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安いから国立大学に行ってほしい。その気持ちは僕も4人の子どもの親ですから、死ぬほどわかります。でも安易にそう選択しないでくださいというお話をします。
「なぜ国立?」「安いからです」「えっ、それだけ?」。進路の面談で、小池が何度もしてきたやりとりです。


国立か私立かを決める前に、知っておいてほしいことがあります。大学は、働く場所の入口です。どこの大学に行くかで、どの地域の、どんな会社に入りやすいかがほぼ決まります。
偏差値50〜55くらいの地方の国立大学の就職先を見ると、多いのは公務員と地元の銀行、そして地域の優良企業です。館山にたとえてみてください。もし「市立館山大学」があったら、4年間「すごいね」と言われて過ごし、館山の優良な就職先(市役所・学校・千葉銀行など)に勤めそうですよね。地方国立に行くとは、そういうことです。
一方、首都圏の一橋大学や早稲田大学の就職先には、業界のトップ企業がずらっと並びます。MARCHになると、業界1〜3位の会社もありつつ、4〜10位くらいの中堅どころの名前が増えてきます。大学ごとの就職先は、東進の大学案内のサイトなどで見比べられます。比べてみると、偏差値の差よりも就職先の差のほうがはっきり見えます。


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国立大学の就職先は地域の優良企業になります。例えば秋田大学に行くと、秋田銀行や秋田信用金庫、秋田県庁などになるケースが多いです。地域では威張れますが、首都圏での就職は結構むずかしいです。
マーチ以上の難関大学に進学し、首都圏で就職すれば初年度年収500万円、30歳で1000万円もまあまああります。地方で地銀ですと30歳500万円というところ。確かに学費は多少安いのかもしれませんが、その後の生涯年収に大きな差が出ます。お金の視点で行っても、地方国立大学と首都圏の私立大学では、実は首都圏の大学のほうがお得なのではないでしょうか
4年間の学費は、国立が約242万円、私立の文系が約478万円(東進進学情報 2026年5月29日号)。差は約236万円です。大きなお金ですが、首都圏の大企業と地方の会社では、働き始めてからの給料の差が毎年つきます。国立が安いのは、大学の4年間だけ。就職した先まで入れて比べてください。
どのくらいの差になるかは、会社と仕事によって大きく変わります。人気企業ほど大学名で採用が絞られる実態は、学歴フィルターの記事に出典つきでまとめました。例外は東京一工と旧帝大で、大都市にあり、就職でも大企業に行けます。大学に行くお金全体は館山から大学へ行くお金にまとめています。


国立大学は就職がそれほど良くないです。例えば超人気の総合商社。投資の神様ウォーレン・バフェットが投資した最後の企業は商社ですが、それほど将来性もあります。伊藤忠、三井物産などの五大商社は基本早慶以上じゃないと厳しいです。国立大学だと千葉大でも厳しいです。東大・京大・一橋・東京科学大学、旧帝大クラスじゃないと行けないです。知ってましたか?
なんでなんでしょうか?国立大学に進学する子は安定思考が強く、地銀や公務員などを目指す傾向が強いのも多少影響があると思います。
文系で、東京の大手企業(丸の内や大手町の本社)を狙うなら、首都圏の私立は強い。多くの大企業で、面接の前の線は「MARCH以上か国公立」にあります。そのうえ、都心にキャンパスがあればインターンやOB訪問に動きやすい。地方国立の文系は、県庁・市役所・教員・地方銀行・地域の大手企業が中心です。それが望む人生なら、地方国立はぴったりの入口です。
理系は逆です。千葉大・東京農工大・電気通信大くらいから上の国立の理系には、メーカーから「この大学から何名ほしい」という学校推薦の枠がたくさん来ます。設備も研究費も国立のほうが厚い。ものづくりや研究、エンジニアに進みたいなら、国公立を目指す価値は大きい。群馬・茨城・宇都宮くらいの国立の理系も、大手メーカーのグループ会社や素材・インフラの会社の技術職に強く、地元の工場や拠点で働く道があります。
まとめると、文系は首都圏の私立、理系は国立が基本の形。文系か理系かの決め方は、学部と就職先の関係にも書いています。










館山の高校生にとって、千葉大学は現実的な最高目標です。千葉県内の就職では、千葉大の名前は本当に強い。千葉県庁・千葉銀行・教員・JR東日本・県内のインフラ企業など、千葉で安定して働きたいなら、千葉大を目指すのがいちばんの近道です。
ただ、千葉大は簡単ではありません。医学部・薬学部は旧帝大並み、ほかの学部も共通テストで高い得点率が要ります(目安は下の付録)。筑波大・横浜国立大には届かないけれど、埼玉大や地方の国立には行きたくない人が集まる大学なので、ライバルも強い。英語の配点が高い学部が多いので、英語は早くから仕上げておきます。
キャンパスは学部によって分かれています。多くの学部は西千葉、医学部・薬学部・看護学部は亥鼻(いのはな)、園芸学部は松戸です。オープンキャンパスに行くときは、自分の学部の場所を確かめてください。




まず国立大学に合格するのは難しいです。科目が多いこともそうですが、数学をやらなければなりません。数学が超得意、という人は以外は国立大学という選択肢はほぼなくなると思ってください。
数学得意なんですが、定期テストではいつも90点超えます、という話しもちらほら出てきますが、定期で90点超えている子が高校数学で討ち死にしている様子をよく見ています。
というお子さんは高校数学キツイです。僕は生徒が解いているプロセスを見ていますので、この子は数学いける、この子は厳しいというのが、肌で感じるところがあります。厳しいお子さんは無理せず、社会を選択するといいと思います。詳しくはこちらを読んでください。
国立を目指して6教科を均等に勉強し、高3の夏や秋に「やっぱり無理だから私立に」と切り替えた人は、軒並み落ちています。6教科とも偏差値50の人が私立の3教科に絞っても、偏差値は50のまま。千葉大を目指してきても、それではMARCHに届きません。
国立は、教科が多いぶん逆転もしにくい。6教科の合計偏差値が50の人が偏差値60の大学を目指すなら、6教科×10で60上げなければなりません。3教科で偏差値65の私立を目指すなら、3教科×15で45。科目が多いということは、それだけ成績を上げるのが大変ということです。
国立を狙うなら、配点の差を見てください。千葉大学の法政経学部の例では、英語・数学・国語が400点ずつに対して、社会100点・理科50点・情報25点です(東進内部の記事を書いた時点の配点)。どの教科に時間を張るべきかは、配点を見れば見えてきます。配点は大学・学部ごとに違い、年度で変わることもあるので、志望校を早めに決めて最新の募集要項で確かめます。




国立がいいかもと思っている人ほど、6教科を均等にやらないでください。まず3教科をカチカチに仕上げる。3教科が偏差値60、残りの3教科は40、という勉強でいい。そうしておけば、私立に切り替えてもMARCH以上で戦えるし、残りの3教科を仕上げて国立に行く道も残ります。
もう一つは、国立の2次と私立を同じ教科で受けられるように組むこと。英語・数学・国語で国立を受けるなら、私立も英数国で受けられるところは多い。数学より社会が得意で私立を英国社で受けるなら、国立のほうも英国社で受けられる大学・学部に変えておきます。うまく転べるように、受け方を先に設計する。これが館山から国立を狙う人の勝ち方です。
地元で働きたいなら地方の国立や千葉大、首都圏で働きたいなら首都圏の国立か難関私立。国立か私立かは、学費ではなく、どこで働きたいかと、何教科で戦えるかで決めてください。
塾生サイトには、この話の続きを塾生だけが読める記事で載せています。塾生サイトで読む
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三人以上同時に扶養してれば、その間は年70万円ほど国から支援金がでます。調べてみてください。
この支援は、2025年度に始まった国の多子世帯の授業料等の減免のことです。子どもを3人以上扶養している世帯なら所得の制限なく、国の定める額まで授業料と入学金が減免されます(授業料の上限は国公立で年約54万円、私立で年70万円。出典:文部科学省「高等教育の修学支援新制度」)。条件の細かいところと、ほかに使える支援は館山から大学へ行くお金にまとめています。


大学ごとの位置の目安を、付録に置いておきます。偏差値は河合塾の2次の偏差値、共テは共通テストの得点率の目安で、東進館山校の記事を書いた時点のおおまかな幅です。学部で上下し、毎年変わるので、最新の数字は河合塾などの最新の表で確かめてください。
| 大学 | 2次の偏差値 | 共テの得点率 |
|---|---|---|
| 東京大(理一・理二) | 67.5 | 88% |
| 東京科学大(旧 東京工業大) | 65.0〜67.5 | 82% |
| 筑波大・横浜国立大・千葉大 | 57.5〜62.5 | 73〜78% |
| 東京農工大・電気通信大・東京都立大(公立) | 55.0〜60.0 | 70〜75% |
| 埼玉大・東京海洋大・東京学芸大 | 52.5〜55.0 | 65〜70% |
| 群馬大・茨城大・宇都宮大 | 47.5〜50.0 | 60〜65% |
| 大学 | 2次の偏差値 | 共テの得点率 |
|---|---|---|
| 東京大(文一・文二・文三) | 67.5〜70.0 | 86% |
| 一橋大 | 65.0〜67.5 | 82% |
| 筑波大・横浜国立大・千葉大 | 57.5〜62.5 | 72〜77% |
| 東京都立大(公立)・東京外国語大・お茶の水女子大 | 57.5〜62.5 | 70〜76% |
| 埼玉大・東京学芸大 | 55.0〜57.5 | 68〜72% |
| 群馬大・茨城大・宇都宮大 | 47.5〜52.5 | 60〜65% |
東京科学大は、2024年に東京工業大学と東京医科歯科大学が一つになった大学です。大学のグループの呼び方(東京一工・旧帝大・早慶上理・GMARCHなど)は、安房高校の合格実績の記事の「ランク名の説明」にまとめています。








ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
塾長のプロフィール ランゲージ・ラボラトリーについて