうやってやるの?」って感じじゃないですか。こういう反省多いです。ただ悪かった点をひっくり返しているだけ。
改善策がでてこない
良かった点:英語の単語。単語練習はしっかりやったのでできた。
悪かった点:数学の応用問題。○○の利用、というジャンルはいつもできない。
改善策:○○の利用を、どうにかする。
改善策の「どうにかする」はもう一歩考えたい。具体的にどうにかする方法を。たぶん、どうにかする方法が思いつかないと思うんですけど。振り返りって難しいですよね。
一歩深掘りをする
振り返りのときに、ただ事実をあげておしまいにする人が多いです。一歩踏み込んでみるといいですよ。
具体例1
良かった点:
英語の長文ができた。
↓(一歩踏み込む)
これまで単語がわからなくて長文が読めなかったが、単語の練習をしっかりしたのが良かった。単語の練習はできないものを洗い出す→できないものだけ練習する→また自分でテストする、というのを繰り返したらうまくいった。
↓(さらに一歩踏み込む)
今まで面倒だったけど、時間短縮の工夫を入れることで単語がスムーズに勉強できた。これなら今後も続けられる。
めんどくさい単語練習を、めんどうじゃなくす方法を考えたんですね!
具体例2
悪かった点:
数学の○○の利用ができてない。
↓(一歩踏み込む)
利用は、できなくていいと思っていたが、これができないと高得点をとれない。
ああー、利用はできなくていいと思っていたんですね。なんででしょう?もう少し考えを聞いてみたいですね。そうしたら、改善策も浮かんでくるかも。
悪かった点:
計画どおりに行かなかった。
↓(一歩踏み込む)
計画どおりの時間を勉強したのだが、想定していたボリュームが終わらなかった。直前に一気に詰め込むプランもよくなかった。
なるほど。見積もりが甘かったんですね。予備日を作るとか、途中で計画を修正するとかいろいろできそう。直前に詰め込むプランは、学校の授業をおいかけるようにワークやればいいですよね。いろいろ考えられますよね。
一歩踏み込むには
なぜ(理由)、具体的には(具体化)
を考えるといいです。自分で紙に書きながら、自分にツッコム。でも中学生が自分でやるのは難しいこともあります。そこで、親御さんの出番です。
「テストどうだった?」
「どこがうまくいかなかったのー?」
「○○がうまく行かなかったんだねー。」
と聞いてあげるといいですよ。
相手の考えを引き出す聞き方として、そうだったんだ。なるほどね。◯◯だと感じているんだね。とこちらの意見を言わずにただただ聞いてあげる。自分で考えることを助けるのです。塾の迎えの帰りの車とか。晩御飯のときとか。チャンスはあると思います。
振り返りのまとめ
次回、好結果をだせるように体験から学ぶ。
そのために踏み込んだ振り返りをしましょう!
バツ直しがメチャクチャ重要
テストの後が重要:バツを直す
テスト結果で状況をつかんだら、その後のアクションが大事。赤で答えを写して終わりが多い。わからないことを放置する子が多い。
定期テストはこれまで習ったことの総集編。そんなに難しい問題はなく、学校の授業をちゃんと受けていればできる問題ばかり。重要な基礎問題が多い良問集なので、穴をふさいでおきましょう。復習主義で、できなかったものを放置しない習慣を見につけていきましょう。
☓の分析をする
結構真剣に受けているはずの定期テスト。いつもの演習のプリントとはことなり、本番と思って受けています。だから、お子さんの解答用紙の書き込みは真剣にやった結果。なぜ間違えているのかを考えてみてください。書き込み内容にヒントがあります。
分析と対処の例:計算ミスが多い
なぜ計算ミスがおこるのか?計算の書き方が荒くないでしょうか?いつもは適当だけど、テストではちゃんとやる。そのテストがこれ。ミスを単に「凡ミス(ケアレスミス)」の一言で片付けちゃって、なぜミスが起きるのか、どう防ぐのかを考えないから、いつまで立っても改善されない。
分析と対処の例2:応用問題ができていない
コレは将来、危険なパターンです。文章を理解して考えるというプロセスを飛ばして、自分の頭にストックされている解き方(解法パターン)を頭の中で探し出し、当てはめているだけだからです。応用問題ができない子は学年が上がり、応用問題の比率が高まるとどんどん点数が下がる傾向があります。先細る子は、口癖として「解き方」「やり方」「公式」を教えてとよく言います。自分の頭で考えることを楽しめず、解放パターンの暗記で対処しているのです。
分析と対処の例3:授業の受け方が悪い
✕の分析にはもっと根本的なものもある。計算がダメ、応用がダメではなく、根本には授業の受け方が悪いというケースもある。先生の話を半分ぐらいしか聞いていない。前でみんなで演習しているときにはボーっとしている。そういう子も多い。(塾の生徒では2~3割ぐらいいます)ではなぜボーっとしているのか?問題を深掘りしたい。
聞く力が弱いケースもある。学校の勉強は聞く力に左右される部分が多い。当塾の授業はスライドを駆使して眼で見てわかる授業が多いが、それでも「今から7分で○○のプリントを終わらせて」などの指示は口頭だ。それをほぼ100%聞けていなくて、同じ質問を何度もしてくる子がいる。
おそらく聞く力が育っていない。聞く力が問題だとして、それが解消すればあらゆることが良い方向に向く。
✕をみつけてラッキーという前向きなマインド
「なんでこんなのもできないの!」ではなく、「できないことがわかってよかったね!これで一つ成長したじゃん!」というスタンスが重要。✕→◯になおすことで成長する。
褒め方でもお子さんの成長が変わる
過程や努力を褒める、結果、才能を褒めない
重要なのはプロセス。努力によって結果はいくらでも変えられるという視点をもつ。結果をほめると、結果が重要であるという視点がつよくなりすぎる。生まれつきの能力で決まっているという思考→✕。結果は努力によって変えられる。やるかやらないかという思考→◯
詳しくはこちら↓
同じ話なんですけど、成長マインドセットが大事ですよ-という話。メンタリストDaiGoの話が難しく感じる方は、てぃ先生の動画のほうがすっと理解できると思います。
成長マインドセット | 固定マインドセット |
---|---|
結果は努力でいくらでも変えられる →テストの結果がよかったときに、過程を褒めることではぐくまれる。 | 結果は才能・生まれで決まっている →テストの結果自体を褒める、才能・能力を褒めることでこうなる。 |
褒めればいいってわけじゃなくて、褒め方があるんですね。
確かに、いつも能力を褒められていた子は、たまたま結果が悪いとテストの点数をかくしたり、ごまかしたりしていることが多いような…。
まとめ
- テスト結果をみて、結果が悪くても怒らない
- 結果がよかったらプロセスを褒める
- バツ直しを手伝う。放置する子多し。(だんだんと自立して自分でやるようになります。)
- 悪かった原因の分析→対処法の立案を手伝う。その際、表面的な浅いものにならないように、根本的な原因まで掘り下げてそこに対する対処になるようにする。
- 質×量×スピードでいうとどこを改善するか考えてみる。全部は無理でも行けそうなところを考えてみる。
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