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ランゲージ・ラボラトリーの小池です。
法学部に行きたい理由、テレビじゃない?
高2の夏、オープンキャンパスの申し込みや志望校調査の学部欄を前に、「経営をやりたいから経営学部」「心理に興味があるから心理学部」と、名前のイメージで学部を決めかけている高校生はたくさんいます。
小池の考えははっきりしています。文系は、学部で就職先はほとんど決まらない。理系は、学科と研究室で決まる。だから文系は学部名より「得意な教科で受けられる大学の幅」で、理系は学科の中身で選ぶ。この記事では、その理由と選び方をまとめます。


小池が高校生のころ、法律の解釈をバラエティ仕立てで見せる「行列のできる法律相談所」という番組が人気でした。それを見て法学部を志望する人がたくさんいました。ところが実際に入ってみると、「死ぬほどつまらない。思っていたのと違う」という人が多かった。番組が面白かっただけで、法律の勉強そのものが面白いわけではなかったのです。
小池自身もそうでした。メンタリストのDaiGoさんが相手の表情から心を読んでババ抜きで勝ち続けるのを見て、心理学って面白い、と思いました。でも調べてみると、心理学部でやるのは実験をして数値を集める、かなり地味な学問。本当かどうか確かめたくて、高校生のときに館山市内の病院の臨床心理士の方にお願いして話を聞かせてもらいました。稼げるのか、仕事は面白いのか。いろいろ質問した答えは「稼げないし、面白くない。やめておいたほうがいい」でした。
本当に興味がある人は、もう行動しています。六法全書を持っていて日常的に読んでいる、日経新聞の株価の欄を毎日見ている。小池の友人にもそういう人がいて、京大の経済学部に行きました。そこまでしているなら本物です。でもテレビでちらっと見たくらいなら、学部を決める根拠としては弱い。高校生の「好き」は怪しい。得意は強い。
起業したい、経営をやりたいから経営学部。これも安直です。経営学部の勉強は面白いけれど、ほとんど直接は役に立ちません。大企業の経営のセオリーや過去の事例は、本に全部載っています。ちなみに慶應には経営学部がなく、経営学は商学部で学びます。それでも経営に興味がある人の多くは経済学部を選びます。学部の名前と、やりたいことは、そこまで結びついていません。






理系にいくとメーカー※に就職することが多いです。
※メーカー:トヨタ、NEC、日立、キリンビールなどものをつくる会社
ただ、文系だとメーカーに行きにくいかというとそういうわけでもなく、メーカー以外の選択肢がおおいからメーカーを選んでいないだけ、といえます。
理系は所属する研究室が各メーカーにコネをもっていて、大学でAゼミに所属していると、毎年2人はNECに、2人は日立に、2人はトヨタに、2人は日産に、と研究室の枠があるのです。
なので、研究室で優秀な子から、好きな枠を選んでいく感じになります。
もちろん文系でもこういう推薦のようなものはあって、経済学部だと金融系に枠があることが多いですが、こういった推薦のような仕組みで就職をするのは文系はレアです。
普通に就職活動(面接をして受かる)をするケースが多いです。
結論、どの学部でもどの業界にもいけます。
僕は経済学部でしたが、友人は広告、金融、マスコミ、出版、IT、ベンチャーなど多方面に就職しています。
経済学部だから◯◯ってほぼないです。
※文学部→出版というのも別に関係ないです。文学部には本が好きな人が多い、結果就職活動で出版業界を選択しようとしている、というだけの話です。






ITエンジニアになるのは情報学部、理工学部が多いです。授業でもプログラミングなどの割合が高いです。※文系でもなれないわけではない。
機械エンジニアも圧倒的に理系が多いです。
文系はほとんどが営業や販売・サービス業です。営業というのは、お客さんと直接話して自社の製品を売ることです。
例えばトヨタだとしたら、車の設計をするのは理系(大卒)、実際に組み立てて作るのは工場勤務の人(高専卒・高卒)。コンセプトを考えたり、広告宣伝をしたり(本社勤務系)実際に店舗で販売をしたり(販売員勤務)するのは文系の人です。
トヨタは例ですし、自動車業界に限らず、お客さん、他社の人とコミュニケーションをとって業務をすすめるような仕事をするのが文系の営業です。
※ちなみに理系に進んでも、コミュニケーションが好きで営業を選ぶ人もいます。
文系の学部で学んだことが、そのまま仕事になる人はわずかです。法学部で法律を学んでも、法律を使う会社の法務部は、社員が数万人の大企業でも5〜10人ほど。経済学部で簿記を学んでも、経理部も同じくらいの人数です。ほとんどの人は法務にも経理にも配属されません。
では何をするのか。文系の多くは営業に配属されます。お客さんの窓口になり、商品を説明して売る仕事です。だから、学部は就職先にほとんど関係しません。






大学の授業は、必修と選択に分かれています。授業の半分以上は自分で選べる科目で、特に1・2年は一般教養と呼ばれる幅広い授業が中心です。経済学部でも法律を学べるし、法学部でも経済を学べる。プログラミング、語学、マーケティングなども、けっこう自由に選べます。
小池は経済学部でしたが、面白いと思ったのは商学部の経営学の授業と、言語学の授業でした。入ってみないと何が面白いかは分かりません。だから文系の場合、法学部か経済学部か、とそれほど深刻に考えなくていい。大学の授業や休みの実際は大学生活は最高に楽しい!に書きました。
塾生サイトには、この話の続きを塾生だけが読める記事で載せています。塾生サイトで読む
※塾生の方は、まなぶ君と同じID・パスワードで読めます


理系は逆です。上の節で書いたとおり、研究室ごとにメーカーの推薦枠があり、研究室で優秀な人から好きな枠を選んでいきます。理系は、どの学科・どの研究室に入るかが、そのまま就職先につながります。
だから理系に進むなら、大学名だけでなく学科の中身を調べてください。どんな研究室があり、先輩たちはどこに就職しているか。大学のホームページの「就職状況」や、オープンキャンパスで研究室の先輩に直接聞くのがいちばん確かです。










高1の秋には、文理選択の分かれ道が来ます。決め手は好きな科目ではなく、数学をあと2年続けられるかです。数学をやめた瞬間に、国立大学と理系の学部、数学が必要な私立の学部(早稲田の政治経済学部など)の扉が閉まります。
見極めるのは、テストの点数より分かり方です。パターンを覚えて解いているのか、図を描いて考えて分かっているのか。迷っているうちは英語と数学を止めないこと。英数を仕上げておけば、文系にも理系にも、国立にも私立にも転べます。
反対に、数学が苦手だとはっきりしている人は、早めに社会に切り替えるほうが得です。いちばん損なのは、ずるずる続けて高3の夏に社会へ乗り換えること。


最近は、入学してからゆっくり進む道を決められる学部や、文系と理系の両方から学ぶ学部が増えています。「やりたいことがまだ決まっていない」のは悪いことではありません。こういう学部を選べる、という強みにもなります。
| 大学・学部 | どんな学部か |
|---|---|
| 立教大学 環境学部 | ごみや温暖化などの環境問題を、理科と社会のしくみの両方から学ぶ |
| 立命館大学 理工学部 環境都市工学科 | まちづくりと環境を、工学から学ぶ |
| 慶應義塾大学 総合政策学部・環境情報学部(SFC) | 好きな分野を自由に組み合わせて学べる |
| 早稲田大学 人間科学部 | 心・健康・社会のことなどを幅広く学ぶ |
| 筑波大学 総合学域群 | 入学したあとで、学ぶ分野を決められる |
| 一橋大学 ソーシャル・データサイエンス学部 | 社会や経済を、データから読み解く |
| 横浜市立大学 データサイエンス学部 | 数字を使って問題を解く。公立なので学費も抑えめ |
※東進「進学情報」2026年6月26日号などをもとに作成。学部の中身と入試科目は、各大学のホームページで確かめてください。
受験科目は、大学で必要になる力と連動しています。たとえば経済学部は文系ですが、統計データを読み解いたり、マクロ経済で微分・積分を使ったりします。だから数学で受けられる経済学部が多いのです。
論理的に考えるのが得意で、模試でも明らかに数学のほうが点が取れる。なら数学で受けられる大学・学部を選ぶ。暗記が得意で、日本史は勉強しなくても点が取れて、勉強している時間も苦じゃない。なら社会で受ける。あやふやな「好きっぽい」より、得意を軸にして受験科目と学部を決めるほうが、理にかなっています。自分が得意なことは、だいたい好きになります。






就職活動で、大学の成績はほとんど見られません。見られるのは、大学の4年間で何に没頭して、どう工夫したかです。サークルでもアルバイトでも、自分でビジネスをしてみることでも構いません。工夫してやり切った経験が、そのまま仕事の力になります。小池は大学1年のとき草野球チームを作り、マッチングサイトで対戦相手を探していました。最初は10チームにメールして1試合決まるくらい。どうしたら決まる率を上げられるかを工夫して、5チームに1試合まで上げました。工夫して率を上げるのは、仕事そのものです。大学生活の実際は大学生活は最高に楽しい!に書きました。
だから文系は、学部名より、得意な教科で受けられる大学の幅と、4年間で会える人と機会(インターン、企業の講座、一緒に動く同級生)で大学を選んでください。人気企業ほど、面接の前に大学名で絞られるのも現実です。


それでも、どうしてもこだわりたい学部があるなら、その仕事をしている人に会って確かめてください。小池が臨床心理士の方に会いに行ったように、本物の「好き」は現場で確かめるのがいちばんです。やりたいことの見つけ方はこちらの記事にまとめています。




中学生の皆さんは、職業名や学部名で将来を決めなくて大丈夫です。部活や文化祭を工夫してやり切った経験は、そのまま将来話せる力になります。そして中学の数学を、パターンの暗記ではなく、図を描いて考えて分かるところまでやっておく。それが高1の文理選択の幅を広げます。
保護者の方へ。「文学部だと就職が…」という心配は要りません。理系なら学科選びがそのまま就職につながります。お子さんに聞くときは、好きな科目と得意な科目を分けて聞いてみてください。
高校生の進路の選び方の全体は高校生の進路の選び方に、国立か私立かは国立か私立かにまとめています。
ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
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