志望校がまだ決まっていない人の:東進の受講ルート

東進館山校の受講ブースの横で、安房高校の学ランの男子が、英語と数学のテキストを2冊重ねて片手に持ち、迷いが晴れてきっぱりと前を向いている。「志望校はまだ決まらない」「決まる前の受講ルート」「英語と数学は止めない」の文字。

ランゲージ・ラボラトリーの小池です。

「東進で何を取ればいいですか」と聞かれて、「志望校はどこ?」と聞き返すと、多くの高1・高2は「まだ決まっていません」と答えます。それで普通です。志望校をガチガチに決めるのは、高3の12月でいい。

ただ、志望校が決まっていなくても、今取る講座は決まります。どの大学を選んでも使う教科と、その土台になる講座は同じだからです。この記事では、志望校が決まる前の高1・高2が取る「土台のルート」を、教科ごとに1本ずつ示します。

ルートのもとにしたのは、東進ハイスクールWikiの「定番セット文系」「定番セット理系」のページです。どちらも数年前のページなので、講座は1つずつ東進ドットコムの2026年度の講座案内で確かめ、今の名前で書いています。高1の英語と数学は、館山校で新高1に勧めている講座にそろえました。

目次

志望校が決まっていなくても、取る講座は決まる

東進館山校の受講ブースで、木更津高校のセーラー服の高1女子が、白紙の進路希望の用紙を両手で持ったまま、眉を下げて途方にくれている挿絵。文字「未定でも英語と数学」

大学の入試は、国公立か私立か、文系か理系かで使う教科が変わります。ただ、どの受け方でも重なる教科があります。

教科どの受け方で使うか
英語国公立も私立も、文系も理系も、ほぼすべて
数学国公立は文系も理系も(共通テスト)。私立は理系と、文系の経済・商学部などの数学で受ける方式
国語国公立は文系も理系も(共通テスト)。私立は文系のほとんど
理科・社会文系か理系か、国公立か私立かで、科目も数も変わる

つまり、迷っているあいだは英語と数学を止めない。英語はどこを受けても使います。数学をやめた瞬間に、国公立と理系、数学で受ける私立の扉が閉まります。英語と数学が仕上がっていれば、文系にも理系にも、国公立にも私立にも転べます。

反対に、理科と社会は、文系か理系か、国公立か私立かが決まってから取れば間に合います。先に手を広げると、英語と数学に回す時間が減るだけです。

出典:共通テストと大学ごとの試験のしくみは、塾生サイトの「大学入試のしくみ」の記事。受験科目は大学・学部・方式ごとに違い、年度で変わることもあるので、志望校が決まったら河合塾 Kei-Net「入試科目」と大学の募集要項で確かめてください。

英語:基本は西きょうじ先生の「飛翔」シリーズ

夜、自分の部屋の机で、翔凜高校の制服の高1女子が、英文のプリントに主語と動詞の印を書き込みながら、夢中になって目を輝かせている挿絵。文字「英語は語順から」

英語は、どの大学に行くとしても主役です。基本のルートは、西きょうじ先生の「飛翔」のシリーズ。館山校で新高1に勧めている講座から、そのまま上に積み上げていけます。

順番講座どんな人に
1飛翔のための英語表現(必修編)高1の最初。主語・動詞・目的語の語順から、英文を自分で組み立てられるようにする
2飛翔のための英文読解講義(基礎)英検準2級・2級の文章を、正確に読む自信がまだない人
3飛翔のための英文読解講義(標準)偏差値50〜60の人。1文ずつ構造をとって、正確に読む
4飛翔のための英文読解講義(応用)偏差値60前後から。国公立・私立の難関校の長文を読み通す

英単語は、どのルートでも高速マスターの英単語1800を高1のうちに固めます。

読解は基礎→標準→応用の順番を飛ばさないでください。上の段の長文は、下の段で身につけた「1文の構造をとる力」が前提です。4の応用まで終われば、志望校がどこに決まっても、そこからは大学別の講座と過去問に進めます。

こういう人はこちら

  • 文法の問題を「なんとなく」で解いている人:3の標準と並行して「ダイナミック英文法講義」。偏差値55前後から上の人向けで、入試の文法を読むのに使える形で整理し直せます
  • 英語が苦手で、基礎からやり直したい人:今井宏(いまい ひろし)先生の「今井宏の英語E組・スタートダッシュ教室」から「今井宏の英語A組・上級者養成教室」までの5段。今の力に合わせて、D組やC組から入ってかまいません

数学:迷っているあいだは止めない

東進館山校の受講ブースで、志学館高校の制服の高1男子が、ノートに放物線のグラフを描きながら解き方が分かり、目を見開いて笑っている挿絵。文字「止めると扉が閉まる」

文系か理系かを選ぶのは、高1の秋です。決め手は好きな科目ではなく、数学をあと2年続けられるか。続けられるかどうか分からないうちは、数学を止めないでください。

基本のルートは、志田晶(しだ あきら)先生の講座です。

順番講座どんな人に
まず(高1)高等学校対応 数学Ⅰ・A−標準−先取り推奨(自信がある人は −上級−)学校の授業より先に、数学Ⅰ・Aを教科書のレベルで固める
1今から始める受験数学(文理共通)〜テーマ別数学への準備〜教科書はひと通り終えたが、受験の数学はこれからの人
2テーマ別数学(文理共通)基本問題は解けるのに、入試の応用問題で手が止まる人
理系に決めたら今から始める受験数学(理系)→テーマ別数学(理系)数学Ⅲ・Cの範囲。文理共通の2と並べて進める

Wikiの注意書きによると、テーマ別数学は受験数学の「導入」にあたる講座です。土台のルートとしてはこれで十分で、もっと上を狙うかどうかは志望校が見えてから決めれば間に合います。学校の授業でⅠ・Aを十分に固められている人は、「まず」の講座を飛ばして1から始めてかまいません。

数学が苦手だとはっきりした人は、ずるずる続けずに、高2のうちに社会へ切り替えるほうが得です。いちばん損なのは、高3の夏になってから乗り換えること。

こういう人はこちら

4人の先生の違いは、それぞれの先生の記事の「数学の4人の使い分け」にまとめています。

国語:現代文・古文・漢文の土台をつくる

東進館山校の白い長机で、安房高校の制服の高2女子が、赤い×の付いた古文の問題を前に、悔しくて口をへの字に結び、文法の表を握りしめている挿絵。文字「古文は文法から」

国語は、国公立なら文系も理系も共通テストで使い、私立の文系ならほとんどの大学で使います。共通テストの国語は、現代文・古文・漢文のすべてが出ます。まずは3つとも、読むための土台をつくります。

現代文

順番講座どんな人に
1現代文基礎トレーニング受験の現代文に通用する読み方を、基礎から身につける
2現代文トレーニング難関校を目指して、現代文を固める

どちらも宗慶二(そう けいじ)先生の講座です。

  • すでにある程度読めて、難関大の文章に早く慣れたい高2:林修(はやし おさむ)先生の「高2ハイレベル現代文トレーニング」
  • 高3で共通テストの現代文を仕上げる:林修先生の「大学入学共通テスト対策 現代文」

古文

基本のルートは、栗原隆(くりはら たかし)先生の講座です。文法から読解まで、段を踏んで上がれます。

順番講座どんな人に
1古典文法強化ゼミ文法があやしい人。10回で文法を固める
2基礎強化古文古文の力はまだこれから、の人

高3で、難関大の古文が要るなら「難関古文」、共通テストの古文で点を取るなら「大学入学共通テスト対策古文」へ進みます。どちらも栗原先生の講座で、2までの続きとして受けられます。

漢文

漢文は、寺師貴憲(てらし たかのり)先生の「基礎から学ぶ漢文(句形編/読解編)」。漢文を基礎から学びたい高1・高2向けの講座です。句形(決まった読み方)を覚えれば点になりやすい科目なので、早めに1周しておくと高3がラクになります。

理科と社会:文系・理系が決まってから取る

東進館山校の受講ブースで、安房高校の学ランの高2男子が、歴史の教科書と化学の教科書を見比べたあと、選んだ1冊を机に置き、決めた顔で口元を引き締めている挿絵。文字「理科と社会は決めてから」

理科と社会は、文系か理系か、国公立か私立かで、使う科目も数も変わります。だから土台のルートでは、文理が決まってから取ります。それまでは学校の授業と定期テストでしっかり点を取っておけば十分です。

社会(文系)

科目基本の講座
日本史スタンダード日本史探究 PART1/PART2(金谷俊一郎(かなや しゅんいちろう)先生)
世界史スタンダード世界史探究 PART1/PART2(加藤和樹(かとう かずき)先生)
地理スタンダード地理探究(山岡信幸(やまおか のぶゆき)先生)

どれも、国公立の二次試験と私立の入試に向けて、流れをひと通り学ぶ講座です。世界史を大きな流れと因果でつかみたい人は、荒巻豊志(あらまき とよし)先生の「スタンダード世界史Ⅰ〜Ⅳ」「Ⅴ〜Ⅷ」「Ⅸ〜Ⅻ」もあります。

理科(理系)

科目基本の講座こういう人はこちら
物理やまぐち健一(やまぐち けんいち)先生「スタンダード物理 PART1/PART2」物理で稼ぎたいなら、苑田尚之(そのだ なおゆき)先生「ハイレベル物理 力学/電磁気学/熱力学・波動」
化学鎌田真彰(かまた まさてる)先生「ハイレベル化学 PART1/PART2」化学を基礎から得点源にしたいなら「難関化学 PART1/PART2」
生物飯田高明(いいだ たかあき)先生「スタンダード生物PART1/PART2」難関大を狙うなら、同じ飯田先生の「難関生物 PART1/PART2」

国公立を受けるなら、文系も共通テストで理科の基礎科目を、理系も社会を1科目使うのがふつうです。共通テストの情報Ⅰも要ります。これらは高3で共通テスト対策の講座を取って仕上げます(情報Ⅰなら「基礎から学ぶ共通テスト対策情報Ⅰ」)。

いつまでに何を終えるか:学年ごとの置き方

志望校未定ルートの学年ごとの置き方の手描き図解。「高1 英単語・英語表現・数学Ⅰ・A」「高2(11月まで) 飛翔(標準・応用)とテーマ別数学」「高2の冬〜高3の夏 理科か社会と国語」「高3の夏から 志望校のルートと過去問」の4区間。見出しは「高2の11月までに英語と数学の土台を終える」。

館山校の受講ルールでは、高1はふだん週2コマ(長期休みは週4コマ)と高速マスター、高2は月8コマで11月までに全講座を終えます。土台のルートをこの決まりに当てはめると、こうなります。

時期終える講座ペース
高1高速マスターで英単語1800。飛翔のための英語表現(必修編)→飛翔のための英文読解講義(基礎)。高等学校対応 数学Ⅰ・A週2コマ。長期休みは週4コマ
高2(11月まで)飛翔のための英文読解講義(標準)→(応用)。今から始める受験数学(文理共通)→テーマ別数学(文理共通)。古典文法強化ゼミ月8コマで、11月に100%。夏休みは週8コマ以上を勧める
高2の冬〜高3の夏文系は社会、理系は理科とテーマ別数学(理系)。現代文基礎トレーニング→現代文トレーニング、基礎強化古文、基礎から学ぶ漢文夏休みが終わるまでにひと通り
高3の夏から志望校別のルートの、大学別の講座と共通テスト対策。過去問過去問と並行して

ポイントは、高2の11月までに英語と数学の土台を終えておくこと。高2のうちに国公立か私立かを決めるとき、英語と数学ができていれば、どちらにも進めます。

高2の夏休みは、国公立・早慶を目指す人で週8コマ以上、それ以外で週6コマ以上が館山校の目安です。志望校が決まっていない人は、上の週8コマで進めてください。上の大学を選べる側に立っておけば、あとで下げるのはいつでもできます。

コマ数や日付は年度ごとに少し変わります。その年の数字は、校舎からのお知らせ(LINE)で確かめてください。学年ごとの決まりと理由は東進の受講ルールにまとめています。

合格設計図には、仮の志望校で入れる

学力POSの合格設計図は、志望校を入れないと始まりません。決まっていない人は、今いちばん近い大学・学部を仮で入れてください。仮でかまいません。

  1. 第一志望の欄に、仮の大学・学部を入れる(迷ったら、今の模試の成績より少し上の大学)
  2. その大学の試験方式と配点を調べて入れる
  3. 中期計画で、この記事の土台のルートから今年受ける講座を登録する
  4. 短期計画で、週に何コマ進めるかを決める(高1は週2コマ、高2は月8コマが目安)
  5. 毎週日曜日に、翌週の週間予定表を立てる。これがそのまま受講の予約になります

志望校が決まったら、第一志望を入れ替えて、中期計画の講座をその大学のルートに組み直します。操作は受講計画の立て方にまとめています。迷ったら、設計図を開いたまま担任に見せてください。一緒に組み直します。

志望校が決まったら:次に読む記事

東進館山校の受講ブースで、志学館高校の制服の高2男子が、iPadの合格設計図に志望校を入れ終え、これからの道筋にわくわくして前を見ている挿絵。文字「決まったら次のルートへ」

志望校を決める考え方は、大学のカテゴリーの記事にまとめています。とくに次の2本から読んでください。

志望校の方向が見えたら、その大学のルートの記事に進みます。土台のルートで終えた講座は、どの記事のルートにもそのままつながっています。

志望校の方向次に読む記事
東大・一橋・東京科学大東大・一橋・東京科学大に行くなら:東進の受講ルート
千葉大など首都圏の国立千葉大・横浜国立・筑波に行くなら:東進の受講ルート
地方の国公立地方の国公立大学に行くなら:東進の受講ルート
国公立の医学部医学部に行くなら:東進の受講ルート
早稲田・慶應早稲田・慶應に行くなら:東進の受講ルート
上智・東京理科大上智・東京理科大に行くなら:東進の受講ルート
GMARCHGMARCHに行くなら:東進の受講ルート
成成明学獨國武成成明学(成蹊・成城・明治学院・獨協・國學院・武蔵)に行くなら:東進の受講ルート
日東駒専日東駒専(日本・東洋・駒澤・専修)に行くなら:東進の受講ルート

どのくらいの成績でどの大学に届くのかは、大学のレベルの群の記事で見られます。

まとめ

志望校未定ルートの要点の手描き図解。「英語と数学は止めない」「英語:英語表現→読解(基礎)→(標準)→(応用)」「数学:数学Ⅰ・A→テーマ別数学」「理科・社会は文理が決まってから」「決まったら、その大学のルートへ」の5項目。見出しは「志望校が決まる前の 5つの要点」。
  • 志望校が決まっていなくても、英語と数学はどの大学でも使う。迷っているあいだは止めない
  • 英語は西きょうじ先生の飛翔シリーズ。英語表現(必修編)→読解(基礎)→(標準)→(応用)
  • 数学は高等学校対応 数学Ⅰ・Aから、志田晶先生の今から始める受験数学→テーマ別数学。理系に決めたら(理系)も
  • 国語は、現代文(宗慶二先生)、古文(栗原隆先生)、漢文(寺師貴憲先生)の土台を高3の夏までに
  • 理科と社会は、文系・理系が決まってから。高2の冬から高3の夏にひと通り
  • 高2の11月までに英語と数学の土台を終え、志望校が決まったらその大学のルートへ
  • 合格設計図には仮の志望校で入れ、決まったら組み直す

志望校が決まらないのは、まだ選べる時期にいるということです。選べる側に立ち続けるために、今日、英語と数学の講座を進めてください。

出典:講座の順番は東進ハイスクールWiki「志望校別定番講座セット」の「定番セット文系」(2020年12月3日更新)と「定番セット理系」(2022年12月6日更新)のページ(2026年10月10日に取得)。どちらも古いページなので、講座名・回数・対象は東進ドットコム「講座案内」(2026年度版、2026年10月11日に確認)に合わせ、Wikiに無い講座(飛翔のための英語表現(必修編)、飛翔のための英文読解講義(基礎)、高等学校対応 数学Ⅰ・A、基礎から学ぶ漢文、スタンダード地理探究など)は講座案内から選んだ。

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この記事を書いた人

小池哲平のアバター 小池哲平 ランゲージ・ラボラトリー塾長

ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
塾長のプロフィール ランゲージ・ラボラトリーについて

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