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本記事の著者
高校で学年ブービーから、早稲田、慶応、上智大に合格→リクルートで法人営業を約4年間→館山市で学習塾ランゲージ・ラボラトリーを運営し12年。地域の人気塾になりました。
小学生は思考力を鍛え、中学生は地域トップの公立高校に進学する支援をするのが得意です。<詳細>
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筋トレには分割法という考え方がある。1回のトレーニングで全身を鍛えるのではなく、今日は胸と肩、明日は脚、明後日は背中と分けてトレーニングするのだ。1回のトレーニングで全身を鍛えようとすると時間がかかりすぎて集中力が持たなくなるし、筋肉を追い込みきれず筋トレの効果が得にくい。(ちなみに筋トレは1回60分以内で終えるのが定石らしい。60分を超えるとストレスホルモンがでてきて筋肉の発達によくない。)
中3の高校受験の勉強も同じだ。高校受験は中1~中3までの範囲は広い。だから一気にやると追い込みきれない。結果が出しにくい。勉強にも分割法がある。
中3の夏期講習では、分割法的にまずは世界地理をやった。Vもぎの過去問(≒高校入試過去問)をとき最初は71%。世界地理は中1で1年かけて勉強するが、それを1時間で一気に復習をする。独自に作っている一問一答プリントを何回転かする。1周目は全問題をとくが、2周目は✗だけをやる。そしてそこでも残った✗だけを3周目にやり、全部○に変えるまでやり込む。
一気に通して勉強することで、全範囲のつながり、共通点が見えてくる。例えば、小麦は冷涼なところでやや乾燥している場所で作られている。対して米は温暖で降水量が多い場所で作られている、などだ。だから、中国北東部やアメリカ中央部で小麦が作られていることがつながって理解ができてくる。断片的な知識がつながる瞬間は、勉強の面白みを感じる瞬間だ。そしてつながった知識は表面的な丸暗記から一歩深掘りされ、忘れにくくなる。
するとどうだろうか。最初は71%だった正解率が90%まで上がった。(別年度のVもぎの問題)平均点をみてもほぼ同じだったので、難易度の差があるわけではない。たったの1時間で実力がついたのだ。
高校入試の勉強というと、範囲が無限にあるような気がして勉強するにも気が遠くなる。分割法で勉強して、Vもぎ過去問でスコアの変動をチェックする。すると、わりと短時間でスコアが上がってることに勉強する活力をもらえる。
次は日本地理、歴史(前半)、歴史(後半)と分割法で仕上げていく。範囲の広いテストもこうやって勉強すればいいんだと生徒たちは実感をする。
社会の高校入試は選択式の問題が多い。選択肢は当然関連のあること、受験生が間違えそうな選択肢を入れる。
ドラえもんの好きな食べ物は?
A)タイ焼き B)どら焼き C)大判焼き
と似通ったものを選択肢に入れる。
これが
A)タイ焼き B)どら焼き C)マンゴー
という選択肢はセンスがない。マンゴーだけ異質でそれは明らかに違うでしょ、となる。
出題者は、間違えそうなもの、同質のもの、混乱しそうなものを選択肢にする。だから、正解したけどこの選択肢ってなんだっけ?ということはよくある。このときは、記憶の整理をするチャンスだ。正解したからOKではなく、よくわからん選択肢はかならず調べて整理をして欲しい。
例えばこの問題なら、Iは御成敗式目と武家諸法度で、両方も共通点は武家向けの法律という点だ。これがごっちゃになっている生徒は多い。
それぞれ別々に暗記している→混ざる→整理する、というのが勉強の手順だ。整理するチャンスを得ているのに、よくわかんないけど、正解したらいっかと通り過ぎる生徒は多い。
御成敗式目の中で、北条泰時が出てくると北条時宗という人もいたよなー?と新たな疑問がでてくる人もいると思う。混乱・疑問は整理のチャンスなので、ここでしっかり調べて整理をしたほうがいい。
やす「とき」→「とき」むね、と覚えれば忘れたときの思い出すきっかけになる。
別の例をあげよう。
Iはわかる人が多い。「ひえ~天才!ここ真空?」と暗記しているからIは天台宗とわかるだろう。しかし、問題はⅡである。えっ?念仏?阿弥陀仏の救い…たぶん浄土宗のことだから、Ⅱは念仏じゃないほうかな。ちょっとあいまいだけど、多分「山奥の~」の方だからアが正解かな…。
と少し不安になりながら回答をアにする人が多い。(正解はア)
そのときに、「あってたからOK」とスルーしてはならない。
天台宗って山奥の寺で学問やきびしい修行を行うの?あー、比叡山だし、真言宗も高野山だし、この○○山ってそういうことか。厳しい修行?と疑問を持ったら調べる。すると、
と整理ができる。
あー、なるほど本格的な宗教が天台宗、真言宗で、浄土宗などは軽い宗教なんだな。だから庶民に広がったんだな。と発見があるはずだ。
整理ができる、発見があるというのは勉強の醍醐味。
という丸暗記だけだと面白くないが、混乱→整理、という段階こそ勉強の面白さを感じやすいところだ。
僕は会社員時代3年間ほど日本一の美容師に髪をきってもらっていた。元リップス表参道、現在はOCEAN TOKYOの高木琢也さんだ。「こんな髪型にしたいんですけど。」写真を見せると、普通の美容師なら、「はい、わかりました。」とか「ちょっと長さがたりないんですけど、だいたい似た感じにしますね。」みたいなやり取りが多い。
しかし高木さんは違う。ヘアカタログをすごい勢いでめくり始めて、「あった、これです。小池さんの長さとか髪質だと、このカタログのこういう感じになりますね。」言葉で説明するだけでなく、実際に写真を見せて説明する。「あとはー」といってまた別のヘアカタログをもってきて、すごい勢いでページをめくり始める。「こういう感じが近い感じで小池さんには似合うと思うんですよね。」ヘアカタログの写真が全部頭に入っている。
そして、こちらのリクエストを丸呑みにするのではなく、自分の考えを持って提案してくれる。「あとはー」と言ってまた別の写真をみせて提案してくれる。1パターンではなく3パターン提案してくれる。だから、カウンセリングの時間が3-5分ぐらいはある(ちなみに高木さんは予約でパンパン。超絶忙しい)。僕はこれまでの美容室では、写真見せて「ハイ」と10秒で終わる経験しかしていなかった。しかも表参道、青山の人気店でずっと切っていたので、超一流の店で切ってきている。カット1回7000円。そんな経験がある中で、カウンセリングでここまで時間をかけて、ヘアカタログを美容師が何パターンも見せてくれてすり合わせをするのは初めてだった。そんなちょっとしたこだわりに日本一の凄さを垣間見た。
高校入試では資料の読み取り問題がでる。
この問題は知識がほぼ不要で、粘り強さだけが求められる問題だと思っている。選択肢の全つぶしをすれば正解率が格段に上がる。通常、正解っぽい選択肢があると、それを選んで安心してしまう。しかし、それではダメだ。仮にイが正解だと思ったとしても、ウ、エ、オの間違っているところを探す。あれ、エも正解っぽいぞとなると、イとエをもう一度注意深く読む。よく見るとイを読み違えていて、エの方が正解だった、ということはまれに起こることだ。
こういう丁寧さ、こだわりが正解率を上げる。うっかりミス、ケアレスミスを防ぐ唯一の手段だと言える。OCEAN TOKYO高木さんのように、こだわりをもって解きたい。
全つぶしをすれば読み落としも防げる。
全つぶしをするという習慣は、他教科にも生きてくる。(国語読解は全つぶしが必要ないときもある。)
選択肢の全つぶしは、まずは意識の問題だ。そこまでやるの?と思う人もいるかも知れないが、キングダムで李牧や王翦などの優れた将軍は戦いの前に自らの目で戦場となる地形を確認しにいく。地図だけを見て軍略をたてるのではなく、五感で地形を感じる。そして軍略をたてる。
できる営業マンは訪問先の企業のwebサイトをしっかり読んでから訪問する。商談中に相手の言葉の背景を汲み取ることができ理解が早くなる。一を聞いて十を知る営業マンに相手は話のスムーズさ、優秀さを感じるだろう。優秀な人と凡人の違いはちょっとした意識の差にあらわれる。(ちなみにwebサイトを読み込む時間はせいぜい5分)
また選択肢のどの部分がおかしいのか、部分的に線を引いて✗と書く。全つぶしをやったとしても、間違っている部分を明確にせずに漠然と✗にしている子もいる。できない子は具体化することをめんどくさがり、「なんとなく」と口にする。これではできるようにならない。「なんとなく」と言っている子は質問をするときもフワっとしている。
「この問題がわかりません。」「この問題のどこがわからないの?」「全体的に」そんな調子である。問題のどの部分が分からないかを明確化し、より具体的に質問する。問題を特定する作業は頭をつかうし確かにめんどくさいのだが、その特定を講師に委ねる子は甘えが強く、その甘えがあらゆるところにでてしまう。問題が特定できるということは、対処すべきことが明確になるということだ。だから自分で調べることも容易になる。検索するキーワードも浮かぶ。よく「何が分からないかがわからない」という人もいるが、問題点を特定する作業をめんどくさがっている甘えん坊であることが多い。
ちょっとした意識の違いが、OCEAN高木さん、李牧、王翦のような超一流と我々凡人との違いだ。ちょっとこだわってやるクセをつけていきたい。
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