中3の進路:どの高校に行くかは、どんな未来を開くかにつながる

館山駅を背景に進路の資料を持つ中学生。「その先は?」「高校選びは 未来選び」の文字。

ランゲージ・ラボラトリーの小池です。

中学3年生はそろそろ進路について考える時期です。どの高校に行くかはどんな未来を開くかにつながっています。

このページについて
  • 読んでほしい人:進路を考え始めた中学生(とくに中3)と、保護者の方
  • 分かること:高校ごとの卒業後の進路の違い、地元で働いたときのお金のリアル、将来の仕事の考え方、進路を自分で決めるということ
目次

高校によって、その先の進路がまったく違う

まずは、高校を卒業したあとにみんながどこへ行っているのかを見てみましょう。

安房高校

ほとんどの人が4年制大学に行きます。一部、専門や短大に行く人もいます。本当に一部が就職という感じです。

就職も強いです。就職した人のうち、7割ほどが公務員です。民間企業に就職する人も、大手企業に行くケースが多いです。

新卒の就職というのは専門性が要求されているわけではありません。人として誠実で、ベースの頭がいいかどうかが大事にされます。

安房拓心高校

拓心を見てみましょう。進学する人はわずかで、ほとんどが就職です。

なので、安房高校に行けば4年制大学に進学し、大学で遊んでから就職。拓心に行ったら即就職となります。就職先を見てみてください。スーパーや飲食系、ホテル、介護など地域の企業に就職していることがわかると思います。

木更津高校

木更津高校だと就職する人はほぼ0です。学年320人中3人。

就職するのも自衛隊、国家公務員、千葉県庁など。市役所すらありません。

大学名もみんな見てもピンとこないと思うけど、安房高よりはワンランク上の難しい大学に受かっている人がたくさんいます。だんだん知識もつけていかないと、情報を見ても正しく選ぶことができません。

iPhone 17 Pro Maxと、5世代前の1万円で買えるAndroidを並べられて比べたときに、皆さんだったらiPhoneを選ぶでしょう。

でも高齢者に両方並べて見せたときに、どっちがいいのか、パッと見わからないはず。それと同じです。情報が与えられたとしても、知識がなければ正しく選択することはできません。

木更津高専

木更津高専は高校ではありません。5年制の学校です。中学を出てから5年間、機械・電気電子・電子制御・情報・環境都市の5つの学科のどれかで、専門の勉強をします。

卒業後の進路は、就職と進学がほぼ半々。令和7年度の卒業生186人のうち、就職が100人(54%)、大学への編入学が26%、高専の専攻科への進学が18%です。

就職先には、ENEOS、東京電力パワーグリッド、JFEスチール、JR東日本、国土交通省、デジタル庁などが並びます。求人倍率は約15倍。就職したい学生1人に、15社ほどから求人が来ている計算です。

進学する人は、長岡技術科学大学・豊橋技術科学大学への編入が中心。筑波大学・千葉大学・東京農工大学、東京大学に編入した人もいます。高校から大学受験をしなくても、国立大学に入る道がある。これが高専の強みです。

その分、入ってからの数学と理科の量は多いです。入試の学力検査も、数学・理科・英語の点数を2倍にして計算します。理数が得意で、ものづくりや技術が好きな人のための学校です。(木更津高専ホームページ「進路状況」「入学者選抜に関する資料(令和8年度)」)

小池の考え

進学先も就職先も実力(=偏差値)通り。偏差値が低いのにおいしい思いをすることはない。

地元で働いたときのお金のリアル

地域の中小企業に就職した場合、昇給のペースは非常に緩やかです。高卒で従業員10〜99人の会社に勤める人の月給を、国の統計で見てみます。

月収の目安(高卒・中小企業の場合)

30代前半手取り約21万円
(額面 約27万円)
40代前半(役職がつくかどうかの分かれ目)手取り約23万円
(額面 約29万円)

額面は全国・男女計の平均(厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』)。残業代とボーナスは入っていません。ボーナスは年に約52万円(30代前半)、約62万円(40代前半)。手取りは税金と社会保険料を引いた概算です。

一人暮らしの月額費用(地方都市・車社会を想定)

家賃(アパート・駐車場込み)約5万円
食費(自炊中心+たまの買い食い)約4万円
水道・光熱費(電気・ガス・水道)約1.3万円
通信費(スマホ・自宅のWi-Fi)約0.7万円
日用品(洗剤、シャンプー、ゴミ袋など)約0.5万円
車の維持費(ローン、保険、ガソリン、車検積立)約4万円
合計約15.5万円

家賃は館山市の借家の平均(総務省『令和5年住宅・土地統計調査』)、食費・光熱費・通信費・日用品は小都市・町村で働く一人暮らしの平均(総務省『家計調査』2025年)。車の維持費は、車を持つ人だけの統計がないため、ローン・保険・ガソリン・車検を積み上げた目安です。

手取り21万円からこの15.5万円を引いた「残り5.5万円」の中から、服を買い、美容室に行き、友達と遊び、デートをし、ゲームに課金し、将来のために貯金をしなければなりません。実際、同じ家計調査では、小都市・町村で働く一人暮らしの人は、服や遊び・付き合いまで入れて月に約19万円を使っています。これが「普通の仕事」に就いた大人のリアルです。

家族4人(夫婦+子ども2人)の月額費用

住居費(3LDK〜4LDKの家賃または住宅ローン)約9万円
食費(食べ盛りの子ども2人)約10万円
教育費(授業料、教材、塾代など)約4万円
車の維持費(地方は夫婦で2台必須。ローン、ガソリン、保険)約5万円
水道・光熱費約2.5万円
通信費(スマホ、ネット回線)約1.3万円
日用品・被服費・医療費約4万円
生命保険・学資保険などの備え約3万円
合計約39万円

住居費は住宅ローンを返している会社員世帯の返済額、車の維持費は小都市・町村の会社員世帯、それ以外は4人家族の会社員世帯(世帯主が60歳未満)の平均です(総務省『家計調査』2025年)。

結婚をして子供2人と想定すると、これぐらいの費用はかかってきます。共働きでフルタイム働いてカツカツという感じでしょう。

しかもこの表には、レジャーや習い事、お小遣い、親戚付き合いのお金が入っていません。同じ家計調査で4人家族が実際に使っているお金は、生活費が月約37万円、そこに住宅ローンの返済と保険料を足すと月約45万円になります。子どもが中学生ぐらいになると、食費も塾代もスマホ代も、もっと増えていきます。

そのため、本当にギリギリの生活をしていかなければなりません。

どんな仕事をしたい?

将来、あなたはどんな仕事をしたいですか?と聞かれると困る人が多いと思います。

おそらくみんなが知っている仕事というのは、

  • 学校の先生
  • 市役所の人(公務員)
  • 飲食店の店員
  • スーパーの店員
  • 薬剤師
  • 医師
  • 美容師

など館山にある身近なお店だったり、もしくはみんなが接しているような人しか仕事として浮かびません。

ワクワクしてこれがやりたいというものがある人は少ないでしょう。

もっと素直に欲望ベースで考えよう

モテたい。金持ちになりたい。外国に行きたい。楽しそうな仕事をしたい。など。

AIに聞いて整理してみたらこんな感じでした。どうでしょうか?皆さん当てはまるものありますか?

1. 承認・自己顕示(とにかくチヤホヤされたい)

  • 「有名になって、街を歩いたら声をかけられたい」
  • 「SNSでめちゃくちゃバズりたい・フォロワー100万人欲しい」
  • 「かっこいいスポーツカーに乗ってドヤ顔したい」
  • 「自分たちのした仕事が新聞とかテレビのニュースになるような仕事をしたい」
  • 「合コンに行って、モテまくりたい」
  • 「マッチングアプリでたくさん引き合いが来るようになりたい」

2. 自由・解放(面倒なことから逃げたい)

  • 「朝起きる時間を誰にも決められたくない(満員電車に乗りたくない)」
  • 「上司や先生など、誰にも指図されずに生きていきたい」
  • 「家から一歩も出ずに、パソコン1台で稼ぎたい」リモートワークを許してくれる会社にいくのは嫌だ
  • 「ブラック企業は嫌だ、ホワイト企業で働きたい」

3. 物欲・趣味(好きなものを極めたい)

  • 「毎日、回らないお寿司や高級焼肉を値段を見ずに頼みたい」
  • 「『推し』のライブやグッズに限界まで課金したい」
  • 「1日中ゲームをしていても誰にも怒られない生活がしたい」

4. 反骨精神(あいつらを見返したい)

  • 「自分をバカにしてきた奴らより、圧倒的に稼いで見返してやりたい」
  • 「親戚の集まりで一番の成功者になりたい」

5. 楽しい仕事をしたい

  • 漫画が好きだから漫画家になりたい
  • 漫画家は大変そうだけど編集者になりたいから集英社に行く
  • 服は好きだからアパレル行きたい
  • AIおもろそうだから、AIを仕事にしたい
  • ホテルのビュッフェ並みの食堂で、ただでご飯が食べれるような会社に行きたい

どれか1つでも当てはまったら、それが仕事を選ぶ入口です。そして、どの欲望を叶えるにも、お金か、自分で選べる立場が要ります。その選択肢の数は、どの高校に行き、どれだけ勉強したかで大きく変わります。

どんな人生を過ごすかを自分で決める

どの学校に行くか。親がこうやって言ってたから私はここにするっていう発言をしている中学生をよく目にします。

なんだかとても残念な気持ちになります。自分の人生を自分で生きていないのはとってもダサいなと思います。

親が言っていたのはきっかけとしては別にいいのですが、それをそのまま言ってしまうのはやめましょう。もう少し言語化してほしいし、その結論は自分が決めているということに気がついてほしいと思います。

例えば、あんたは木更津高校がいいんじゃないと親に言われて、私は木更津高校に行く。

まあ、そりゃそうなんでしょうけど、木更津高校がいいんじゃないと言われて「はい、わかりました」と言って決まるわけじゃないですよね?

「木更津高校の自由な校風で行事に全力で打ち込むスタイルは、あんたに合ってるんじゃない」

と言われて、中学の時に行事を頑張ろうとして生徒会長をやっているけど、周りの奴らのノリが悪くて足を引っ張ろうとする集団で、何とも歯がゆい思いをしたという経験をしている、という設定だとしましょう。

すると親に言われて決めたんじゃなくて、木更津高校の何事も全力で打ち込む校風に惹かれて、そこに行きたいと自分が心から思っているから行くわけですよね?

親に言われたから・・・

先生に言われたから・・・

というのはダサい。それは単なるきっかけ。

自分で考えて、自分の人生に責任を持ってほしいなと思います。

館山の基準で生きるのか?

周りにいるみんなは、ほとんど将来のことを考えていません。(情報が与えられないから仕方がない側面ももちろんあります。)

同級生の半分は、館山総合や安房拓心や安房西に行き、地場の企業に就職をして、生活をしていきます。

先ほど挙げた通り、手取りで30代前半が月21万円ほど、40代前半でも23万円ほど。カツカツの生活をしていきます。

仕事が楽しいとか、夢がある、という感じではなくて生きるためにギリギリの生活をしていきます。

生きていること自体が素晴らしいですし、家族を持てて楽しく生活している人もたくさんいるので、それ自体を否定するわけではありません。

しかし、中学生の皆さんが、もっと夢がある。もっと上に行きたい。そう考えるなら、そこから抜け出す必要があります。

周りのみんなは勉強していないから

館山は、勉強しない、努力をしない人たちの集団です。そこと溶け込んでいきたいのか、それともそことは私は違うと考えるのか。ちなみにAIに聞いてみるとこんな感じ↓

中3生(受験期)の平均勉強時間の比較

1. 首都圏の中3生(東京・千葉市・船橋などの激戦区)

  • 平日:約3〜4時間(学校の宿題+塾+自己学習)
  • 休日:約6〜8時間以上
  • 環境のリアル:周りのレベルが高く、少しでも気を抜くと志望校に落ちるという「恐怖」と「競争」が常にあります。塾に行くのが当たり前で、休日は朝から自習室にこもるのがスタンダードです。

2. 館山のような地方の中3生

  • 平日:約1.5〜2時間
  • 休日:約3〜4時間
  • 環境のリアル:トップ層(安房高校などの上位校)を狙う一部の生徒を除き、「どこかの高校には入れる」という安心感があります。

1日2時間の差は、1ヶ月で60時間、中3の1年間で約700時間の圧倒的な「知識の差」になります。

勉強をする人生を選ぶのか?選ばないのか?

中学生のあなたが勉強するかしないかを、僕たち大人が選ぶことはできません。

勉強するかしないかも自分で決めてください。

まとめ

  • どの高校に行くかで、その先の進学・就職がまったく違う。進学先も就職先も実力(=偏差値)通り。
  • 地元の企業に就職すると、手取り21万円前後から暮らしを組み立てることになる。
  • やりたい仕事が浮かばなければ、素直に欲望ベースで考えてみる。
  • 親や先生に言われたことはきっかけ。どの高校に行くか、勉強するかしないかは自分で決める。

この記事を書いた人

小池哲平のアバター 小池哲平 ランゲージ・ラボラトリー塾長

ランゲージ・ラボラトリー塾長、東進衛星予備校 館山校オーナー。安房郡白浜町(今の南房総市白浜町)に生まれ、白浜中から安房高校へ。高2で学年82人中81位まで落ちたところから、浪人して慶應義塾大学経済学部に合格しました。リクルートで4年働いたあと2011年に1993年開校の塾を先代から引き継ぎ、2015年から館山で小中学生を教えています。2026年卒の中学3年生は30名中8名が学年1位。志学館高校のSS特待には3年続けて合格者を出しています(2024年4名・2025年5名・2026年6名)。東進館山校は2026年の共通テストで平均+218.4点(千葉県内1位)。館山・南房総の高校入試を、塾で見てきた事実と数字で書いています。
塾長のプロフィール ランゲージ・ラボラトリーについて

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